この記事、フランス-アイルランド、ハンドボール戦とタイトルつけようかと思ったけど、やりすぎと判断、やめました・・・しかしなあ、たかがサッカーとはいえ、昨夜は大ガックシだった。
まあ、4年ごとのワールド・カップにしたって盛り上がった頃に、無料TVでいくつか試合見るぐらいのアマチュア・サッカー・ファンであるアタウシは、最近耳にするドメネック・フランスチームの評判もよろしくないこともあり、(仏国大統領が前半途中で観戦しようとこっそりvip席に現れ、その勢いか)アイルランドが一点入れた後にTV観戦開始、おまけに延長戦で仏サイドのゴールが決まったときも、寝室にネット情報を確かめに行ってて見損なったのだった。
試合が終わって、スタッド・ド・フランスは気持ち悪いほどたくさんの統一サイズ国旗がはためいていて(これは中国ですか?な雰囲気)、(中東のほうに半分プライベート半分公式訪問(?)行ってたはずの)共和国大統領の君が画面に現れ喋りだしたので、TVを消した。なんか、気分はスッキリしない。
*
で、ネット・ニュースの速報を見ると、『神の手』だのなんだのと仏ゴールを見てないアタクシにはよく分からん表現が使われていて要領を得ない。
でもって、ググってその仏ゴール映像をTF1サイトに発見:5回見たよ。
その時点ですでに、該当ヴィデオには多くが英語でかなりのコメントが記入されておった。仏語も若干。英文で『自分は仏人だが、恥ずかしい。謝罪する』というのもいくつかあった。
参照 元陸上選手で今はスポーツ・ジャーナリストのディアガナのブログ:Sport addict
上の記事で挙げられてる、1999年の英リーグ戦で、審判判定に対し自己チームの間違いを訴えフェア・プレイ賞を与えられたアーセナルのベンゲル監督が、昨夜の試合の解説をしていて、これは意識的行為だとゴール直後に言っていた。彼は、かつてアンリを育てた監督なんだよね。。。
*
でもティエリ・アンリを非難するつもりはない。彼はチームのキャプテンであって、今回の試合には絶対に勝つ必要があった。それが彼のジョブだ。アイルランドチームのキャプテンだって、同じ状況にあっても同じように行動しただろう。アネルカの足へのタックルだってペナルティに値するもんだったし、アイルランドがアンフェアなプレイとは無縁だとも言えないだろう。
自分もサッカー大ファンである政治家のコーン-ベンディットが『誤審やトリッキーなプレイもサッカーの一部なんだよ』とどっかでインタヴューに答えていた。それも正しい。
*
だけど、自分が考えたのはこういうことだ。
まずは、プロ・サッカーが巨大な市場と化しそこでは法外な金額が取り引きされる。同時に先日のエジプトで起こったように、ワールド・カップが捩れたナショナリズムの見せ場になった。一部サッカー・ファンの、日常が暗いものであればあるほど、ナショナル・サッカーに熱を挙げる度も増してくる。そういったバック・グランウンドがある。
昨日の試合の、特に全般の仏選手の動きは最悪だった:チームになってなかった。動いていなかった。オーソドックスなアイルランド・チームの試合構成力は、誰の眼にもフランスのそれを上回っていた。
試合前に、ドメネックは『各選手の個人プレイに期待している』と、たしかどこかで言っていた。でもそれで勝てるなら監督はいらないんだよね。
まさに、監督は監督の役割をしていなかったんだと思う。それで、キャプテンのティエリ・アンリが勝つためにすべての手段を取ったんだ。彼は彼のジョブをこなした。
だが、1998年、我らにあれだけの希望と喜びを与えてくれた仏チームの新鋭だったティエリ・アンリに、昨日の試合の記憶が一生ついて回るのは、心痛の限りである。
もちろん、FIFAと仏サッカー協会とTV契約のあるtf1と、各選手の契約スケジュールと、もちろん仏政府の都合と計算が絡んでくる。
しかし、長い眼で見れば、アイルランド・サイドの再試合要求を受けて、もういちど仕切りなおしをするのが最良の策だと、アタクシには思えるのだ。
*
社会党のヴァンソン・ペイヨンが『フランスの衰弱』について話していたけど、どこかで仕切り直しをしないと、落ちっぱなしになる可能性は高いだろう。
**
イラストは、Martin Vidberg 先生のポテト・ブログから借りしました。
***
翌日追記:仏サッカー・チームWカップ決勝進出での“貢献”に対し、ドメネック監督は862 000ユーロ(約1億1600万円か、、、)のボーナスを受け取るんだそうである。関係ないが、仏国の君の使わなかったシャワー、あれ確か246 000なんぼだったけど、それの3倍以上かあ。。。。各種税金を払い、A型インフルエンザにおびえ、年末をどうやって乗り切ろうかと、銀行残高通知を前に計算機と格闘するわれわれに、一時の息抜きと思われたサッカー戦も、追加ストレスの原因になったのだった。あーあ。
追加の追加:金曜日にティエリ・アンリは英国スポーツ紙スカイ・スポーツに声明/ステートメントを出してます。Henry - Replay would be fair
アンリ発言レジュメ:確かにボールには触れた。だが、私はイカサマをしたことは一度もない。あれは、多くの選手がいたペネルティ・エリアで急に飛んできたボールに対して取った反射的アクションだった。意図的なものじゃあない。ヴィデオのスローモーションを100回見直すような余裕は(試合中の)サッカー選手にはない。今起こっている非難の声に驚いている。ああいった形で勝ったことと、アイルランドが南アフリカの決勝戦に参加できないことは極めて残念だ。最良の解決策は再試合だろうが、それは私にはコントロールできない問題だ。。。