また一年が経ってしまったわけで、ロラン・ギャロス。
我が家はトーナメントやってるパルク・ド・プランスからそんなに遠くないところにあるんだけど、一回も現地観戦したことないんですよ。でも『あ、これから雨で試合中止ね』ってなかんじで、ご近所的な全仏オープンなわけです(ハイソな16区・ブーローニュじゃなくて、ずーっと庶民的区域の方。おかげさまで、おてんと様や雲は下町・山の手の区別しない)。
今年のナダルはさらに怪物化、ロラン・ギャロス四連覇を狙っておる。ミノタウロス・グラデュエーター・ブルドーザー・ピットビュルetc.etc.と、重量級形容詞が似合う22歳になったばかりのラテン格闘男はいったいどこまで行くんだろう。この金曜日にある準決勝で、これまたのぼりっ調子のパワフル怪物ジュコビッチと対戦する。こりゃあ大変だ:体調を整えておこう。--以上3日(火曜日)記
水曜の男子準々決勝対戦がタイヘン(だじゃれ)だった。チリの“チェ”フェルナンデーズ・ゴンザレスを相手にした試合で、当初フェデレール(フェデラー)は苦戦。まあ、もともとロラン・ギャロスでは優勝したためしのないフェデレールである。クレイ・コートが苦手なのか。フランス語使いのスイス人なのだけど(あるいは、だから)全仏オープンが苦手なのか。。。。
いずれにしろ、少なくとも今回パリでのフェデレールには、いつものキレがない。もちろんうまい。プレイはエレガントである。しかし、なんか今ひとついつもの完璧さにかけている。結局は“チェ”・ゴンザレスに巧みな技巧と作戦で盛り返し、勝った。
と、別コートではわれらがガエル・モンフィスとスペインのダヴィッド・フェレールの対戦が始まっていた。モンフィスはたしか2006年のロラン・ギャロスでベスト8選抜戦まで行ったけど、そのあとは鳴かず飛ばず、おまけに続く負傷(ひじ・膝)で今年はたいして試合もこなしていない。
両親がマルチニックとグアドループ出で、息子ガエルはパリ生まれの21歳。ちなみに苗字のMonfilsというのは“私の息子”の意味 、英語で言えば“My son”だ。だからガエル・モンフィスは“うちの息子のガエル”。ははは、そういう顔してるんだよね。
対フェレール戦では、ガエルなかなか落ち着いて試合をリードしてた。ラインから3メートルぐらい離れた位置にスタンバイ。あとはめちゃくちゃコート上を走り回る。いつものスライディング、ってか滑りは今回少なかった。あの長い手足をバタバタさせて滑って転んでマッチャイロってのが見られなかったのは残念である(笑ってスマン、ガエル)。
粋な甚平姿のフェレール、得意の速球ファースト・サーヴも右必殺ショットも、ガエルがひょいひょい返しちゃうし、大体スピードもショット力も体力もガエルのほうが上なんで(たしか一番早かったガエルのサーヴは時速224キロ)、結局いつものモンフィスの試合運びになった。つまり試合時間3時間以上を想定して徹底的に対戦者を疲らせる。そこを軽く時速200キロを越すファースト・サーヴと重い右ショットで刺すのですよね。うっふっふ。
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金曜日はこれまたタイヘンである。ナダルvsジョコヴィッチとフェデレールvsモンフィスの男子準決勝2戦だ(と、書くだけで疲れ)。
19歳金髪天使のアーネスト君を破ったヤー風ヘアカットの悪魔ジョコヴィッチは21歳(1.88m 80Kg)。
22歳になったばかりナダルは身長1.85m 体重85.5Kg。
フェデレールは26歳、1.85m 80.5Kg。
モンフィスは21歳、1.93m 80.5Kg。
ナダル登場以来、テニスの流れが変わった。まず体力、そして鋼鉄のメンタルと隙のないテクニック。世代交代か。
女子トーナメントは追っかけてないけど、こないだちらっと見たサフィナとシャラポワの試合もパワー満開なんでびっくりした。
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というわけで、明日はビールを冷蔵庫にストックして、夕食はピザかなあ。テレビに釘付けの予定である。
ガエル・モンフィスが仏全土で“うちの息子”化している。フェデレールに勝てたらいいなあ。でも決勝で勝っちゃうと、あのXXXXが出てくるからこれも困る。
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おまけです。ジョコヴィッチによる更衣室芸。なんだ中学の部室みたいじゃん、結局。
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以下6日夜に追記
準決勝では結局のところジョコヴィッチ、怪物ナダルに破れ、続くフェデレールvsモンフィス戦も6-2、5-7、6-3、7-5 でフェデレールの勝利に終わった。
なんだか巷の下馬評がそのまま結果になってて、いまいち新鮮味に欠ける。
k夫人がコメントしてくれたように、試合当初コンタクトレンズの不調で第一セットは全力出し切れなかったモンフィスはその後健闘、第二セットを取ったんだが、サーヴの威力とラリーでのねばりも、試合後半に“目覚めた”フェデレールの魔術的技巧を前に、いまひとつ突発口が見つからないまま試合は終わったわけです。フェデレールの“封じ込め作戦”に穴を開けるにはナダル並みのパワーが必要なんだろう。
しかし、フェデレールのプレイのレベルが一定じゃない気がしますが、あれだけの大試合経験者の場合、理由はなんなのかちょっと不思議です(今年2月に入院していたようで、健康上の理由をあげてるコメンテイターもいた)。
なにはともあれ、ガエル・モンフィスがより力を付けて、来年のロラン・ギャロスに戻ってくることを期待しましょう。と、いうことで対フェデレール戦の最後のところをもう一度。
GO! GO! Monfils!
投稿情報: k | 2008-06-06 07:09
来年は、目にゴミが入ってもハンディにならないように近視矯正手術をしてから,試合にのぞみましょう。
でも、4セットまで行けたんだからまあまあ。
今年のナダルのパワーは、すごい!! 人間を越してる。
投稿情報: k | 2008-06-07 10:39
こんにちは。
ジョコビッチのビデオのおかげで準決勝ではすっかり彼を応援してしまいました。
ナダルのあんまりの強さに、あまりにあっけない決勝よりも、準決勝2試合の方が面白かったですね。
いやはや、20年前ウインブルドンに住んでいる頃、追っかけていた選手がプラス45に出ているのにはおったまげました、、、
投稿情報: ずっこ | 2008-06-09 19:27
ずっこ氏、始めまして。
ナダルは最初からファンなんですが、強すぎ。決勝戦もあっけなくて、知人で見に行ったのがいるんだけど、かわいそうなぐらいです。大体、いつもの上天気(暑い)もなしだったしさ。
こうなったら、モンフィスや悪ガキ・ジョコヴィッチに強くなってもらうしかないわけです。
しかし、今のベスト・プレイヤーって、ボルグやマッケンロー、ボリス・ベッカーとかの試合見てないんだよねえ。まあ、こっちが年食っただけの話なんだけど。。。
投稿情報: 猫屋 | 2008-06-10 00:00