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2007-06-06

コメント

Aesop

>忘れてはいけないのは 以降
別に重箱の隅をつつくわけではないのですが、
たとえば 仮に これがSego女史であったとしても

忘れてはいけないのは、セゴレヌ女史には経済と外交に関する土台がないこと。そして、学生時から官僚機構そしてPSという政治団体の中でエヴォリューしてきた人間で....

とまったく同じ事が書けるのですが....
あくまで個人のBlogでありますゆえ、
個人の恣意的な批評は かまわないのですが
黒龍さん 以外 だれもつっこまず
妄信的に右に倣ったコメントしかつけないので
敢えて 指摘してみました。

猫屋

Aesop 氏、
どもども、ご指摘感謝です。
このエントリは、結局のところNSが大統領なんだから共存するっきゃないじゃん、というトコロから出発しておりまして、大統領選挙モノではないんで、NS・SRの比較の上に論点をおかなかった(学区制のところでは引きましたが)んであります。
なお、黒龍氏に関して言えば、お答えできなかったのは猫屋と思想性に差があるせいではなく、別の理由からでありました。

ただ、ロヤイヤルについて言及すれば(お書きいただいたので、そういう人がいたなあ、と思い出したわけですがw)、経済面(ダニエル・コーエン、ピケティなど)、外交面(ベドリンもロワイヤルの要請であれば外相を引き受けたであろうし)と専門家がいるわけです。なお、サルコジの社会党からのリクルートは、「UMPよっぽど人材に困ってるんだ」という説が多いですね:(もとの外相ドストブラジ)現在の健康とスポーツ相バシュロ、あと都市だったと思うけどどブータンとか、、おまけにENA出は避けてるわけで、さもありなん。

あと一点。日本のメディアおよびブログがどんな扱いをしているのかはいっさい知らないのですが、少なくともTVを含むフランスメジャーメディアでのサルコジ批判は極めて少ないわけで、なかなか仏個人ブログなどにも接する時間のないレクターに紹介って感じで書いています。

これは忘れててリストにあげませんでしたが、セキュリテ・ソシアルの自己負担額増大もありますし、これから先社会制度のpréféfence nationalってのが打ち出されたらかなりイタイ。また、ル・モンド経済記者以外はあまり書いてないけれども、減税や公務員の定員1/2策に結果するだろう税収入減少、各政策による出費増大をどこからファイナンスするのかという大問題があるわけで、移民に対する援助カットがいつか現実化されてもおかしくない(選挙民じゃないですからクライアントには入らないんですね)。

アタクシは合計22年ここで生きてきたわけですが、現在のメディア統制の成り行きにはさすがにびっくりしている。また、日本での政治の成り行きとも重なる部分が多いし、同時に(国家赤字が懸念される状態の時点で)減税をスローガンとして持ってくるポピュリズム政治は、レーガンとかブッシュ見れば明白じゃん、と思うわけです。

アタクシが自分のブログで現政権批判を書くのは、危機感のためだ、とお考えください。お答えが長くなってしまってスミマセンでした。

悩める子羊

猫屋さま、
国民アイデンティティと移民省の行方やら、何がどう変わるのか、セゴ女史に入れたフランス人も、とても注目していると思います。クシュネ氏
が入閣してから、社会党内部はどんな様子なんでしょうね?ここで踏ん張れるのかしら。オランド氏が何ともやる気がもう1つっぽいみたいですが?やっぱり妻が注目されすぎておもしろくない?チャールズ皇太子みたいな感じかしら。ここでたとえ夫婦仲が冷えていても、妻を持ち上げたほうが、イイオトコ、という評価にならないんでしょうか。フランス人はマッチョらしいですが、沽券にかかわるんでしょうかしら?

猫屋

これは(ジョフランだったか、シュナイダーマンだったかアパティだったか忘れましたが)社会党よりジャーナリストが個人ブログで今の社会党を「首をはねられても、走り回っているアヒルみたいだ」とか書いてたんですね。困ったもんです。オランド氏はそれでもかなり健闘してると思います。ロワイヤル・オランドカップルも、社会党が潰れれば同時沈没でしょう。。。イイオトコってのはさすがもうないんじゃないかなあ、、いいオンナってのはありえてもサ。

田川

気が付いた点のみ列記させていただきます。

・本住居購入時の借入金利 - 借金は私的契約ですから政府が金利をパーにはできませんから、金利の税控除を認めるということですね。
・相続税の撤廃 - これは「低・中流相続者層」対象でフランス人の95%が該当するであろうと言ってますが、撤廃範囲はまだ発表されていないはずです。
・超過勤務の所得税免除 - 被雇用者は単純に該当所得税及び社会保障金免除ですが、雇用側は当該給与の社会保障会社負担金分を免除する。法人税を始めとする雇用者側が支払うべき税に対する減免措置はないと思います。

その他税関連では、「所得税の最高税率の上限を50%にする」というのがありましたね。ISF(impot de solidarite sur la foutune)の税控除と合わせて金持ち優遇の改悪と批判されてた思います。でもこれらのすべての税制改革は一つ一つ独立したものではなくて、やはり総合的に判断されるべきものだと思います。サルコ税制改革の要諦はソーシャルよりリベラルですし、乱暴な言い方をすれば、経済活性化による全体の底上げか平等かということになると思います。富の再分配のあり方に関して、ある程度の格差拡大を許容してもまずはパイを増やすべきか、まずは格差是正と平等に重点を置くかが争点ではないでしょうか?

それから、刑法改定に関しては、刑務所の収容能力や関連法との整合性などの技術論に問題を矮小化するのは社会党にとっても得策ではないと思っています。社会党には、どこで人権と社会秩序の折り合いをつけるべきかと言う根本的な(思想的な)反論をして欲しいと思います。現在フランスで若年層の犯罪を看過すべきでないのは議論の余地はないでしょうから、その対策の是非ですよね。

ながながと失礼しました。

猫屋

田川氏、ご指摘ありがとうございます。
本来であれば、関連記事を手元において書くべきエントリだったのでしょうが、行き詰っちゃった翻訳を前にして眠れなくなってエイヤッと書いた文章なんで荒いところはご容赦ください(笑)。UMPのほうも具体的ラインは出来上がっていないようで、本文にリンク上げたAFPの速報も朝方に(一応)書き上げた時点でル・モンドウェブに上がっているのを見つけました(ってなんか言い訳になっちゃってますが)。

なお、本文にあげた選挙戦中の公約案も次第に具体性を帯びつつあります(なにしろ全部同時多発改革だそうで忙しいことおびただしいのですが)。超過勤務に関する税制に関しては、
http://www.lemonde.fr/web/article/0,1-0@2-823448,36-919880@51-917423,0.html
フィヨンは国費からの出費について、la réforme coûterait 5 à 6 milliards d'euros par an、といっている。寝不足の頭脳では日本語化できない数字です、はあ。相続税全面撤廃はたしかベルギーなどでもやってるんで、本音としてはサルコはそこまでもって行きたいんだろうなあ、とは想像できます。
また刑法改定に関しましては、日本では猫屋が法曹関係の仕事をしていたこともあり、また(一応)フーコーのファンでもありまして(仏社会党とは無関係に)刑事法の根本的思想に関わる、つまりアタクシなんぞが何やかや言っても始まらんのは明らかでも、専門家によるディベイトと国民の理解が必要とされる件ではないかと考えています。

一番心配なのは、財源なんですよね。一種のオプティミスト前倒しサルコとしては、景気の上昇で負債はチャラにできると言ってたみたいですが、米国経済も陰りを見せているし、CAC40の上昇が一概に仏国の景気のよさをあらわさない複合経済の昨今に、簡単に借金しちゃっていいのかね、、、と思うわけです。だったらまず、エリゼ宮の歳出おさえろ!といいたくなっちゃう、貧乏人猫屋であります。

ねむりぐま

あ~、このタイトル、ちょっと元気でましたが。。
昔からのニュース好きでフランスに来てからは語学の(耳の)訓練で欠かさず聞いてたニュースを普通に聞けないのはとってもつまらないです。。
一番許せないのは、メディア支配!
あ、教養の欠如も許せない。(フランスの大統領を続けるなら) あ、品格がないのも。
狙撃でもされない限りは5年間大統領なんですよね。。
やっぱり帰国への道かも。。(涙)

Aesop

健全な議論のための場の提供という理念に関して
共鳴するとともに、御礼と尊敬の念をここに表明いたします。猫屋殿。

追加で
>個人ブログで今の社会党を「首をはねられても、走り回っているアヒルみたいだ」とか書いてたんですね。困ったもんです。オランド氏はそれでもかなり健闘してると思います。
実際、観察していても
1.決選投票直前まで 党組織として動かすことができなかった責任
2.決選投票が終わっても、未だ党としての強い方向性を
見出せず、
具体論も無く 大統領選での票田を当てにする無策
これは 健闘というには あまりに判官びいきが
過ぎるように思われます。

また 田川様
仔細に関する検討、これを読んで 私も出張先から
戻ってから 再度雑誌のバックナンバーを掘り起こして
確認することにします。
非常に良質な示唆 目が覚める思いです。

猫屋

ねむりぐま氏、
元気なのはタイトルだけでゴメンナサイ、
猫屋は、学生時代ヒヤリングのためフランス・クルテュール聞き続けてたんですが、ある日先生に「猫屋、文末の発音がどうもラジオアナウンサーみたいなんでけど、、」と注意されたです。たしかにTVとラジオジャーナリストのしゃべりって癖ありますよね。。

てか、サルコジ様は政治と法曹界と経済界とメディアを牛耳ってるわけで、うちの相棒は「そういうのを独裁ってんだよ」と言ってましたが。。。まあ、がむばりませう。。帰るとこがある人がうらやますい(でも帰らないでね)。

ちょっと嗜好を変えて、くまちゃんだけに今パリで流れている噂をふたつほどお伝えします。
1.セシリア大統領夫人が愛人と駆け落ちしていた間、サルコジ内務相はフィガロの女性記者と同棲。一次はご結婚?という噂も流れてたんですが、いつのまにやらこの関係は解消されたらしいですね(現状を見ると、まあそうだ)。なんと、その愛人が妊娠してるって話を友人から聞きました。。。これはあくまで噂です。
2.当ブログでも名前が出てきましたが、かつてニコラ・サルコジの官房長を務め、選挙前はサルコジ選挙次官だったLaurent Solly(ローラン・ソリ)は政治界から離れてTF1のディレクターになったんです。前々から大統領つき官房長になるのでは、といわれてたのに民間への天下りの理由はと聞かれて本人は「(奥さんが病死したため)三人の子供を育てるため、内閣に入るのは時間的に無理」と言ってるんですが、どうも本当のところは、彼が官房長だったときサルコジのプライベート・ライフの担当もしてたことかをセシリアは根に持っていて、今回の官房長任命に反対したんだそうです。。どうも噂1とのつながりがありそうです。ダラスみたいですね。

猫屋

Aesop氏、
いや感謝される謂れなどございませぬ。猫屋は勝手に言いたいことを言っているだけであります。

オロンドは、2002年の大統領選での大へまのあと、一言も発言せず(責任も取らず)引退しちゃったジョスパンの後、それでもどうにかこうにか社会党を存続させてきたわけですし、おまけに欧州憲法国民投票での社会党の2分割も乗り切った。それはそれで健闘と呼びうると思います。オロンドにカリスマ性はないですが、ネゴと根回しの才能ある。これはフランスでは貴重です。

仏社会党が、欧州の多くの国のように「社会民主主義」に切り替えるには、社会党内の「ピュア社会主義者」とブザンスノはじめとした極左からの押しが強くすぎたんでしょう。そういう理由からくる仏社会党の、時代の変わりようについていけなかった弱さがあると思います。

大統領選のときの「UMPには政策案があるが、社会党にはない」というのは嫌になるほど聞かされたわけですが、本当にそうなのか、、というと猫屋はそうも思えないんですよね。。特に最近、経済学者ダニエル・コーエンの書くものを気をつけて読んでいるんですが、結局のところUMPの(あるいはサルコジの)経済政策には、なんだかオールド・エコノミースクール+ユートピア的ドリーム・カム・トゥルー性が強くて、逆にコーエンやピケティの組み立てる経済プランのほうが、プラグマティックでマクロまで捉えた、ある思想を感じさせるんですよね。

本エントリを書いた翌日、欧州銀行は金利を4パーセントにあげると発表しました。ワタクシはインフレ・ターゲット支持ではないんですが、それでもグリーン・スパンはバブルを金利操作で(ある程度ですが)切り抜けています。欧州銀行ももうすこし柔軟になってもいいんですけれどねえ。これでまたフランスの借金が増えますです。

フィヨン内閣の目指す改革が、大学改革や司法改革まで含めて、いったいいくらかかるのかはいまだ誰も勘定できない状態ですが、どうもUMPはTVAソシアルというのを作るらしいです(早い話が付加価値税のあっぷ)。担当はなんと、エリック・ベッソンだそうで、、、元社会党のヒトだけどしゃれにもなんない。

ねむりぐま

うひょー。 若くしてTF1のディレクターにと以前書かれてた人ですよね。 しかしそこまで口出しできるってすごい。。
日本の友人からのメールに、「セシリアさんって、週刊誌ネタによさそうな人ね。」というのがあって大笑いしました。 専属プレスのことや、娘さんの20歳のバースデーのためにサミットを早く切り上げる(のですか?)というニュースが日本で流れてるらしく。
あと、クラスメート(30代)の従兄弟が以前サルコのイベント(?)担当官の一人だったらしく、「セシリア、最悪!」だそうです。。 すごい無理な注文出すし、どなり散らすし(それはダンナさんに対しても、とか)、担当官を奴隷のように扱うとか。。

papierもらえる理由がつけられそうにありませぬ... (sans papierでも残りたい。。でも次入国できなくなる。。涙)

猫屋

(ほぼ)翻訳中ですが、お返事。
んー、ボーイフレンドとかいないんですか?トーシバ君じゃなくて、マルシェの花屋さんとか。。。ゴケッコーンがどうも一番簡単なようであります(ススメマセンガネ)困ったなあ。

ねむりぐま

あ~、それはこのフランスで仕事をみつけるより難しいですねぇ。(笑)
来仏一年目に誰かを脅して(おいっ)偽装結婚でもしておけばよかったです。当時は一年後に労働許可出てましたからねぇ。
あー、マルシェのお花屋さん、すっごい仲良しなんですけど、おじぃちゃんなんですぅ。

猫屋

難しいですねえ。一年ほど前ですが、見の振り方を考えるに1.就職 2.(身元のちゃんとした)仏人とのゴケッコン 3.芥川賞をとる の三択でどれが可能性あるって何人かの邦友人に聞いてみたら、全員3だ、という答えが返ってきた。。。芥川賞、、、試してみようかなあ。ヌーベル・スターよりは難易度低いかも。。。。

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