大手メディアでは分からない、フランスのメモ
対中国輸出ランクでフランスは現在世界16番目(1.4パーセント)。ちなみにドイツの1/4だそうだ。ソース:Sarkozy en Chine pour le commerce et la politique
たとえば中国からの衣料品輸入規制がなくなってから、衣服の値段はドット安くなった。12月にはユニクロがパリにも進出する。あれは中国製品ですね。
なお同記事によると、今回サルコ訪中でゲットした契約高は70億(訂正;70はアレバの契約、総額では)200億ユーロ。だがフランスが中国から買ってる総額は260億ユーロ。なお“今の中国は持ちドルで何でも買える。アフリカで買いまくってる、”のだそう。
たしか15年ぐらい前、フランスの対中輸出額は世界7位だったはずであります。
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2008年度予算が国民議会でいつのまにか可決されたのですが、その予算案にはこんなのも入ってたという件。株トレードに科された税金が廃止されるそうです。
今までは153 000ユーロまで3%、これ以上の金額は0.15パーセント課税されていた(100年以上前からある法だそう)。廃止の理由は、この税のせいでロンドンマーケットにパリは対抗できないからだそうだが、シティの強みはウォールストリートにより近いからだと、猫屋は考えます。ソース記事(attac)によれば2008年のこの税廃止での国家損失は2億6千万ユーロだそうです。ソース:L'impôt de bourse supprimé !
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大学改革法に反対する学生のストは、大学を占拠した第一日目の朝に即CRSが介入し、ひとまず解除。でもウェブに流通してたヴィデオ見てびっくりした。ナンテールのキャンパス占拠組と占拠反対組(あんがい少数)がにらみ合い。占拠反対組みはラ・マルセイエーズを歌って気勢をあげ、CRSがやってきた時点で“アレ・レ・ブルー”とCRSを支援。やって来たCRSはそのまま学生のごぼう抜き、催涙ガスボンベを使用した。ちなみにナンテールは68年運動の始まった大学。なんかなー。
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ル・モンドで学生ストに好意的な短い記事がひとつだけあった。学生マニッフ(デモのこと)スローガン記事で、笑っちゃったのは「Cécilia! On est comme toi, ON'en a marre de Nicolas !」というの。無理に訳すと「セシリア!みんなおんなじ、ニコラにアイソがつきた!」とでもなりますか。「Tous ensembles, tous ensembles」と歌って、二歩分前に飛んで進むのも案外カワイイ。
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そういえば、セシリア元ファーストレディ、雑誌ヴォーグのグラビア写真(モデルとして)撮ってるそうです。カメラマンはダイアナの写真で有名になったMario Testinoだって。タイトルは「影の女:la femme de l’ombre」だそうであります。ふーん。元夫のほうは、カナル・プリュスの美人キャスター、ロランス・フェラリとlovelove中なんだそうだが、ソースはカナルがデイリー・メイルに流してるんで、あんまし信用しないほうがいいだろう。
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今のフランス・インフレ率は2.2パーセントぐらいだったと思うんですが、ガソリン・灯油の値上がりは今年だけで22パーセント、野菜やパン、住居費の値上がりもかなりなもんなんで、2パーというのは信じがたい。これはインフレ率の計算に、携帯電話・ADSL・PC・CD・DVD・TV液晶画面などテクノロジー関連商品価格値下げが組み込まれているからなんですね(おまけに性能アップ製品がどんどん出るから、一部のコンシューマー、親とかはPSや携帯のラストヴァージョンなんか買わされる。こういうのはインフレ動向には反映されないし)。
実際の低収入世帯・年金生活者はそういったテクノ製品を購入する余裕はないし、郊外に住んでる場合も多いですから車が必要になり、たとえば通勤でのガソリン代高騰はとても痛い。来年度はじめから実施される健康保険個人負担額の導入は、医者の世話になる回数の多い高齢者や、個人負担分をカヴァーする民間保険を購入できない人口にはかなり厳しい状況になる。たしか入院費一日で16ユーロが請求される。結果として、ビンボウ人は国民健康保険があっても病院から足が遠のく結果になるだろう。
これは今進んでいる司法再構築も同様。国選弁護人制度に自己負担分が増え、おまけに裁判所や労使調停委員会(Prud'hommes)の数が減らされれば、一般市民が、ただでさえ面倒な裁判・調停に出向来づらくなる。
法は万人のものであり、誰だって法に守られてるはずなのだ。弱いものほど、法が必要なんだってのがヌイイの弁護士や、米国の企業内弁護士やってきた連中は分かっていない。どんどんタイーホして、裁判所と刑務所を飽和状態にしておいて、裁判所数を減らす。これを猿回しのパラドクスというのだ。
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日曜夕刻のバイク事故に関する、(暫定的)クロノロジー報告がル・モンドに載ってたんでクリップ。死んだ少年たちの名はララミとムーシン。ふた家族は、ブエナとトラオレ家族を弁護したJean-Pierre Mignard 弁護士に今回の件担当を依頼している。今のところ、フィヨンとアイユ・マリが現地に出向いて、プレスを読む限りでは、言葉を選んで発言している。
サルコとダティが出かけていって、アグレッシブ度4乗発言でもしたら、大変なことになるだろう。すでにメディア一部は、ポリス・サイドが使ったボキャーブ、“アーヴァン・ゲリラ”をそのまんま流している。アブナイ。とてもアブナイ。
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浪人ジャーナリスト、ビレンボームが昨日夜のタクシー・ドライバーとの会話をブログってる。ドライバーはヴィリエ・ル・ベルに住む人。仏語読みの方は読んでみてください。Villiers-le-Bel : la croisée des chemins
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もうひとつクリップ;ニコラ・サルコジのディスクール・ライターにして思想官房のアンリ・ゲノに関するオプスのページはこちらからアクセスできるはず、→ HENRI GUAINO:LE GOUROU DU PRESIDENT
早速ありがとうございます。ゆっくり読みます。この人は、スピンドクター氏とは違う人なのですね?
元々、今の中国は、米国の多大な援助で、蒋介石を台湾に追い出してできたのだから、中国=米国、男湯と女湯で、中はつながってました、みたいなものでは?by米原万里さんの発想
それと、中国人は、砂のような人々で、1人1人が王様だから、国として1つにまとまることのない民族、と岡田英弘氏が表現していました。策謀にかけては、臥薪嘗胆で、向こうの方が役者が上かも。
中国へもラシダ女史はご同行なのですね。
投稿情報: ラム | 2007-11-28 00:26