これはたぶん、以前一回やったような気もしますが、2008年になってからコメント欄でレクターに答えた猫屋過去レスをリサイクルしてみました。
考えをまとめエントリー化が本筋なんですが、ウェブ情報を読んで、自分なりに引っかかったところを翻訳し、頭の中で多数の情報をもう一回組み立てたりしてるとキリはなく、かえってアドリブでお返事してる間に(それなりに)形をなすものもあるわけです。← 以上、言い訳。なお、鋭いコメントを残していただいたレクターの皆様に感謝。(著者権の問題もあるので、ということにして)レクターコメント、ここには採録を控えましたので御了承くださいませ。
こちら、街中は極めてのんびりしてます。みんな金ないだけ。猫屋がリストアップしたような情報を追ってる人口が少ないってだけのことです。日本も、これは、同じようなものでしょう。
たとえば、シャンゼリゼで12月20日だったかにホールレスが凍死した。観光地だから、あれだけ警察・軍隊の数が多いところです。でもサルコ・ラヴストーリーばか
りで、注目されなかったわけ。カルラのことなんて、ホントどうだっていいのに、メディアが騒ぐとついついそっちを向いちゃう、、大衆とはまさにパブロフの犬なのよ。---1月2日*
今日のエリゼ宮でのプレス・インタヴュー・ショー、TVでちょっとだけ見たけど、なにしろ2時間600人以上のジャーナリスト集めてでしょ。内容はともかく、またしても金かけやがって、おまけにスティグリッツと名前忘れたけど、インドのノーベル賞経済学者にコンサルタント依頼するそうで、また金かかる。サルコはこの両経済学者の論理内容がかけ離れてるとか、って知らないからねえ。要するにブランド集めりゃどうにか格好つくって志向なんだけど、金かかるだけで豚に真珠。その豚の真珠をだれが払うのかといえば、、、税金でございます。まあ、うどん屋の鍋=ゆーだけ、だけならフーンですむんだけど、サルコがなんかすればまたまた仏国赤字が際限なく膨らむ(民間は儲かる)と言うシナリオです。具体的に、政策公共テレビのコマーシャル廃止(ブイグ様マンセー)とか、35時間労働時間廃止、サルコジに文明ってなんよ、とかは今の翻訳終わって、あしたのカナール・アンシェネも読んでからねブロアップ、と考えておりますだよ。
なお、ブザンスノとサルコに差があるとしたら、ブザンスノにはそれなりの思想基盤があるってことに対して、サルコは叩く相手がいないと動けない動物だって事だと思う。サルコのライターであるアンリ・ゲノは、南仏で母親ひとりに育てられて、ENAの入試を三回落ちている。ある意味では共和国教育制度の産物なんだけど、ボタンを掛け違えた理想主義者であって、エスタブリッシュメントに対するある種のルセンティモンがサルコと一致してるんだと思う。ゲノの経済概念はゼロ。ブザンスノはさすがある種のマルクス学習してるはずだから、比較にならんです。まあ、言ってみれば、ブリング・ブリング成り上がりVS文化遺産をになうフランス国の新下流郵便屋さん。---1月8日*
でもどうだろう、ピーポー展開的にはカルラvsセシリアの泥仕合を大衆は期待するんだろうな。結局のところ、シンボルであったものを“タブーなし” といって自己利益のために見せびらかしたツケは、火をつけられた大衆の“熱狂”によって引きずり落とされる、、というシナリオはあまりにクラシックすぎるか。サルコの歴史への無知と軽蔑、他者への無知と軽蔑と共感の不在が、彼の致命傷になりえますよね。そういえば、今までの政治生活の中で、裏切ることはあっても(奥さん以外に)裏切られたことないように思うし、とにかく大衆とのガチンコは力で押さえつけるか、あるいはうまいこと逃げ切ってる。大衆の怖さって知らないんだよね。sagesse ってのも知らない。負けて勝つ、というのも知らない。とんでもないfaux cul だ。風を蒔くものは、嵐を刈り取るんですよね。---1月10日
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バデューが語るように、真の問題とは、選挙結果にあるのではないでしょう。サルコ・マシーンがサルモト興業のスタッフ総動員して煙幕作戦を展開する間に、本題であるべき司法解体、社会・教育制度“民営化”、外交路線大幅変更等々、共和国はハリボテ状態になりつつあるわけです。そこらは、グロバリ化と現在の世界経済実情ってのが把握できてないとイケンわけですが、まあ、以前にも書きましたけど、今フランスで起こっていることはすでに英・米・日本でも起こった。行き着くところは同じです。国民のごく一部と世界資本が豊かになるばかりで、かつてはそれなりに存在した“富の再配分”の機能は錆つくばかりだ。そして格差があるレッド・ラインを超えると、あるいは大型恐慌という展開になれば、そのあとは何がおきても不思議はありません。そういった視点でいえば、ブザンスノは悪くない。ロワイヤルの可能性は有効ですし、トッパシは案外UMP内のドゴール主義者(+テクノクラート)サイドから出てくるのかもしれない。もちろん、エコロジー系それにジョゼ・ボベも大きな役割を持ちうる。
ただ、そういったプレイヤーたちがそれぞれのロール(役)を舞台上で演じるためには、今のサルコ・ワンマンショー体制が崩れる、あるいは変質するのが必要条件になるでしょう。今のところ注目すべきは、したがって、サルのメディア管理がどうやって変わっていくのかだと思います。つまり、サルコ→アンケート→政策(あるいは奥さん、あるいはスキャンダル)変更→メディアでの広報→アンケート→サルコというフィードバックでは、加速する以外にサルコの手元にカードはないわけです。
(もちろんフィールドでしっかり仕事あるいは抵抗運動をやってる人々がいるのですが、猫屋にはフォローする時間も専門知識もないのが残念です)。。。
そう、大人がどこにもいない。右の情報源に貼るんで、昨夜ガラのサイト見てたら新しいスキャンダルハケーン:カルラの遺伝学的父親は、実は母親の浮気相手で、実際の父親じゃないそうで、これ自体は別にフーンですが、こういう状況で育って人のパートナーをコレクションするのが趣味と言うか人生というか、、まあそういった女性・男性って周りにもいるわけで、なんかフェミニズム批判するつもりはないですが、68年前後のなんでもあり両親の産物かなあ、と思ったり。---1月11日
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たしかに、サルコジメディア管理にヒビが入り始めた。セシリアがいなくなり、年末には生活苦が実感として国民に共有されるようになり(同時に大統領のブリング・ブリングも)、記者会見でのジョフランの分析やバデュー、モランたちの言葉が、今まで聞く耳を持たなかった、あるいは聞かせる手段を持たなかった、メディア網の隙間から市民にまで届くようになったわけです。---1月12日*
仕掛け人の仕事は終わってはいないのです。まずは、どのようにサルが権力のテッペンにまで上り詰めたのか、これを誰にも分かるようしかも理論的に説明せねばなりません。ほんでもって、サルコの“オープン”政治のカラクリもどうにかせないかんわけで(これはたぶん寝返り組みのトロイの木馬型が理想だけど、、どうかなあ)、、、。今度、サルコはブレア引っ張ってきてますが、しかし、サルコってブッシュやブレアが人気取りになると思ってるわけで、なんたる時代錯誤、、、というか年寄り相手に票集めしてるんだろう。---1月13日
というわけで、今夜はこれで(お茶をニゴシテ)おしまい。ドルとオイルとサブプライムそれからユーロはどうなるの?ってのがこの3週間ほど気になってるんで、次はそれを書くかもです。いや予定は未定。あした何が起こるのか、それは誰にもわからない。
おやすみなさい。
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