買った本と、これから買おうと思う本。
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買ったのは、L'Histoire de France pour les Nuls
Jean-Joseph Julaud著のこの本のタイトルは、アフォにも分かるフランス史、とでも訳すべきかな。確か日本では「サルでも分かる、、」シリーズだったと思うけれど、それのフランス版、購入したのは文庫になって革命までとそれ以降の二冊に分かれているほう。同シリーズ仏版には、現在美術の見方とかもあるんだよね。実はオプスの記事読んでて、仏社会党ヘッドのフランソワ・オロンドがこの夏のバカンス中、奥さん(次期大統領候補)が水泳中、浜辺で読んでた本だったそうで、ついフナックで立ち読み。面白いんで買ってしまいました。門外漢のアンチョコとして使いたいです。
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これから買うのは(ってまだ出てない)、
A Reculons Comme une Ecrevisse /A passo di gambero、ウンベルト・エーコが、2000年初頭から2005年末までに書いていたアクチュアリテ(時事問題)に関する文章を集めたもの。このタイトルはね式に訳せば「ザリガニのごとく後退して進もう」かな。ヌーベロプスにあったインタヴューで読んだところでは、進歩あるいはプログレスという概念自体が疑わしい。だったら逆に行ってみようじゃないか、、、と言う内容のようである。
実は、911以前なんだが、東京-パリのフライトで、エーコと想定できる人物と長々と話しこんだことがある。。話題はイタリア・ワインのこと、ヨーロッパの歴史のこととかだったんだけど、最初から「なんや、ウンベルト・エーコによく似たおっさんやな」とは思ったのだけれど、TVとかの“実物”よりかなり若く見えたので、本物だとはちぃっとも思わなかった。場がエコノミー席だったってこともあるか。
そのおっさんは「ミラノに住んでる編集者なんだが、東京で世界編集者会議があってね」とか言って、中国共産党幹部みたいな四角い眼鏡のレンズをピカピカさせていた。
「ユダヤ・キリスト教の(ヨーロッパ)歴史は東洋人であるアタクシにはどうも理解しきれんです」と猫屋が言ったら、「ホホッホ、ヨーロッパ史の半分はイタリア史なのですよ」と切りかえして来た。
ミラノ市周辺のうまい白ワイン情報で始まった会話が、なんだか面白くなってきたところで、おっさんの同行者(とっても強そうなご婦人であったが、夫人であろうか秘書であろうか、はたまた兼任であろうか)が、「ちょっと、ちょっと、、」と御介入されて、わがおっさんはシオシオと自席に戻ったのであった。あれってやっぱりエーコだと思う。コーンベンディットとならんで、欧州の大変おもろいおっさんのひとりである。
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文化とは、おもろいおっさんがいるかいないか、これがネックじゃあありませんかい。
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追記:アマゾンfr から、本じゃないんですが。出ましたね、
Calendrier 2007 : Dieux du Stade
(購入予定はないですが) これ、フランス出版界のドル箱、ではなくてユーロ箱であります。
>文化とは、おもろいおっさんがいるかいないか
そうそう、おもろいおっちゃん。どこに行っちゃったのでしょう。
個人的に明治以降の関心が薄いのは、なんか「おもろさ」が薄れて行くような気がするから、というのもあるのです。
その点欧州はまだまだ体力あります。南米も手強いし。
投稿情報: ぴこりん | 2006-09-17 10:46
そう、ブラジル大統領ルラも、ワインでも飲みながら話をしてみたいおっさんのひとりであるですね。(チャべスはパスですが、、)
日本でも、藤原新也氏とか健闘してらっしゃいますが、どうも今は「道理の通った勝手な話」が出来ない「空気」になっちゃってる。諧謔の息がつまってる。高田渡も、中島らもも、もっと前になるけど伊丹十三も無残な形でアチラ側に移行なされた。由々しいことです。
投稿情報: 猫屋 | 2006-09-17 13:42
またお邪魔します。ペコリ。
最近、我が横浜も、人の種類が平均化してきて、おもろい人や、エッジのきいた不良を見かけなくなってきました。メリーさんもいなくなっちゃたし。尖ってた先人達のシルバー化で、フツーの街となりつつあります。なのでつまらない。
街も文化も「人」によって創られますものね。
ところで、猫屋さん、お掃除の時「Hair」聴いているのですか?私、子供の頃、あのレコードの中で「言ってはいけない言葉」が羅列された曲を暗記して、大声で歌っていたところ、母親に窘められたという記憶があります。当時は、何の意味かまるで解らないで歌ってた。
投稿情報: Sita | 2006-09-20 13:09
Sita さん、ども。ペコリ。
こないだ行ったのは、横浜の駅前だけだったんだけど、やはり新しいビルが出来てて、地下街とショピング・センターだけで用が足りてしまう。まあ、“横浜”ってのも複数中心があるから、どうも全体像がつかみにくいんですが。そう、メリーさんのような人々がいなくなって、かえってみんなが今頃都市伝説を探している、というパラドクスがあるよね、日本。あと残ってるのは名古屋の縦ロールとか、渋谷のまだいるガングロとかだもんねえ。
そう、掃除の時は“ソドミー・フェラチオー・カーナリンガス(だっけ)ペーデラスティ♪”と大声で歌ってます。ははは。誰もほめてくれないけど、気分はいい。
なお、ピコリンさんとこリンクで聴いたキング・クリムゾンタッチの空手バカボンは難しすぎて真似できませんでした。
投稿情報: 猫屋 | 2006-09-20 14:24