さて、タイトルは単なるしゃれです。
副題は、在外邦人の買い物リストについて。あるいは“在外邦人、今私の一番食べたいものバトン”もやってみようかと思ったけど、これはまあ、拾いたい方があったら拾ってくださいませ。
右の写真は今回猫屋が三週間休暇時に日本から持ってきたもののサンプル食品版。煙草が入ってるのとか、手前にあるモスバーガーのちょんぼコースターは番外ですが。なお日本茶・のり等は代表者に出演していただきました。
なお、九州のばあちゃんがつけた梅干と頼まれものの辛子明太子は、冷蔵庫・冷凍庫のほうにあって写真ラインアップには入っていない。
しかし問題はですねえ。これだけ飯の友を買ってきたのにアラ猫屋亭には米がない。ソースはあっても焼きそばめんがない。ゴマはあっても肉も野菜も何にもないという状態でありまして、結局腹を空かした猫屋は、ワイン飲みながら草加せんべいとどら焼きを齧っている。
横浜で会った高校の同級生が(のり12帖と梅干2Kgの提供者でありますが)「よく考えたんだけど、猫屋ってそんなに頭よくない。普通じゃん」 と今更ながらマジな顔で言ったから、おもわずアタクシも「そうだよね」などと一応答えておいたものの、何も高校卒業以来30年以上たった今頃言うことないじゃないか。。。そんな、ねえ。まあ、頭はよくないですが。
実際問題としては、レトルトのご飯とレトルトの崎陽軒シュウマイを買うべきであったというのが結論であります。
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しかし、ふるさとは遠くにありて思うもの、とふりますとNHKのノド自慢イントロみたいですが、しかし実際食べてみると、そして東京での低価格食品に関して言えばモノはさほどおいしくない。だいたい、日本で作られてるもの自体が少ない。のりとか梅干、ゴマ・わかめなど、買ったのを裏返しにしてみると中国産が多い。日本産と中国産と価格以外のどこが違うのかということは分からないから、中国産=不味いとは言えないけれど、ふるさとの味の多くが実は中国産なのは事実です。新宿高島屋地下のふぐ屋で「はも定食」食べようと思ったら、これも中国製なんでなんだかがっかりしてそのまま帰ってきたり。
あと、“日本産”ものにしてもいつの間にか味付けが甘くなった。これは惣菜一般と漬物・そばの汁などについてですが、猫屋の味覚自体が変化した可能性もあるものの、たとえばアサリの佃煮に手を出してもなんだか気落ちがする。-- まあ激暑で食欲が落ちていたという事実も考慮すべきであるが。
実家そばでご夫婦がやってるなじみのラーメン屋は相変わらず安くて美味かった。でも店が狭いから炎天下で30分待ち。反対にファミリー・レストランは情けない味だし、レストランで出される牛肉には柔軟剤を入れた造型ものが多いという話を聞いてげっそりもした。
同時にスーパーの漬物コーナーに行っても元気がいいのは中国産キムチで、しば漬けはデパートまで行かないとなかったりします。あんなにあこがれたホカホカ弁当も美味くなかった。コンビニの肉まんも不味かった。池袋ピーダッシュの前に豚まん屋があって食べたけどまあまあいけた。でも東京じゃあブタまんなんて言ってはイケナイ。
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たとえば、無印の製品の多くがアジア諸国で作られていて、それがパリにも日本経由しないで来るから値段はそんなにべらぼうなものではない。それでも今のところはコンセプトby日本ということなんだろう。でもいつしか柔道や寿司やマンガがワールド・ワイドな単語になったように、“日本”というコンセプトもなにも日本という国境の内側に押し込めるには無理があるように思う。変な自分探しをするよりは、自分を創っちゃったほうがいい。本当に食べたかったらコロッケだって、牛丼だって、添加物なしのおいしいのが(少なくともここでは)作れる。
あと腑に落ちないのは、用があって車で出向いた埼玉の越生というところがあるんだが、梅林が有名な地なんだけれど、一体あそこの梅はどこに行ってしまうのか、ということ。一般店舗で売っている梅干は、蜂蜜風味的中国製か紀州産高級つまり高価梅干。同級生のところの九州のばあちゃんのように、何壷も漬けてる果報者がまだまだ多くいるとも思えない。頼まれて竹刀も2本買ってきたんだけど、竹についても同様で、真竹と呼ばれる京都産の竹でできた竹刀は高い。それ以外はやはり中国産だ。新幹線や車の窓から見えるあの竹林の竹はどこに行ってしまうのだろう。「さおやー、さお竹」と売り歩くさお竹屋はまだいるんだろうか。
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たまたまついていたTVで東京の植物紹介番組があって、ぼおっと見ていただけだからよく覚えてないけれど、なにやらあの六本木ヒルズ屋上で(あるいは六本木ヒルズ近くのビル屋上で)米の栽培をやっており、希望者にはその屋上田んぼ訪問が可能であるというアナウンスだった。たしか、皇居の中の人はお仕事で稲作をなさる。思わず六本木出張所ですか、とTVに向かって言いそうになった。
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日本から帰ってパリの定食屋で食べた、クルディテ(サラダ盛り合わせ)と地鶏のローストとブルイイは美味かった。ワイン一杯とコーヒーも入れて20ユーロ、つまり3000円。高いのか安いのか、よく分からなくなった。