翻訳します。とはいってもタイトルが訳せません。参照:about com による写真つき英文解説をご覧ください。本記事は12月12日発行のカナール・アンシェネ第2ページから。前エントリーにスキャンしたのをアップしてますので、原文およびイラストはそちらで参照ください。
サルコのles bras d'honneur
「realpolitikってのが何にも分かってないんだったら、それは彼らの自業自得さ(tant pis pour eux)。」パリでの盛大なカダフィ歓待に関する批判に対して、ニコラ・サルコはこう反応したのだった。そして顧問たちの前でこう続けた。「いずれにしても、連中がわめきたてる(gueulent)分だけ、les bras d'honneurを送りつづけてやる。その分、長々とカダフィと握手してやろうじゃないか。」
そして、リビアの将軍への常軌を逸したもてなしについて、次の言葉をもって締めくくったのだった:あれもこれも、すべては経済成長のためである。
「噛み付いてでも足りない成長率を上げてみせる、と言った。そうさ!だから実行しているんだ。仏企業にとって100億ユーロの契約はたいしたもんだ。」
もうひとつの大統領の論点:アフリカと中東にしめるリビア・リーダー(guide)の重要性だ。「2003年以来、彼はテロリズムに見切りをつけた。もともと原理主義には反対している。ビン・ラデンの逮捕を最初から要求している。そのうえ、ダルフール危機解決で重要な役を演じる可能性もある。」
大統領の結論:「いくら気まぐれな人物にしても、彼の国際協調への社会復帰(réinsérer)に貢献するのは悪いことじゃない。」 社会復帰を強調するのは例外であるにしろ。。。
「サロンから説教する連中ほどいやなものはない。」と語ったあとサルコジは、カダフィと...ディオールを全身にまとって“パリマッチ”の表紙を飾ったばかりのラシダ・ダティを比較するという危険な試みをした。「どっちの場合も、悪に対しては悪をもって処するのだよ。カダフィと一緒にいるところを見たいのか?できる限り一緒にいようじゃないか!ラシダはミーハー(peaple) 過ぎる、有名デザイナーと付き合いすぎると人は言う。だから彼女に言ってやったんだ:みんなをうんざり(emmerder)させりゃいいんだ。楽しめばいいんだよ。」
政治路線と同様、les bras d'honneur の繰り返しは、どちらかといえば愉快であるわけだが、いかんせん短絡すぎる。特に、大統領選挙運動中の3月2日に、“たとえフランスの友人であろうとも”独裁者とのいかなる妥協も断じて拒否すると公表した人物の言葉としては。そして、外交政策の中心要素を人権保護として強調していた人物の言葉としては。
*イラストのせりふ:カダのことで嫌がらせるつもりなら、サルコはあいつに功労勲章を授けてやるぞ!
投稿情報: 2007-12-16 カテゴリー: France, trad/翻訳 | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)
なんか結局、みっともない展開になっておりますね。大昔ですが“駅前社長シリーズ”というお気楽映画がありましたが、駅前の社長さん御一行が温泉旅行にでも行ってる雰囲気というか、そして対するサルコ・チームはなんだかタケシ軍団。
Boufffonnerie という言葉がありますが、笑い飛ばすにしても、国家予算(赤字)と仏国の国際信用が絡んでるんで微妙です、、、しかし真面目に観察してたら腹立つばかりであります。
大雑把に解説いたします。
今は影をおヒソメになられているプリンセス・セシリアが大活躍し、1999年来カダフィ将軍下のリビア政権によって捕らえら死刑まで宣告されていたブルガリアの看護婦5人とパレスティナ医師は、今年の七月に解放されたわけです。まあ、世界中の人権団体・ノーベル賞受賞者やもちろんEUもこの件ではいろいろ手を尽くしていた。解放は、仏国大統領なりたてのサルコジがトリッキーに根回しなしでごり押し展開しちゃった観があります。これはあくまで猫屋的観ね。
この看護婦解放時のネゴシエーション・メニューに、たぶんカダフィのフランス公式訪問も入っていたんだろう。
カダフィは国際世論への餌としての“ブルガリア看護婦解放”と引き換えに、自分の国際社会復帰を希望したんだね。サルコのほうは、彼の十八番である“人質解放”力を再び、おまけに世界レベルで広報できる。仏大統領の国際政治舞台デヴューとしては悪くない。おまけに、原油と天然ガスを豊富に有するリビアに、ラファル戦闘機・エアバス・核開発etc.を売るという約束まで取り付けた。ラッキ。
そしてカダフィが、お約束通り、フランス公式訪問の運びとなった。だが、到着日が世界人権宣言の日だったことをサルコ・スタッフは見過ごしていた。(なんかシラクの核実験を思い出しますな)
かつてはフランス民間旅客機を爆破するというテロ行為を行い、また世界のテロ組織を援助し、いまだに選挙制も報道の自由もない、そしてブルガリア看護婦に対して拷問さえ行った独裁国の独裁者を、なにも、人権宣言が発せられた地であるパリに、人権宣言の発せられた記念日(12月10日)にジャスト招待するのは非常識である、と仏国人民は感じたのでした。
しかし、この国に反政府勢力は不在なのでした。
そこで、現フィヨン政権の外務省つき人権担当相である、ラマ・ヤデがle Parisien とラジオのフランス・アンフォでカダフィフランス訪問を批判したわけ。
"Le colonel Kadhafi doit comprendre que notre pays n'est pas un paillasson sur lequel un dirigeant, terroriste ou non, peut venir s'essuyer les pieds du sang de ses forfaits."
「わたしたちの国は、テロリストであろうとなかろうと、一国元首が、過去の大罪の血痕をふき取るための足拭きマットじゃないんだと、カダフィ将軍は理解すべきだ。」
ほかにも「血のくちづけ」など、なかなかインパクトの強い発言をしたわけです。詳しくは上記リンク先のインタヴュー、あるいは下のル・モンド記事をお読みください。
とにもかくにもカダフィ将軍、パリに来ちゃった。アマゾンと呼ばれる迷彩服の女性護衛隊を含む400人を越える人員を率い、べドウィン野営テントをシャンゼリゼ近くのホテルの庭におっ建て、真っ白なリムジンでエリゼ宮(ホテルから50m)に多数の仏国警察護衛を引き連れてお出ましになるわ、ホテル・リッツで知識人・経済界人を招いて(あのアラン・デュマが仕切って)レセプションしちゃうは、バトームッシュでセーヌ川散策しちゃって、パリの橋は通行禁止になるわ、、大変です。ラクダを連れてこなかったのは、個人的にはちょっと残念でしたが。。
対するサルコおやびんは、フィヨン政権の研修生ラマちゃんについて、「よう言った。自分の意見があるというのは大変いいことですね。」と花丸をあげた。でもラマちゃん、次の日にはフィヨン教頭に呼び出されて、それからは大変おとなしくなってしまったのだったよ。(なおラマちゃん、この木曜が誕生日で31歳になった)
以下ル・モンドより参考記事
**
さてサルコジ人権の国フランス大統領は “やくざな人権無視独裁者も、まともな政治家として扱うことでしだいに普通な人になる”説を採用。“核兵器・化学兵器開発も断念し、テロリスト集団への援助もやめたと言っているのだから、彼はすでに独裁者ではないのだよ”ということであるらしい。。以上、かなりなレジュメby 猫屋でありますから、詳しいところはオプスに載ってる緊急インタヴューでお読みください。(左派誌にインタヴュー載せさせるというのもサルコ技ですね)
«Il faut parler à Kadhafi !» Sarkozy s'explique
まあ、論理として一応説得力がないわけではない、かも知れない。だけど、問題はそこにはない。真実は別のところにあるんですよね、Xファイル。
戦闘機・核開発・ことによったらウラニウムまで独裁者に売ってどうするんですか?← これで「独裁者をまっとうな政治家にニューリアルするサルコ作戦」説の信憑性はまるっきり失われてしまう。
だいたい、アメリカ合衆国や他の欧州各国を訪問しても、「今回のxx国訪問でゲットした契約は何億ユーロ!」とか、サルコ報告しない。中国・リビア・アルジェリアが相手になるとすぐ契約・契約、(正確に言うととった契約ではなく、ネゴシエーションの開始の話に過ぎない場合が多い。それに過去何年かにすでにサインされてる契約額を上乗せして、契約取りました感を強調してますね、サルコ)。書き加えれば、われらが人権研修員相ラマ・ヤデは中国訪問団に入ってなかったですね。
***
さて、翌晩になってしまいました。続けてみます。なお、昨夜の文章、若干書き加えました。もう一回読んでね。
カダフィの人権逆襲;「フランスのアフリカ人民の人権は迫害されてないとでもおっしゃるのか?」
サルコジ人権の国フランス大統領は、結局3回にわたってカダフィ将軍会見したわけですが、インタヴューで、『リビアが人権を尊重する国家となることを期待する』旨のメッセージをしっかり伝えた、と言った。会見に立ち会ったクロード・ゲオ
ン大統領府官房も、サルコジはカダフィとの対話のなかで2回にわたって人権について話したと報告してる。
しかしだ。シャンゼリゼ近くのホテルの庭の野営テントで France2 キャスターのインタヴューを受けたカダフィ将軍は「サルコジ大統領と人権について話し合ったのですか」という質問に、「いや、そんな話は一切なかった」と返答。
おまけに、国民議会訪問(左派議会員はボイコット)・ホテルリッツでのレセプション、それからルーブル見学、ヴェルサイユ宮殿見学などの定番(エスコート人員数が定番枠を超えている)観光のほかにも、ユネスコ本部を訪れ、“偉大なる指導者”としてスピーチしたんですね。演説レトリックとしては、よくあるパターンですが、たいしたculot(あつかまし)であります。参考:ロイター記事
「われわれアフリカ人は不正義の犠牲者である。彼ら(ヨーロピアン)は、汚く辛い仕事をさせるために、家畜のごとくわれわれをここまで連れてきて、そして都市周辺のバンリュウにわれわれを投げ込み、権利を要求すれば警察に打ちのめされる。」
また、“女性解放”のための集会も開きまして、フランス女性を代表させるってんでしょうか、昔風の衣装をこっちの女の子に着せて写真とってましたね。
ま、一言で言えばやりたい放題。ヴェルサイユの森で狩りを御所望という話もありましたが、ラクダと同じで現実化しなかったようです(残念と、猫屋に思えるのはなぜでしょう)。追記:ヴェルサイユ宮殿見学の後、将軍はランブイエの森で狩りをなさった模様。フィガロから:Partie de chasse pour Kadhafi
人民:「いったいあのひといつまでいるの?」
フランス大好き独裁者であるカダフィ将軍は、テロ行為たとえばUTA旅客機爆破テロ行為(リ
ビアによって起こされ、被害者家族にはリビアから遺書料が支払われている;1989年)やテロリスト支援外交政策が原因で、この34年間、フランスの地
に足を踏み入れていなかった。K夫人からご指摘いただいたように、当初将軍は10日間のフランス滞在を希望、しかしさすがに、過去に10日もフランスに公
式滞在した外国首脳は存在しないという理由で、仏政府は10日を56日に減らすことに成功(なお政府は広報、つまりメディアを通じて5日訂正;6日のうち公式滞在はたったの3日半だと言い訳してます)、基本的にはこの土曜日15日にパリをお離れになる予定であります。ただ、次の滞在地マドリッド訪問は来週月曜に予定されてるわけで、将軍、この週末はどちらに行くのやら?心配ですねえ。
今週のフランス(少なくともメディア界)はカダフィに引き回された感があります。11日にはアルジェリアで自爆連続テロがあり、60人以上が死亡(またしても11日です)。けれどこの報道はカダフィ報道の影になっちゃった。
あまりのフィーバーぶりで、さすがサルコ・ノンストップ・ショーに馴らされつつある国民も、今回の駅前シリーズにはゲンナリ。何にゲンナリしてるのかというと、これは分析が微妙ですが、結局はグロバリメルカート世界でマイナー国になっちゃったフランスは、独裁者にあれだけぺこぺこしなきゃ生き残れないんだ、、という印象を持っちゃった。この印象が、事実であるのか、あるいは単なる印象であるのかはまた別の問題です。
独裁国のリーダーを世界の外交舞台に向かいいれることで、独裁制の民主化への移行を図る、、というのはなんとも20世紀的ディスクールじゃないかな、と思います。21世紀の、政治は経済に従属する、というシェーマで言えば、米国・ロシア・フランス等の民主国と見なされてる国々が、逆に“第三世界”独裁国的性格を強く持つようになった。イラク戦争・グアンタナモ・選挙不正・武器売買・メディア管理・警察国家etc.etc.
経団連:なんぼ売れるんやろか?戦闘機ラファルはほんまに売れるんか?
噛み付いてでも経済成長率を上げてみせる、とタンカを切ったサルコジ人権国家大統領の発表によると、今回のクライアント、カダフィ将軍との契約は総額100億ユーロだそうです。えっと、たぶん16兆円か。。
けど、実際には軍備・エアバス・核開発・建設契約の多くは、ネゴシエーションに入るお約束がとれた段階で、具体的な、たとえば戦闘機やヘリコプター・タイガー一機のお値段は、まだ見積もりもできてない。まあ、いつものサルコ前宣伝の枠内で考えたほうがいいんでしょう。
それより、アフリカの一国がまとめて軍備を新調すると、周辺各国がそれにレベルをあわせようと軍備均衡競争が始まる恐れがある、と警告する専門家もいるわけです。
なお、ダッソー社が大幅な投資をして20年前に開発した“最新式・高性能”戦闘機ラファルなんですが、なんとこの20年間一機も海外に売れてないんだそうだ。
下の記事は、“契約内容”についてのル・モンド記事です。《リビアとの契約額に関する疑問》
カナール・アンシェネによるすっぱ抜き:サルコ・オフ語録「悪を持って悪を征するのじゃ」紹介
えっとですね。この記事短いんだけれど的をついてる見事なものでありまして、このエントリーがやたら長くなっちゃったこともあるし、暇あったら明日あたり別エントリとして訳してみたいと思います。さすがカナール。インサイダー通報者の存在と内容の信憑性には驚くばかりだし、おまけに広告なし=スポンサーなしですから、今のフランスに残っている、ただひとつのインディペンデント・メディアと猫屋は考えます。
結論:“タケシ城の対決カダフィvsサルコ”の結果は、カダフィの勝ちー。
ラマちゃんの一時的健闘も、結局は政府内部の小さな嵐で終わってしまいました。爆弾発言以前に、12月10日は人権宣言の日だと政府関連者にメールで警告するも誰も聞いてくれなかった。それでラマちゃんパリジャン紙とフランス・アンフォで発言した、て経過らしい。しかし、dans tous ça 、どこを見回してもクシュネール外相(あるいはオクラント女史の亭主)が見当たらない。
このごろ、フランス外務省はフランス・グローバル貿易省と、呼ばれてますね。
なお、カダフィ将軍が冬の雨の降りしきるパリの空港に着いたとき、出迎えたのは予定されていたオルトフー移民と国家アイデンティティ相ではなくアイヨ-マリ内務相だった。これは、出迎えは女性がいい、という将軍のリクエストがあったための変更だそうであります。あーあ。お客様は神様です。
なお今日のル・モンドも、サルコジ外交について署名つき長いエディトリアルを載せてるんで貼っておきます。 リスクの外交、エリック・フォトリノ
投稿情報: 2007-12-15 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
20minutes から、Rama Yade reçue à l'Elysée /ラマ・ヤッドヤデ、エリゼ宮に呼ばれる。
K夫人のコメント欄報告のとおり、本日からのカダフィフランス訪問を、ラマちゃん直球で批判しています。
まずはブログ界、それから新聞でもサルコ外交;つまり中国・リビアそれからロシアとの仏親密外交への批判が高まってる。フランスは独裁政治サークルに寛大すぎるってわけですね。いくら契約が欲しいからって、そりゃやりすぎ、ということ。
おまけに売ってる商品は、戦闘機も含む飛行機だったり、核開発だったり、きな臭い。
プーチンが選挙で選ばれたとたん、サルコは電話かけて祝福;大掛かりな選挙違反も報道されてるのに、電話なんてかけてんのサルコだけだそうだが。。。
夜にでも、も少し続けてみます。
*
と、夕方に別エントリーほぼ書き上げたんですが、「あ、腹減った」と、昨日の残りのとんかつでカツ丼作って食べ終えたら、下書きアップロードしたはずのエントリーが、、、、また消えてしまってたのでした。シックスアパートさん、やたらサーバー重いんですけど。。。いや確認しなかった自己責任だよなあ。。。pc古すぎ。サンタ・クロースさん助けてください。って無理か。
**
さて、いくつか付け加えてみます。
サルコジ外交
サルコジ得意“人質解放作戦”のコロンビア・ヴァージョン、つまりコロンビア・フランス二重国籍をもつイングリッド・べトンクール(2002年からコロンビアの反政府組織FARCの人質となってるコロンビア政治家)を本年クリスマスまでに解放する、とサルコジは選挙戦で公約の一つにあげたんですね。ところが、これがなかなかうまく行かない。ベネズエラのチャベスをエリゼ宮に招いたけど、たいしか収穫は得られなかった。サルコジはFARCに直接ヴィデオ・メッセージを送って、“べトンクールを返せ!”と迫っていますが、大体彼女はコロンビアで生きることを選んだ人だ。2003年にもフランス政府は、現地に軍用機を内密に送っているが、隠密作戦は失敗に終わっている。サルコジは、チャベスばかりではなく、カダフィにもこの件での仲介者を期待しているようですが。。でも、これって内政干渉にはならないんでしょうか、、、
プーチン再選後、祝いの電話をかけたのは、タジキスタンとイランと、、フランスの大統領の3人だけだったとか。。。
カダフィー:リビアに赴いた国家元首はブレアをはじめ、何人かいるようですが、国賓として自国に招いたのはサルコジが初めてだそうであります。たとえばミッテランはトリポリでカダフィに会ってるけど、あれは隠密作戦だった。核兵器開発断念を声明してはいても、今でも民主選挙制・報道の自由・反政府党などのない、また拷問を国家統制の手段としてる国家の独裁者であるカダフィを国家元首官邸に招くのは、“人権”国家としてはサルコ・フランスが始めて。
カダフィは、400名からなる訪問団を引き連れ、これは確認取れてないけど、ベドウィンの夜営テント、さらにはラクダまで大型軍用機に乗せてやってきたらしい。フランス滞在8日間でありますね。
サルコがカダフィに売りたいのは、エアバス21機、買い手の見つからない戦闘機ラファル14機プラス軍用ヘリコプター35機(いずれもサルコに親しいダッソー社製品)、“海水を淡水化するための”核原子炉が一台かそれ以上、ことによったらウラニューム隔離装置、もちろんメンテナンス込みであります。
中国での契約については、(今はホノルルでマラソンしてるはずの)日本のネット軍事評論家である神浦さんが書いてましたけど、ありゃ危ない。
こうやって考えて見ますと、サルコ外交のアウトラインが見えてきます。ブッシュ・チャベス・中国・プーチンロシア・アルジェリア、そしてリビアだ。
なんか、ネオ“悪の機軸”的ですが、共通項はそう、、オイルと天然ガスでがす。ちなみにリビアはアフリカで二番目の原油・天然ガス産出国。
サルコジがエリゼ宮にカダフィを迎えた、12月10日は、世界人権宣言の日です。
でもって、ラマちゃんがんばれ、がメインテーマのはずのこのエントリ、ラマちゃんがんばれ第二章は、ラマ初期語録もつけて明日の夜にでも続けてみたい。
なお、セネガル評論家でもあるK夫人からの本日の電話アラートよると、ラマちゃんのフル本名 Ramatoulaye Yade-Zimet のYADE は仏語発音ではヤッドになるけど、本来はヤデと読むのだそうだ。
投稿情報: 2007-12-11 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)
Rachida Dati /ラシダ・ダティ 42歳 仏法務大臣: 両親はたしかモロッコとアルジェリアからの移民、
11人 後日訂正、12人だって、の子沢山家庭に育ったけどガムバッテ勉強して、サルコジに見出され仏国法務相に就任。
けど、MBA と履歴書に書かれてたのに、実際は単位が足りずに卒業証書もらえなかったんだとか、通常はたしか3年かかる法学メトリーズ(日本では法学修士になるのかな)を、職業経験ありってんで一年で終えてるとか、もともと真面目が看板の仏法曹界では、実際の裁判所での実経験が4年のこの女性への批判が絶えないわけだ。
法務大臣就任以来、複罪被疑者への即実刑・情状酌量なし法改正(peine plancher)、地方の裁判所・労働調停裁判所の閉鎖(調停件数が少ないと閉めるとか、、なんか中古車販売店みたいですね)のサルコジ路線を忠実に実行し、反対する弁護士・判事・書記官までデモ・ストやってる。
中国へのサルコチーム訪問団に、人権担当相のラマ・ヤデ(29歳、着てる服はH&Mが多いそう、夫は社会党の人)が参加しなかったのは、
どうもダティ法務相のリクエストで、それにサルコが答えた結果であったらしい。
口の悪い連中は、ダティ法務相を「プペ」と呼んでる。英語の doll であるね、人形。ヘイ・ベイビー。
今週はかつての親友セシリアに代わり、パリ・マッチ誌(ラガルデール所有)表紙になってるようだが、ちなみに(k夫人情報によると)先週は国会尋問でも着ていたこのピンクの袖なしトラトラ パンサー模様ドレスはディオールだそうだ。靴のコレクションも多数。って、仏国の法務大臣は着せ替え人形ですか?はあ。
法務省ヘッド・スタッフの半分が“プペ”の横暴さに耐えられず、次々と辞任。まずはミッション・アンポシブルを二件(サルコが夢見、ダティが)現実化したんで任務完了、次回の内閣改造では法務省に残らんだろうといわれてる。
あーあ。
このラシダ・ダティが(UMP公認の兼務職で)来年三月の全国市町村選挙では、パリ市七区に立候補する。最初は彼女12区立候補を希望してたらしけど、当選の見込みなしで、サルおやびんはパリでも一番保守な七区にプペ号を任命。でも年寄りの多い七区は保守過ぎて、フランス・モロッコ二重国籍のダティは当選なるか。。。おやびんのお気に入りも苦労は多いよね。明日着るドレスのチョイスとかさ。
パリ市では、ドラノエ現市長を中心に対サル勢力の元気がいい。ドラノエ組、サルコ帝国に拮抗する21世紀のパリ・コミューンたるか。ヌイイに引っ越したヴェルサイユ派サルコチームは、いつまで“うどん屋の鍋=ゆーだけ”政治を続けるのであろうか。
*
翌日追加;20minutes から拾ってきました。アコースティック・デュオla chanson du dimanche/日曜の唄、によるパーフォーマンス、タイトル訳すと“スーパー購買力”ですね。
購買力あったら鉛筆も買えるし、もしかしたら1000ユーロ貯金できるかもしれない、、という極めてパリ・コミューンな唄であります。スト中のパリを訪れた英国人の困惑を歌った petit cheminot も極めて楽しい。
**
あくまで不真面目が売りの左浪人猫屋、現在は、ね式フランス抵抗運動の星who'swho特集を企画中であります。
なお、今週末は絶対、映画 I'm not there を観にいくぞ。
投稿情報: 2007-12-07 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (6) | トラックバック (0)
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・
サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル・サル
今日はNSボイコットの日なのだった。Journée sans S である。キオスクに行けば分かる(フィガロは当然ながらシカト)。その前日夜にTVショーを組んだのは、NS軍団アジャンダ担当スピンドクター、クロード・ゲオンの策であろうか。
投稿情報: 2007-11-30 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)
本日の夜8時、ニコラ・サルコジは、PPDA(tf1)とシャボー(france2)2人のジャーナリストを前に、エリゼ宮で45分間(tr1とfrance2の生中継)フランス内政について語った。主題は“購買力”であるはずだった。
サルコの提案したいくつかの政策の、---アタクシの耳には、いくつかの“ブリコラージュ/日曜大工仕事”としか聞こえかったんだが---内容と問題点については、これからメディアに出てくる専門家の論も読んでから紹介するとして、ひとまず気がついた点を指摘しK夫人のリクエストにお答えしたい(だって、ブログ書きで寝不足気味の猫屋宅に、K夫人からのアラームアラート・コールが毎日かかってくるんですよお)。
まあ、サルコの発言を全部聞いたわけじゃなくて、最初のほうの一部は台所のラジオで聞いていて、あと10分間ぐらいTV見てみただけなんで、たいしたことは言えない。
おまけにライヴでのサルコ・トーク、過去に見たのはたぶん選挙前のロワイヤルとの討論だけだったような気がする。だとすると2度目か。。しかしひどい。あれがフランスの大統領なのかね。
だいたいエリゼ宮に、外国要人は別としても、人を呼びつけるのはどうかと思う。なんか大統領、エリゼ宮にヒキコモリじゃん。あとは北京だ上海だモロッコだアルジェリアだと飛び回っておるが、たとえばパトカーとの事故で死亡した少年たちへの追悼の意を表すのであれば、親をパリまで呼びつけるんじゃなくて、少年たちの家に出向くのが本筋ってもんじゃあござんせんか?よくわからん。
コミュニケーション能力抜群のはずが、対話者の話聞いてない。ジャーナリストの質問に答えてない。あれだったらインタヴュアーいらない。ゲノの書いた原稿読んだほうがまだましだ。少なくともvoyou(ちんぴら)だとか、形容詞ではとって付けたような remarquable (注目すべき)、主語ではon (会話体仏語の主語、主体がだれだか不明)とかの乱用しすぎは避けられるだろう。orateur (雄弁家)としての資質ゼロ。要にあれは喧嘩語法であるね。
あのチック・落ち着きのなさは別としても、番組始めのサルコジの眼は、はっきりあの男の恐れを表していた。
これは細部なんだが、RERのD線で殺害された女子学生が病院で死亡したのは12時40分。終着駅で発見されたのは12時少し前。数個前の駅時点で殺傷されたと推定されるから、サルコが言うように「若い女性が日曜日の10時に郊外電車に乗るのは無謀だ(←記憶で書いてるから正確さにかけるかもしれないけど)」って、大きなお世話だ。だいたい彼女は死んじゃったのだよ。
ヴェリエ・ル・ベルで負傷した警官については賛辞を大盛り、チンピラ制裁への意志も大盛りだったけど、死んだ15歳と16歳の少年たちへのオマージュはなし、サルコによればバンリュウ暴力と社会問題に関連はないんだそうだ。マッチ・ポンプ健在なり。
もう一点の間違いは「オランド(社会党書記長)が言うのは月給3000ユーロもらってれば金持ちだそうだがウンヌン」。オランドが言ったのは4000で3000ユーロじゃござんせん。ビンボウ人には1000ユーロちゅーたら大金である。17万円である。スミック手取り(最低賃金)は1000ユーロに満たないんだよ。ボケ。
会社側と労組の話し合いがつけば、給与上昇の条件で35時間という労働時間を延長できるようにするんだそうだが、労組のない、あるいは力のない企業では経営者が好きにできるってことですか?民間では労組の力はどんどん落ちている。だいたいMEDEF(仏経団連)のパリゾは、勤務時間制限を取っ払えと提言しているわけで、サルコの言ってた日曜勤務(サルコが給与2倍にするそうだが、、誰が払いの?)を一般化して、結局のところサービス業(低賃金・容易な解雇・フレキシビリティ・パートタイム)人口を増やして、労働年数を引き伸ばす、つまり企業家の望む労働市場提供への布石じゃございませんか。。。
公務員も含めた全サラリー人口の時間外超過勤務税抜きとRTT(残休暇日数)の現金での支払いが、購買力向上に直結する政策だそうだが、さて財源がどこにあるのか?運び込まれたER患者ケアやってる看護婦・夫や、答案添削やカリキュラムについて行けない子供の課外授業やってる教師の無料超過勤務の支払能力が、国家にあるのか?
今まで、60歳以上無料だったtv視聴料(116ユーロ)を年寄りから取り立てなきゃならないほど困ってる国家公庫に、そんな財源ないでしょうが。。。大統領給与は上げたけど、、、、(なお大統領のひとりだけ賃上げ140パーセント・168パーセント・204パーセントなど多説があり、トランスパロンス目的の賃上げだったが極めて不透明なり)。
家賃高騰に対しては、法の規制する家賃上昇率を、現在の新住宅建設費用上昇率ではなく、物価変動に呼応させるといってた。これは悪くないかもしれない。でも入居の際支払う敷金・保証金の引き下げについては疑問。結局、賃貸しが家主にとってペイしなくなったら、家主は不動産高値が続いてる間に(つまりサブプライムの余波がマジ及ぶ前に)持ちアパートを売っちゃったほうがトクって計算になるかもしれない。
その他のブリコラージュは、この10月から実施された「超過勤務手当てに社会保障税をかけない」(これは経営サイドから「毒ガス室」だと不評をかってる)政策と同様、すでに複雑なフランス行政システムに新しい仕事・パイプ役・税計算etc.を付け加えるだけで、“経済成長率上昇” “国家赤字減少” “購買力増強” 等に悪い影響はあっても、よいニュースとよべるだけの材料は見当たらない。
たとえば、元来はスタートアップ企業が、有能な社員を引き止めるため持ち株をオファーするはずのストック・オプションが、フランスでは大企業幹部お手盛りボーナスとして機能しちゃってる。ストック・オプションへの課税は収入税だけで、企業サイドにも受け取りサイドにも社会保障税がかからないから、企業は、給与ではなく、お得で内緒なストック・オプションで幹部に“報奨”をばら撒く。だったらストック・オプションに課税し、国民健康保険の赤字や年金の赤字埋めしたっていい。これはセガンが提案したけど、サルコはストック・オプションには一切触れない。Medef の楽しい仲間たちに受けるはずはないもんね。
あとEDFの株3%売却して大学改革にあてる、って言ってたけど、元来EDF民営化プランには批判が多くて、国家持ち株キープするって約束で民営化すすめてるんではなかったか?
コルシカで知事を殺害した容疑でイヴォン・コロナが逮捕された時、当時の警察のオヤビンつまり内務相サルコはジャーナリスト集めて「殺人者を逮捕した!」と大喜びで宣言したのだった。けど、今行われてるコロナ裁判では容疑確定できていない。証拠がないんだ。これはヴィリエ・ル・ベルでの事件でも同様。サルコは「国家公務員に対して発砲するものは殺人罪で裁かれる!」と宣言。でも担当検事がたてた容疑は「過失致死」なんだよね。
サルコは大統領なんであって、司法検事でも裁判官でもない。、長年の夢どおり自分の給料は大企業CEOなみに上げたわけだけど、サルコは企業家ではない。EDFの株売却を決めるのは企業上部と株主ではないんですか?
ヌイイという極めてアーティフィシャルで歴史のない成金街の行政管理と、RPR・UMP という保守党乗っ取り大作戦と、それから一国を統治する大統領職とは、まったく性格も重要さも違うのだ。
サルコジへの支持率は50パーセントを切ったそうだ。
参考
リベによる抜粋 Nicolas Sarkozy: «J'ai été élu pour cela, je fais le travail»
フィガロによるサルコ支持率下がるの記事 La popularité de Nicolas Sarkozy sous les 50 %
以下はブログVive le Feu ! から。
"S’agissant de la situation dans les banlieues (...). Sur les ruines de la démocratie s’installe la voyoucratie". (Jean-Marie Le Pen, dimanche 26 septembre 1999.)
"Ce qui s'est passé à Villiers-le-Bel n'a rien à voir avec une crise sociale, ça a tout à voir avec la voyoucratie". (Nicolas Sarkozy, jeudi 29 novembre 2007.)
投稿情報: 2007-11-29 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (1)
大都市近縁の郊外HLM衛星都市;ゲットーで攻撃され・火がつけられる建築物の多くは、学校だったり図書館だったり、あれば警察オフィスだったりする。結局のところ“共和国国家”機関なんだよね。郊外若者グループが“戦争”してる相手は警察だったりCRS(機動隊)だったりする。今回はTVから送られたジャーナリストも攻撃されてる(日曜の夜)。いいかえれば、TVメディア(カメラ)も、“国家”枠に数えられてるわけだ。
昨日の夜は、大きな“騒動”はなかった。これは政府サイドが送った大人数の“保安要員”のおかげじゃない可能性が強い。サッカーTV中継があったんだよ。
(追記;この夜のヴィリエ・ル・ベルでの監視体制はかなりのものだったらしい。ヘリコプターと重装備警察・CRS、おまけに多国ジャーナリスト・カメラマンが結集。住人によると「シカゴみたいだった」そうだ。いくつかのゴミ箱が燃え、無人の街に出た男たちには書類コントロールがなされ、家族は子供たちを表に出さなかったのだそう。。。)
郊外ゲットーには何もない;企業がないから市の財源がないし(追記;国家援助も2008年予算で大幅に減額)、若い住人が働く先もない。中学・高校はあっても、“成功”モデルになるような対象がない。することがない。勉強する子や踏ん張って事業・スポーツ・音楽で成功する子もいるけど、彼らはゲットーから出て行く。“ゲットー”内にまだある経済活動に麻薬の売買がある。それを中心に“影の組織化”ができてるんだろうと思う。
ヴィリエ・ル・ベルはシャルルドゴール空港(ロワッシー)のそばだ。
トッドが書いているように、対移民抑圧政策と郊外問題のおかげでサルコジはフランスの大統領にまでなった男である。
ポリス(ゲットーに残る数少ない国家機能)と若い住人の衝突があって、死傷者がでる。死因に関する(事実であることもあるし、うそであることもある)噂が流れ、若い衆が周辺に集まり、ジャーナリストも集まり、警察(CRS)の大型保安部隊が送られる。この図式はクリシと今回の出来事だけではなく、すでに何回も繰り返されてきたシナリオだ。
マッチ・ポンプが“火薬庫化”している地区に、重装備保安部隊を送ったら“戦争”になるのは道理じゃないのか?
要するに、この国の大統領と郊外の“バンド”は同じロジックで動いている。“叩かれたら、叩け!”だ。同じ“攻撃性”さ。K夫人がさっき思い出させてくれたように、2年前、内務大臣が“ラカイユ”と発言、多くの人々を怒らせたあと、シラク大統領はTV演説をして“すべてのフランス人”という言葉を選んでいた。
ヌイイと、自分のコントロール下にある大手メディアと、同じく自分のコントロール下にあるアンケート会社の出す数字と、CAC40(フランスの大企業40社からなるパリマーケット)チェアマンの“仲間”しか知らないサルコジには、弱いものを叩くこと以外できるはずもない。フランスには大統領がいないんだよ。
毎回の“暴動”が終われば、次の“暴動”が起こるまで、“バンリュウ”はまた忘れられる。。
メモ;
投稿情報: 2007-11-28 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
大手メディアでは分からない、フランスのメモ
対中国輸出ランクでフランスは現在世界16番目(1.4パーセント)。ちなみにドイツの1/4だそうだ。ソース:Sarkozy en Chine pour le commerce et la politique
たとえば中国からの衣料品輸入規制がなくなってから、衣服の値段はドット安くなった。12月にはユニクロがパリにも進出する。あれは中国製品ですね。
なお同記事によると、今回サルコ訪中でゲットした契約高は70億(訂正;70はアレバの契約、総額では)200億ユーロ。だがフランスが中国から買ってる総額は260億ユーロ。なお“今の中国は持ちドルで何でも買える。アフリカで買いまくってる、”のだそう。
たしか15年ぐらい前、フランスの対中輸出額は世界7位だったはずであります。
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2008年度予算が国民議会でいつのまにか可決されたのですが、その予算案にはこんなのも入ってたという件。株トレードに科された税金が廃止されるそうです。
今までは153 000ユーロまで3%、これ以上の金額は0.15パーセント課税されていた(100年以上前からある法だそう)。廃止の理由は、この税のせいでロンドンマーケットにパリは対抗できないからだそうだが、シティの強みはウォールストリートにより近いからだと、猫屋は考えます。ソース記事(attac)によれば2008年のこの税廃止での国家損失は2億6千万ユーロだそうです。ソース:L'impôt de bourse supprimé !
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大学改革法に反対する学生のストは、大学を占拠した第一日目の朝に即CRSが介入し、ひとまず解除。でもウェブに流通してたヴィデオ見てびっくりした。ナンテールのキャンパス占拠組と占拠反対組(あんがい少数)がにらみ合い。占拠反対組みはラ・マルセイエーズを歌って気勢をあげ、CRSがやってきた時点で“アレ・レ・ブルー”とCRSを支援。やって来たCRSはそのまま学生のごぼう抜き、催涙ガスボンベを使用した。ちなみにナンテールは68年運動の始まった大学。なんかなー。
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ル・モンドで学生ストに好意的な短い記事がひとつだけあった。学生マニッフ(デモのこと)スローガン記事で、笑っちゃったのは「Cécilia! On est comme toi, ON'en a marre de Nicolas !」というの。無理に訳すと「セシリア!みんなおんなじ、ニコラにアイソがつきた!」とでもなりますか。「Tous ensembles, tous ensembles」と歌って、二歩分前に飛んで進むのも案外カワイイ。
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そういえば、セシリア元ファーストレディ、雑誌ヴォーグのグラビア写真(モデルとして)撮ってるそうです。カメラマンはダイアナの写真で有名になったMario Testinoだって。タイトルは「影の女:la femme de l’ombre」だそうであります。ふーん。元夫のほうは、カナル・プリュスの美人キャスター、ロランス・フェラリとlovelove中なんだそうだが、ソースはカナルがデイリー・メイルに流してるんで、あんまし信用しないほうがいいだろう。
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今のフランス・インフレ率は2.2パーセントぐらいだったと思うんですが、ガソリン・灯油の値上がりは今年だけで22パーセント、野菜やパン、住居費の値上がりもかなりなもんなんで、2パーというのは信じがたい。これはインフレ率の計算に、携帯電話・ADSL・PC・CD・DVD・TV液晶画面などテクノロジー関連商品価格値下げが組み込まれているからなんですね(おまけに性能アップ製品がどんどん出るから、一部のコンシューマー、親とかはPSや携帯のラストヴァージョンなんか買わされる。こういうのはインフレ動向には反映されないし)。
実際の低収入世帯・年金生活者はそういったテクノ製品を購入する余裕はないし、郊外に住んでる場合も多いですから車が必要になり、たとえば通勤でのガソリン代高騰はとても痛い。来年度はじめから実施される健康保険個人負担額の導入は、医者の世話になる回数の多い高齢者や、個人負担分をカヴァーする民間保険を購入できない人口にはかなり厳しい状況になる。たしか入院費一日で16ユーロが請求される。結果として、ビンボウ人は国民健康保険があっても病院から足が遠のく結果になるだろう。
これは今進んでいる司法再構築も同様。国選弁護人制度に自己負担分が増え、おまけに裁判所や労使調停委員会(Prud'hommes)の数が減らされれば、一般市民が、ただでさえ面倒な裁判・調停に出向来づらくなる。
法は万人のものであり、誰だって法に守られてるはずなのだ。弱いものほど、法が必要なんだってのがヌイイの弁護士や、米国の企業内弁護士やってきた連中は分かっていない。どんどんタイーホして、裁判所と刑務所を飽和状態にしておいて、裁判所数を減らす。これを猿回しのパラドクスというのだ。
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日曜夕刻のバイク事故に関する、(暫定的)クロノロジー報告がル・モンドに載ってたんでクリップ。死んだ少年たちの名はララミとムーシン。ふた家族は、ブエナとトラオレ家族を弁護したJean-Pierre Mignard 弁護士に今回の件担当を依頼している。今のところ、フィヨンとアイユ・マリが現地に出向いて、プレスを読む限りでは、言葉を選んで発言している。
サルコとダティが出かけていって、アグレッシブ度4乗発言でもしたら、大変なことになるだろう。すでにメディア一部は、ポリス・サイドが使ったボキャーブ、“アーヴァン・ゲリラ”をそのまんま流している。アブナイ。とてもアブナイ。
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浪人ジャーナリスト、ビレンボームが昨日夜のタクシー・ドライバーとの会話をブログってる。ドライバーはヴィリエ・ル・ベルに住む人。仏語読みの方は読んでみてください。Villiers-le-Bel : la croisée des chemins
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もうひとつクリップ;ニコラ・サルコジのディスクール・ライターにして思想官房のアンリ・ゲノに関するオプスのページはこちらからアクセスできるはず、→ HENRI GUAINO:LE GOUROU DU PRESIDENT
投稿情報: 2007-11-27 カテゴリー: Economics/経済, France | 個別ページ | コメント (1)
ブウナ・トラオレとジェッド・ベナがクリシ・ス・ボワの変電所で感電死したのは、ちょうど2年前の秋、10月27日だった。2年後仏国大統領となるニコラ・サルコジは当時内務相で、すでにあの“ラカイユおよび、カルシェール(放水掃除機)”発言で郊外ゲットーの若い衆を挑発した直後の事件だった。事件発生直後、当時の内務相は“警察による追跡の事実はない”、“変電所に逃げ込んだ未成年たちは盗難未遂の疑いがある”と発言していた。
2年がたった。バンリュウでは何も変わっていない。
サルコジ内務相の抑圧的内政は、サルコジ大統領下、法務相ダティの法的裏づけをうけ、年間強制海外退去不法移民目標25000人を目指す、「国家アイデンティティと移民省」と、“ルペンが夢見、サルコが実現する”フランス警察国家への変貌を遂げようとしている。現在の警察をコントロールするはずのアイユ-マリ内務相(現フィヨン内閣ではただ一人残ったシラク派)は、クリアストリーム・スキャンダルへの関与疑惑問題があり、現在は沈黙を守ったままだ。
昨夜おそく、トッドのインタビューを訳し終わってからウェブを回った時、あるブロガーが郊外で起こった2人の少年の事故死に関して短いエントリーをアップしていた。そのとき読んだ情報は、サンドニの北にあるヴィリエ・ル・ベル(Villiers-le-Bel)で、日曜の夕方5時頃ヘルメットをつけずミニバイクに二人乗りしていた15歳と16歳の少年が、信号のない十字路で、サイレンは鳴らさず走っていたパトカーの横部に激突、死亡したというものだった。
だが、写真を見ると、事故後のバイクは無傷で、反対にパトカーの前面が激しく破損している。そのブロガーは、警察の発表とバイク・パトカーの破損状態がかみ合わない、ヘンだと書いていた。
事故直後、救急隊の到着が遅れ(どのぐらいの時間かは不明)、事故状況に関するさまざまな噂が流れ、警察当局の発表によれば、30分後には50人から200人の群集が事故現場にあつまり、すっかり暗くなった7時近くに、車・商店などの破壊延焼行為にいたった。。。
騒ぎは周辺の市にもおよび、結局焼かれた車は36台、自動車販売店などが延焼したそうだ。なお、現場におもむいたTVジャーナリストが負傷したり、そのカメラが盗難されたようだ。
30日に後記:事故後早々警察は、集まった周囲の若者が鉄棒でパトカー前部を破損したと発表した。事故数分後とられたアマチュア・ヴィデオでは、警察発表とは異なり、警官たちはエマージェンシー部隊が少年の心臓マッサージやってきた時点で退去、周囲の人々は現場検証まで、証拠のパトカーがそのままであるであるよう現場を取り囲んでいる光景が見られる。なお、二輪車は当初言われたミニバイクではなくモトクロス。なお死んだ二人の少年はそれぞれの両親の国、セネガルとモロッコに埋葬される。
クリップ;
Que sait-on de l'accident et des émeutes de Villiers-le-Bel?(フリーペーパ20minutes:ヴィリエ・ル・ベルの事故と騒動の何が分かっているか?)
Villiers-le-Bel: deuxième nuit de heurts avec la police (ウェブ・ニュースサイトrue89:ヴィリエ・ル・ベル、警察との対決二度目の夜)
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実際の事故の様子はわからない。わかっているのは、2年前からバンリュウ対策はほとんど何も行われていないことと、当時の内務相が共和国大統領になったこと。そして新聞・TV大手メディアの報道姿勢が根本的に変わったことだ。
社会運動として、公務員・鉄道員・ワーキングプアの住居問題が話題になったとしても、もっと生活がさらに厳しいはずのホームレス・失業者・バンリュウの若者については誰も語ろうとしない。
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K夫人、今のところはこれ以上書けないんですよ。でも電話連絡感謝しまつ。← 自己解説:最低無料TV(セルヴィス・ミニマム)しかない猫屋亭ではケーブルTV、TNT見れないわけで、結果TVニュースは一切見てないし、ル・モンドもリベも、ウェブ版のヘッドライン流し読みぐらいしかしなくなった(それで時々、K夫人が電話でマニュエル・ニュース・アラートしてくれてます)。
この頃のニュース源は、いくつかのブログと、フリー・ペパーの20minutes。ウェブ・ニュースはrue89と20minutesを使ってる。TNTのBFMtvはウェブキャスティングもしてるから時々目を通す。カナル・プリュス系のi tele も悪くないようだけどウェブでの配信は不安定なのが残念。あとアタクシ読んでおりませんがフリー・ペーパのメトロもこの頃悪くない模様です。
駅でアルバイターが配ってるマタンなんとかと、なんとかソワールは、あのサルコご滞在豪華ヨットとアンケート会社CSAのボロレが持ち主なんで近寄らないほうがいい。
以前は食事を用意しながら流してたラジオのフランス・アンフォもこの頃あんまりアッフォなんで聞かなくなった。クラシック音楽系fm系のニュース・フラッシュだけで普通人は困らない。経済・ハイテク系ニュースが多いのはBFM。お笑いと音楽系ラジオはRire et Chansons。普段はなんか滅入っちゃう化石的インテリ話が多いんだけど、昔の大物作家・哲学者の録音を流したり、毛色の変わった特集(たとえばジャニスとジム・モリソンの話とか、フランス鉄道ストを米国左派のおじさんがフランス語で語ったり、、とか)時々珠玉が混ざってるのがFrance Culture(でもあのエモーショナル・ファッショ、フィンケルクルートがクロニック番組持ってるからそれは避けたほうがいいかも)。
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本来は今夜メモだけでもまとめたかった、TVだけでは分からないこの頃のフランス動向、それと84歳にして“生粋の左派”であるダニエル・ミッテランについてのエントリーは、次の機会に叩きます。
後記:翌日、一部訂正および加筆いたしました。
投稿情報: 2007-11-27 カテゴリー: France | 個別ページ | コメント (1) | トラックバック (0)