ウィリアム・クラインがウィリアム・クラインの“仕事”が、どうやって一枚のフォトグラフィになるのかをフランス語で語っています。ニューヨーク・パリ・東京・モスクワ、今はない過去の空気が切り取られているわけです。
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ウィリアム・クラインがウィリアム・クラインの“仕事”が、どうやって一枚のフォトグラフィになるのかをフランス語で語っています。ニューヨーク・パリ・東京・モスクワ、今はない過去の空気が切り取られているわけです。
投稿情報: 2007-09-22 カテゴリー: Art | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
このブログでも何回かご紹介した、統計歴史学者エマニュエル・トッドがYoussef Courbage/ユセフ・クルバージュとの共著で Le rendez-vous des civilisations/文明のランデヴー、というハティントンの“文明の衝突”論にタックルする本を出しました。内容は(読んでませんが)イスラム圏全体の出生値を読み込んで、イスラム各地区がしだいに西欧的個人主義に近づきつつある、という内容のようであります。
週間雑誌マリアンヌがマリアンヌ2というサイトを開きまして、そこにサルコランドというページがある。ここで見つけたのがこのインタヴューです。
サルコジの外交がどっちを向いているか(ブッシュですね)、現在の世界外交、ムスリム社会の方向性についてなど、厳しく大胆な指摘がなされています。
仏国メジャーメディアがサルコジ様一色に塗り替えられ、大手TVのニュースなんて見事にサルコ王国広報装置と化している。どうせ、サルコ様一色のインフオメーション(洗脳装置)なんだったら、ネットで反サルコ一色メディアがあったってよい訳だ。いろいろなブログやフォーラムが発生しています。つまりその分、アタクシのように既成大手メディア離れしてるレクター・オーディエンスが増えたってことでありますな。
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ということで翻訳してみました。バックグラウンドがなんだかよくわからないイスラエルのシリア爆撃もありましたし、ベイルートでの暗殺もあった。ブッシュとサルコの“友情関係”も、トッドが語るように、シリア・レバノン・イラン・イラク・イスラエル(もしかしたら北朝鮮)をも含めたチェスボードという観点から見れば、案外スンナリ理解できるように思う。
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エマニュエル・トッド:「クシュネールは世界の医師団から世界の軍隊に鞍替えした」
Emmanuel Todd : « Kouchner est passé de Médecins du monde à Militaires sans frontières »ベルナール・クシュネールのイラクに関する強硬発言についてどう思いますか?
エマニュエル・トッド:この発言は、イラク戦争時、彼が米国によるイラク攻撃への賛同を表明した時の、個人的疑問を思い起こさせます:一貫して戦争の選択を明言する医師の心理とはどういったものなのでしょうか?世界の医師団から「国境のない軍隊」へと、いきなり変わった。 よりシリアスにいえば、ベルナール・クシュネールは、サルコジのライン、つまりワシントンのラインを不器用に表現したに過ぎません。大統領選挙前、アメリカはイラン攻撃のためにニコラ・サルコジ大統領選出を待っているのだと、私は示唆しました。
ケ・ドルセ(仏外務省)は、この発言の別解釈を提供しています:イランを脅迫するものではなく、国際社会の提言への従属拒否に対して、(イランの)現在の指導者たちに、経済的打撃を与えるためだというのです。
何だっていえるわけですが、とにかく戦争という言葉が発せられてしまった。そして外務省は、新しいニュースをプレスを通して知ることになる。
あるオブザーバーたちは、アメリカ介入以前のイラクより以上に、イランを恐れています。
イラン問題は、フランスから見ると、理解に難しい多くのイメージと事実として現れています。アフマディネジャド大統領の非常識な発言があり、黒装束の女性たちがいて、そして雰囲気としてのイスラム・フォビー(恐怖症)がある。これらすべてが、イランの真の姿を覆い隠している:それは、文化の展開が速い社会であって、大学で学ぶ女性数は男性よりも多く、人口革命が女性一人当たりの子供数を、フランスや合衆国と同様に、2人とした国なのです。イランは、ひとつの多元民主主義を生み出しつつある。確かに、この国では誰もが選挙に立候補できるわけではないが、人々は定期的に投票し、オピニオンや与党が覆されることも多いのです。フランスやドイツ、あるいは合衆国のように、イランは革命を経験し、そして安定し、そこでデモクラティックな心情が広がったのです。
これらすべてが、イスラム・シーア派のヴァリアントが解釈を、議論を、あるいは場合によっては、反抗を価値付けるところの、宗教的母胎と出会うわけです。単なる西洋のひとりのオブザーバーにとって、シーア主義とプロテスタント主義の同一視は、明瞭ではありません。
この比較を極限まで持っていくのは非常識でしょう。けれど、かつてのヨーロッパ史における進歩(訳注;プログレス)にとって、プロテスタンティズムがアクセルで、カトリシズムがブレーキであったように、シーア主義は開発への、特に出産コントロールに関して、ポジティヴな役割を果たしるのです:シーア派であるアゼルバイジャン、たしかに元共産圏ですが、その出生率は1.7であり、シーア主義に併合されたシリアのアラウィート地方では、スンニ派が大多数の地域とは反対に、人口変移を果たしています。レバノンにおいて、ヒズボラの社会基盤であるシーア派コミュニティーは、教育と社会面においては遅れをとっているものの、他のコミュニティーに追いつこうとしており、それは出生値の変遷にも現れています。
イランはまた、パキスタン・(米軍の存在を通しての)イラクとアフガニスタン・イスラエルと、隣国の多くが核兵器を有する地域にあって、政略的利益のリアリスト感覚を示す、偉大な国(ネイション)です。このコンテキストの中で、ヨーロッパ人の賢明な態度とは、イランのリベラルな民主主義への移行に伴い、同時に安全に関する懸念を理解することでしょう。今回の本の中で、あなたは、ムスリム社会のライシテ化(非宗教化)という、まったく驚くべき仮定を立てています。
カトリック、プロテスタント、正教、仏教の世界では、出生率低下はいつも、宗教実践の減退のあとにやってきています。ムスリム国家において、もしも女性ひとりあたりの子供数が二人以下になったら、私たちの知らない間に、--もしかしたら彼らの指導者も知らない間に--、ライシテ化が進んでいるのかも知れないのです。イランがそのケースです。
どうしてアメリカとサルコジは、イランとの対決戦略を選んだのでしょうか?
アメリカの外交官たちには、イランでの民主主義の台頭と国家の近代化という現実についての正確な認識があります。けれど、アメリカはオイル原産地域での自分たちのコントロールを脅かしうる強国を打ち負かしたい。これは、現在のムスリム社会の理解しがたさを利用した、純粋なシニズムです。サルコジの例については、私は、どちらかといえば無能力かあるいは単なる無知だと考える。とはいっても、これ(無能力あるいは無知)が、サルコジに、フランスの倫理と利益に反する外交を始めさせたわけなんですが。フランスのイランに対する経済制裁という可能性は、すでにイラン内での(経済)利権をもたないアメリカ人を笑わせ、私たちと同様、多くの利権を持つドイツ人を微笑ませるだけです。けれど、少なくとも現時点では、より現実的策であると思えます。
Le rendez-vous des civilisations, Emmanuel Todd et Youssef Courbage, Le Seuil,
2007年9月17日 - 17:11
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追記の状況説明です。仏外相であるクシュネールは16日に、LCI(報道TV局)のインタヴューで以下のように語ったわけであります。
"On ne peut pas trouver plus grande crise que celle-là au monde pour le moment.
- Qu'est-ce que veut dire "il faut en même temps se préparer"?
- Ca veut dire qu'il faut se préparer au pire.
- C'est quoi, se préparer au pire?
- C'est la guerre".
訳しますと、
-「現在のところ、世界においてこれ以上の危機は見当たらない。」
-「『同時に準備する必要がある』とはどういう意味なのですか?」
-「それは、最悪を想定して準備すべき、という意味だ。」
-「準備すべき最悪とは?」
-「戦争だ。」
と、なります。
投稿情報: 2007-09-21 カテゴリー: France, trad/翻訳 | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
本当に、そう言ったんだそうです。
原文は:"Je veux 3 % de croissance économique"
なんとも。ちなみに政府の出してる予期成長率は2.4だったか。現実は1.9ぐらいで落ち着きそうとか。。。ジャーナリストのアパティは、何で5パーセント希望しないの?とかおちょくってましたね。以下はル・モンドの関連記事
投稿情報: 2007-09-18 カテゴリー: Economics/経済, France | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (2)
これも、
たとえば。忘れないでいよう。
HURRICANE
Pistol shots ring out in the barroom night
Enter Patty Valentine from the upper hall.
She sees the bartender in a pool of blood,
Cries out, "My God, they killed them all!"
Here comes the story of the Hurricane,
The man the authorities came to blame
For somethin' that he never done.
Put in a prison cell, but one time he could-a been
The champion of the world.
Three bodies lyin' there does Patty see
And another man named Bello, movin' around mysteriously.
"I didn't do it," he says, and he throws up his hands
"I was only robbin' the register, I hope you understand.
I saw them leavin'," he says, and he stops
"One of us had better call up the cops."
And so Patty calls the cops
And they arrive on the scene with their red lights flashin'
In the hot New Jersey night.
Meanwhile, far away in another part of town
Rubin Carter and a couple of friends are drivin' around.
Number one contender for the middleweight crown
Had no idea what kinda shit was about to go down
When a cop pulled him over to the side of the road
Just like the time before and the time before that.
In Paterson that's just the way things go.
If you're black you might as well not show up on the street
'Less you wanna draw the heat.
Alfred Bello had a partner and he had a rap for the cops.
Him and Arthur Dexter Bradley were just out prowlin' around
He said, "I saw two men runnin' out, they looked like middleweights
They jumped into a white car with out-of-state plates."
And Miss Patty Valentine just nodded her head.
Cop said, "Wait a minute, boys, this one's not dead"
So they took him to the infirmary
And though this man could hardly see
They told him that he could identify the guilty men.
Four in the mornin' and they haul Rubin in,
Take him to the hospital and they bring him upstairs.
The wounded man looks up through his one dyin' eye
Says, "Wha'd you bring him in here for? He ain't the guy!"
Yes, here's the story of the Hurricane,
The man the authorities came to blame
For somethin' that he never done.
Put in a prison cell, but one time he could-a been
The champion of the world.
Four months later, the ghettos are in flame,
Rubin's in South America, fightin' for his name
While Arthur Dexter Bradley's still in the robbery game
And the cops are puttin' the screws to him, lookin' for somebody to blame.
"Remember that murder that happened in a bar?"
"Remember you said you saw the getaway car?"
"You think you'd like to play ball with the law?"
"Think it might-a been that fighter that you saw runnin' that night?"
"Don't forget that you are white."
Arthur Dexter Bradley said, "I'm really not sure."
Cops said, "A poor boy like you could use a break
We got you for the motel job and we're talkin' to your friend Bello
Now you don't wanta have to go back to jail, be a nice fellow.
You'll be doin' society a favor.
That sonofabitch is brave and gettin' braver.
We want to put his ass in stir
We want to pin this triple murder on him
He ain't no Gentleman Jim."
Rubin could take a man out with just one punch
But he never did like to talk about it all that much.
It's my work, he'd say, and I do it for pay
And when it's over I'd just as soon go on my way
Up to some paradise
Where the trout streams flow and the air is nice
And ride a horse along a trail.
But then they took him to the jailhouse
Where they try to turn a man into a mouse.
All of Rubin's cards were marked in advance
The trial was a pig-circus, he never had a chance.
The judge made Rubin's witnesses drunkards from the slums
To the white folks who watched he was a revolutionary bum
And to the black folks he was just a crazy nigger.
No one doubted that he pulled the trigger.
And though they could not produce the gun,
The D.A. said he was the one who did the deed
And the all-white jury agreed.
Rubin Carter was falsely tried.
The crime was murder "one," guess who testified?
Bello and Bradley and they both baldly lied
And the newspapers, they all went along for the ride.
How can the life of such a man
Be in the palm of some fool's hand?
To see him obviously framed
Couldn't help but make me feel ashamed to live in a land
Where justice is a game.
Now all the criminals in their coats and their ties
Are free to drink martinis and watch the sun rise
While Rubin sits like Buddha in a ten-foot cell
An innocent man in a living hell.
That's the story of the Hurricane,
But it won't be over till they clear his name
And give him back the time he's done.
Put in a prison cell, but one time he could-a been
The champion of the world.
投稿情報: 2007-09-17 カテゴリー: Musique | 個別ページ | コメント (0) | トラックバック (0)
夏休み明けの忙しさもやっと落ち着き、相変わらずの青空をゆっくり眺めつつ翻訳してみました。
いや、フランスは衰退してはいないのだが - ジェローム・ギエ
ル・モンド 2007年9月10日アタリ委員会(訳注;大統領が任命したジャック・アタリを委員長とし、フランス経済危機脱出のためのレポートを製作する)設立のアナウンスにあるように、国内および外国メディアで、フランス経済の低成長率あるいは執拗な大量失業といった、定番の言及の伴わないコメントは極めてまれである。 あらゆる場面で、“改革”が緊急事項とされている。
この“改革”ということばは、片面通行のプログラムにとって、多かれ少なかれ疑問の余地のないコードネームとなっている:“融通のきかない”と目される労働市場の労働法柔軟による自由化、企業負担額の引き下げ;国家の対企業コントロール軽減、そして、当然だが、減税である。英国あるいは米国モデルに従って、より流動的で低賃金の労働者は、より雇用しやすくなり、企業の競争力と利益を向上させるだろう。そして、当然だが、あれほど非難された、“経済的逸脱” である35時間労働制は、フランス国民を再び働かせるため、即刻排除すべきだろう。
ここでの問題とは、株主と企業家たちに利益をもたらすこのプログラムが、不完全で偏向した現実描写に根拠していることだ。
多くの場合、衰退説のテーマは、近年の英国・米合衆国に比較し、フランス国民ひとりあたりの比較的低い
PIBGDPと、より低い成長率を基盤としている。ところで、この描写は削除された現実でしかなく、それらモデルとみなされる社会でめざましく 進んで入る格差拡大と、富の分配の実情を考慮に入れていない。事実、これらの国で作り出された富全体は、人口のきわめて限定された層によって取り込まれている。収入平均値は停滞しているが、人口内の0.1パーセントのもっとも裕福な層の収入は矢のように上昇しており、結果として、反響を呼んだPiketty と Saez の統計によれば、米国における富裕層の収入はこの20年弱に2パーセントから7パーセントを占めるようになった。この富裕層の5パーセント超過収入は、フランス国民の貧困化度とほぼ同じであり(仏国民の一人当たり
PIBGDPは、米国民に比べ78パーセントから72パーセントに移行している)、つまりフランスでの99.9パーセントのより貧しい人々にとっての成長率は(米国と)同様であるという結果になる。格差の拡大は、収入レベルのもう一方の極でも同様な結果を見せている。フランスでの子供たちの貧困率は7パーセントだが、英国では16パーセント(1979年の2倍)であり、合衆国では20パーセントである(なお、米国民の15パーセントは健康保険を有していない事実を忘れてはならない)。
社会の最もダイナミックな人々にとっての、企業を起こしその働きに見合った結果を得る自由の擁護は、理解しうる。けれどこの自由が、それなりの見返りを伴わずに許される場合、それはフランスに見られる以上の、避けがたい社会内断絶を伴う。高いレベルでの連帯と再分配というチョイスは、もっとも高い収入を抑えるが、しかし、引き合いに出されにくいところの、その他の層の収入を抑圧しはしない。たとえばUBS銀行の行ったような調査が示すのは、アメリカのいとこたちが自国のダイナミズムから受けている恩敬に比べ、フランスでは、低収入あるいは中間層、もしくは裕福層でさえ、より多くの仏経済成長の恩恵を受けている。
したがって、収入に関していえば、もっとも豊かな人々のグループのみが“改革”の恩恵にあずかると思える。この結論はそうすると、フランスがこうむっている失業問題の解決とはマッチしないのか?
すべては、調査対象によって変化するのだ。つまり、OECD の数字によれば、2004年には、25歳から54歳の男性のうち、フランスで87.6パーセント、米国で87.3パーセントが職を有していた。しかし、この年齢層の失業率は、フランスでは7.4パーセント、米国では4.4パーセントである。 失業と非活動を分けるラインは、明らかに国によって移動するもののようだ。。。
同様に、15-24歳の若年層の失業率はフランスでは8.4パーセントであるが、デンマークでは5.5パーセント、米国は7.6パーセント、英国では7.5パーセントとなっており、モデル崩壊を叫ぶ必要もないと思える。確かに、他国に比べ失業率の高さは認められるのだが、これは、働かねばならない学生の数が少ないフランスでの、この年齢層における勤労者数の低さを反映しているに過ぎない。
(訳者注;フランスでの大学年間学費は極めて低い、たしか10万円以下。同時に住居手当など、学生福祉制度も整っている。)もうひとつの論点:フランス人は働かない、とよくいわれる。これは事実とはいえない。フランス労働者は週平均37.4時間労働し、英国平均は35.7時間だ。たしかに、フルタイム勤務者の労働時間はフランスのほうが短いのだが(2005年において、英国での43.2時間に対して40.9時間)、パート・タイム勤務者の多さが、英国全体の一人当たり平均勤務時間を短くしている;両国での、似通った層の労働時間はほぼ同じである。フランス人は働かない(les Français travaillent moins)、という言葉は単に間違っているわけだ。
過去10年の間、フランスは英国と同じだけの雇用を生み出している:250万人。ただひとつの違いは、英国での新しい雇用創出が一定であったのに対し、フランスでの多くの雇用が1997年から2002年のあいだに、つまりちょうど35時間労働制が実施された時期、また世界における成長率が最も高かった過去五年間に、創出されていることである。
さらに注目すべき事柄は、英国(+ 6 %)、米国(+ 5 %)に比べ、フランスでは民間セクターでより多くの雇用を生み出していることだ(+ 10 %、以上1996年から2002年のOECDの数字)。実際、英国は約過去5年の間、民間セクターでの純雇用をまったく生み出してはいないが、公共セクターにおける強い雇用拡大の結果を享受している。
これは、英国および米国の経済成長が、ブレアとブッシュのもとに拡大した、公共支出増加に大きく依存していることを示している。公共支出額は、2000年から2006年の間に、英国では38パーセントから45パーセントに、合衆国では34パーセントから37パーセントに増加している。 英国の場合、この(教育と健康セクターを主軸とする)ケイネジアン活性策が、増税と北海油田からの収入でまかなわれたのに対し、ブッシュ政権は(イラク戦争を支払うため)公共負債および民間負債の過去にない増加へとつき進んだ。多くの世帯は、沈滞するその収入を埋めるため借金せざるをえなかったのだ。しかしながら、これらのケースは“ディナミズム”と見なされているようである。だが、アングロ・サクソンモデルのいったい何を見習えというのか、自問してみる価値はあるだろう。。。
もちろん、フランスではすべてがうまく行っているわけでも、何も変える必要がないわけでもない。だが、現在、“改革”という言葉が、このようなイデオロギー・アジャンダの主題となっている以上、人は(この言葉から)、誠実であろうとする言説は別としても、利益ばかりを えるのであろう。もちろん、私たちが、目的がなんであるのか同意するという条件で:収入階級層最上部にいるハッピー・フューが負わねばならない重荷を軽減するための、最もつつましい層の収入減少である。
フランス経済を低評価しようとする声の多さは、異なった社会モデルの存在を忌む人々から発せられているのではないかと、自問したくもなる。 何人かの手の内に富を結集させることを回避しつつ、ほぼすべての人々の繁栄を約束できるなら、これは限界を知らない資本主義信奉者の主要論拠を抹消させることになる。
大金持ちウォーレン・バフェットが言ったように、合衆国の裕福者は階級闘争を戦い、勝利する。すべての人々のためではなく、彼らは単に自分自身のために戦っているにすぎないと、今、付け加えるべきなのだ。
ジェローム・ギエはポリテクニック(国立理工院)卒、銀行家
---と、翻訳は終わったのだった。
*
訳者後期:時間かかりましたけれども、訳してよかった、というか楽しい時間が過ごせました。かなりな意訳です。クルーグマン教授の文章に語調が似てますな。セオリーはちと別物ですが、、、挑発度なんか。ははは。
19日夜に訳し間違いとか、訂正いたしましたです。
なお、著者のジェローム・ギエなる未知の人、調べてみたら、パリの銀行に勤める若手バンカー、同時に米国のブログ« Daily Kos »でエネルギー問題を扱うデモクラット系書き手であるらしい。ふむむ。
またしてもエンタープライズの画像ですが、本文とはなんら関係ありません。
後日追記:別エントリーであげましたが、このうえの文章元になった記事で、各種グラフのついた仏・英2語での、より長いヴァージョンがあります: France is not in decline and the last thing it needs is "reform" By John Evans & Jérôme Guillet
投稿情報: 2007-09-16 カテゴリー: Economics/経済, France, trad/翻訳 | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (1)