1月8日にエリゼ宮で行われた記者会見から、ジョフランの質問部分だけヴィデオがあったのでクリップ。もう一回、オサライしてみたいと思います。
Nicolas Sarkozy Liberation Reglement de Comptes
envoyé par CatusJack
1月9日に貼り付けたジョフランの解説も、再度アップロードしたかったんですが、残念ながらうちのプロバイダーが他社に買収されたせいかadsl無茶遅く、無理。注目すべきは、オブスからリベに移った同世代非転向左派ジャーナリストのジョフランを、いかにサルコが料理するのか、そして対するジョフランが(後だしジャンケンではあるけれど)、サルコの言葉をどう解説(たとえばモナルシー/君主制という語彙の問題など)していくのか、なかなか興味深いわけでありまして、できましたら映像と1月9日の音声と比べてみていただきたい。
サルコジ大統領は、昨年末のTV演説のすぐ後の1月8日、国民議会で国民代表である(はずの)議員を前に行ってもおかしくない内容の所信表明演説を、外国ジャーナリストも含めた600人以上の記者をあつめ2時間以上の記者会見(仏国ではホボ初のライヴ)を行ったわけです。もちろんこの記者会見はTVで生放映された。要はこれ、自分得意のオーディエンスつまりジャーナリスト=メディアを目前に行われたサルコ・ワンマンショーじゃん。
アタクシはTVは見ず、プレス記事で抜粋を読んだのみで、映像は上のジョフラン質問部しか見ていない。プレス記事によりますと、最初のサルコ・トークが(たしか)一時間強、うち40分ほどはあの“文明の政治”について費やされた模様。
後半は質疑・応答だった。サルコジが大統領選挙で主要公約のひとつとしてあげていた“購買力”についての質問には、「国庫は空である。どうしろというのか?」とシラをきり、35時間労働時間性については「私は、それはなくすべきだと考える」と答弁。しかし後日政府は「35時間性は維持」と発表している(ちなみに選挙運動中は、35時間制維持の姿勢をとっていた)。
結果、現政府にできないこと(経済成長・国家赤字減少・購買力増強)をカモフラージュするためにサルコジはこの記者会見をオーガナイズしたという印象を受けた。
逆に言えば、サルコジが語らなかった事項こそ、現在のフランスの真の問題、すなわち真の政治問題であると猫屋は考える。失業を含めた収入格差の問題、それに直結するバンリュウの問題、退職者をはじめ低収入層の生活問題、フランスの将来に対する“資本投資”であるはずの大学および研究に対する国家援助、(モンサント遺伝子組み換え種子汚染を含む)エコロジー、“違法”滞在移民と強制送還問題、そしてフランスの外交問題(イラク・イラン・アフガニスタンはもちろんのこと、近米政策、中国およびアフリカ・中東諸国への武器および原子力発電の輸出、独裁国との付き合い方、相次ぐ人質ビジネスとの対応)、、、いやリストはきりがないわけだ。
マリアンヌから参考: Les douze questions auxquelles le Président a échappé/大統領が免れた12の質問
結論を言えば、サルコジは国民も、国会も、内閣さえも無視し、すべての案件を自分ひとりでコントロールしようとしている(なお、すべてを即時に欲しがる、そしてすぐ気が変わる;これは見事に子供の態度ですね)。そして一国家の統治には、メディアとアンケート調査結果さえ独占すればすむと考えてるフシがある。メディア=ジャーナリストをコケにするというのが、初の記者会見で見せたサルコジの統治、つまりメディア=世論=国民への君臨姿勢だったとアタクシは判断するわけです。
参考:政府スポークスマンLaurent Wauquiezへの20minutes インタヴュー
Objectif du gouvernement: «Occuper l'espace médiatique» /政府の目標:《メディア・スペースを占めること》
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セゴレンヌ・ロワイヤルは、こう発言している
«Nicolas Sarkozy a choisi de faire des évènements de la vie privée des évènements publics, comme Louis XIV : vous avez le petit matin du roi, le déjeuner du roi, le coucher du roi, les maîtresses du roi»
「ニコラ・サルコジはルイ14世とおなじように、プライベート・ライフの出来事を公的な出来事となすことを選んだ:国王の朝方、国王の昼食、国王の就寝、国王の愛人たちを、みなが共有する」←注;猫式意訳
はっきり言って、極力目撃することは避けているものの、最近のサルコは ridicule を通り越してimmonde であり、obsène であり、(ポルノ愛好家の皆さんには申し訳ないが)ありゃ歩くポルノである。
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参考:昨日のfrance2の政治番組 mots croisés は、サルコ組からはナディン・モラノ(ニックネームはカスタフィヨル)、社会党からはモンブール、元マリアンヌ編集長ジョン-フランソワ・カンetc. というメンバーがそろい、タイトルは“Nicolas Sarkozy, le téléprésiden / ニコラ・サルコジ、テレプレジダン” だった。アタクシは見なかったんだけど、サルコジき印説(真ん中あたり)が出た模様。ははは。
2時間ありますが、まだサイトで見られるようですので、最近始まったアンチ・サルコ@大手メディアに興味のある方はドゾ(なお、最初のほうで「だって国庫がカラだもん」発言映像とかも見られます)。 → MOTS CROISES
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貧乏ではあっても、われらは“自由な市民”である。われらに、“サルコジ”を見ない、聞かない、読まない自由を返してくれ。
45% ! 3%減。
投稿情報: k | 2008-01-16 10:45
猫屋さま
http://www.elysee.fr/webtv/index.php?intHomeMinisterId=0&intChannelId=5
を見ましたが、牧師様方は、何を笑われたのでしょうか?プロトコール無視の離婚結婚について、カトリック国としては、牧師方も、内心は、下々?の信徒に示しがつかないと思うのでは?と想像したりしますが。カトリックに無知なのですが、ビデオを見る限り、とっても大変そうですね。アロヨ氏、セゴ氏、ビルパン氏等ならそつなく、こういう儀礼的なこともなんでもこい、だったでしょうけど。ところで3月の市長選挙戦は盛り上がっているのでしょうか?
投稿情報: ラム | 2008-01-16 13:46
まあ、臨時職としてのフィヨンに期待して、あとはセゴでいいんじゃないかな。
エリゼのヴィデオ見てる暇ないんだけど、聖職のみなさんビガールのファンなんではないですか?なお、市長選はサルコ騒動がひと段落したら盛り上がるでしょう。あれもエンタメ・これもエンタメ。人気商売は辛いよ。
投稿情報: 猫屋 | 2008-01-17 02:02