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2007-06-08

コメント

田川

 いつも貴重な情報を提供いただき感謝しています。ELBの記事、とても興味深く読ませていただきました。そうなんですね、現政権の経済政策は、実際は迎合的な施策満載で、とてもリベラルと呼ぶにはおこがましいものでしょうね。でもそれがフランスの現実だと思います。世界的な競争に抗するためのリベラルな政策を迎合的な政策と組み合わせることなく打ち出せば、1995年のジュッペの二の舞になる。本当の目的は巧みに隠蔽されている。サルコ政権のその巧みさは「目的は手段を正当化する」という欺瞞的な方法論に裏打ちされた危うさを内包していると思います。フランスの多くの有権者は実はそれに気付いて知らん振りをする程度には成熟している、、、、と思うのは読みすぎでしょうか?彼の「目的」が欺瞞的な手法を正当化するほど「フランス」と「フランス人」の将来にとって有益かどうかに賭けている、意識的にせよ無意識的にせよ、そんな気がします。駄目だったら、次に替えればいいや、って。

猫屋

たしかに、フランスの必要とする“改革”をサルコジだったらバッサリ実行できるんじゃないか、という期待は理解できないこともありません。任務を果たして5年たったら退場していただく、と言うシナリオですね。ただ、そう考えてサルコジあるいはUMPに投票する選挙民はあまり多いとは思えない。
まず、ELBの記事でも出てくるけど、サルコジの“思想性”、あるいは危険性でもいいんですが、大統領選挙のときにアンチ・サルコというのが、日本の“左翼”囲い込み(レッド・パージ)と同様に、カリカチュア化からマイナス視され、いつのまにか消えていった。逆にメディアがつくりあげたサルコ神話にのってサルコ信仰ができあがっちゃった。ふたつ目は、ル・モンドのこういった記事の影響力(読者数)が10年前とは比べ物にならないくらい減ったことがあります。アシェット・ブイグがトップになってやってるメディア統合が進んで、(日本でのアサヒバッシングを思い起こしてください)、批判的メディア媒体は日に日に少なくなっています。
天気の好いパリの午後に、カフェのテラスでル・モンドを読む人間は、今では本当に少なくなりました。メトロの中でも珍しい(みんなあのヨットの持ち主のタダ新聞ですよ)。EUもあるので、実際の大統領の政治権限って国家マネージャー程度でいいのに、と思うんですが、ナニガナンデモ自分の自由(自由は自分用だけ、想像力も自分様のだけ)にしたい人がオヤビンになっちゃった。今のアタクシが望むのは、なるべく最小損害でこの5年が終わってくれることです。一番先に痛手をこうむるのはもっとも弱い人間です。

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