やたら物価が上がってる。クリスマス休暇が明けて、スーパーで買おうと思う日々の商品価格が、シャンプーだろうが食料品・肉・乳製品・ワイン・ビールまで軒並みセント単位から1ユーロ単位であがってる。2・3年ぐらい前から、地元のマルシェやスーパーは高すぎるんで、車なしで行けるショッピングセンター内ハイパーで買い物してるんだけど、この頃はこれまで来てなかったブルジョワ人とか80をように過ぎてると思える爺・婆とか、ハイソな日系駐在員風奥様やルンルン私費留学日系ガールまで目にするようになった。なんだかな。前はオフィス街の連中が昼休みで来る以外の時間帯は、最低価格とバーゲン品ねらいの移民系買い物客ばっかりだったのにサ。
退職年金1.1%増額だそうだが、インフレ率はたしか今2.2ぐらい、来年の欧州インフレ率は3%が予想されてる。でも、低所得世帯の出費、つまり住居費・光熱費・食費といった最低必需出費だけでいえば20-30%上昇してるはずだ。医薬品価格上昇・健康保険自己分担学上昇もあるし、リッチじゃない爺さんばあさんはどうするんだろう。マジ心配になる。アスハワガミであるよ。
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米国がかなり危ない。まあ、これは以前から分かってたことだけど。米ナンバー1銀行のシティグループまで大赤字で、シンガポールとサウジからの資金充填に頼るそうである。危ない、危ない。シンガポールの裏でヨッコラショとドルつぎ込んでるのは中国である。サウジはオイルである。
グリーンスパン爺は、なんとジャンク系投資家の顧問になったそうだが、これってマッチ・ポンプじゃん。2001年のハイテク・バブルを金利緩和でドル開放して乗り切り(ということになってる)、バーナンキにFRB議長席譲ったわけだけど、今回のサブプライム余波に対する切り札がバーナンキの手中に何もない。オイル超高と株価低落でしょ。結局、日本での不動産バブル崩壊の“警鐘”を学んだはずが、すべての経済クラッシュは似ても似つかないもんだってゆー経済学基本に、つまりスゴロクの振り出しに、戻らにゃあかんわけだ。
ウォールストリートを救うために金利を下げ、リフレ(キソーーー!)というオバケを本気で目覚めさせるのか。ボーイング等の米生産業を救い、同時に米国双子の赤字をまだまだ値引きさせるためドル安推進して、、、結局沈没するのか。理想原油価格26ドルとか言ってたのは誰でしたっけ?答え:ダブヤシンクタンク。おかげで100ドルでっせ(だからイラク攻撃すんのはおやめつーたのに)。教訓:歴史を知らんものは歴史によって復讐される。
日本のプレスは、やはりオヤビン米国の危機は日の丸の危機ってわけだろうか、サブプライム余波を軽視しすぎてる風。でも結局いちばん株価落としてるのが東証なんですけど、いいんですか?
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結局なんだかんだ言っても、頑固に金利下げ率抑えた欧州中央銀行のトリシェは、無駄に石頭だったわけではないね。サルコがフランス経済の下降はユーロ高のせいだ、っていつか言ってたけど、同じユーロ高でもドイツの輸出高は延びてるわけで、なんでも他人のせいにするのはあまりに子供っぽい。
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続いてサルコ・ネタだけど、サウジアラビアのリヤッドで、サルコはまたまた信心の話をしたよ。サウジでですよ。文明の政治論とマルチ文化論も。懲りないヤツだ。オイル産出国にトータル使って原子力発電を売る、というオソマツ。ついでにブッシュをさしおいて、武器までサウジに売りたいらしい。マジ懲りないヤツだ。
以下ル・モンド、サルコの宗教・文化ディスクール@リヤッドと、別所で拾ってきたサルコ・ディスクールからの抜粋です。
"...Finalement, le Dieu unique des religions du Livre. Dieu transcendant qui est dans la pensée et dans le cœur de chaque homme. Dieu qui n'asservit pas l'homme mais qui le libère. Dieu qui est le rempart contre l'orgueil démesuré et la folie des hommes. Dieu qui par-delà toutes les différences ne cesse de délivrer à tous les hommes un message d'humilité et d'amour, un message de paix et de fraternité, un message de tolérance et de respect." (Nicolas Sarkozy, Riyad, lundi 14 janvier 2008)
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ル・モンドといえば、この新聞の経営状況本当に危ないらしい。ル・モンドがなくなったら猫屋、かなり困る。ル・モンドがル・フィガロ化しても本当に困る。もちろん、最近の同紙に対して言いたいことは山ほどあるものの、NYタイムズのなくなった米国、あるいはガーディアンのなくなった英国、エルパソスのなくなったスペイン、レピュブリカのないイタリア、ドイツはなんだ、シュピーゲル?いやこれは週刊誌、まあドイツ語ナンもわからんのでパスするとしても、ル・モンドのないフランスは、たとえば母のない子である。この表現がセクシストとすれば、付け加えて、テテナシ子でもある。
ということで今日は久しぶりにル・モンドを購入した(1.30ユーロ)。定期購読すればお値打ちなんだけど、配達は翌日になっちゃうんでやったことない。せめて、ウェブ版購読しようと思う。
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こないだ、久しぶりに中華素材買いだしに行こうと思って、地下鉄オペラ駅七番線まで行ったんだけど、いつの間にかホームの上の監視カメラ数が2倍になってた。両側ホームでの合計6台。げっそりして、白菜・大根・豆腐・インスタントラーメンをあきらめ、まっすぐ家に帰ってきた。前は街灯とかでカモフラージュしてた街中の監視カメラ、ニューバージョンは誰にでも見えるように配置している。“ビッグ・ブラザーは今日も皆さんを監視しています。楽しい一日をお過ごしください。”
バーでタバコが吸えなくなってからは、カウンターでコーヒー飲む習慣もやめた。美術館も久しく行ってない。仏国移民系下流文化人はひたすら自宅で哲学しよっかなー。
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あ、成長率を支えるはずの国内消費とクレジット/借金の関係も書くはずだったのに忘れた。これはまた今度。