"Les Français ont placé en tête les deux candidats qui ont porté avec clarté deux modèles de société opposés. D'un côté, le modèle libéral et autoritaire de Nicolas Sarkozy, qui prône la loi du plus fort, et auquel répond la violence. De l'autre, une société juste et tolérante, où chacun respecte les règles et les autres. C'est la société que porte et défend avec force et détermination Ségolène Royal", estime la socialiste Martine Aubry.
「フランス国民は選挙結果のトップに、対立するふたつの社会モデルを掲げる2候補を選んだ。一方には、もっとも強いものが勝ち、暴力が対抗するニコラ・サルコジのリベラル(訳注)で権威的社会がある。他方は、各人が規範と他者を重んじる寛容で正しい社会だ。この社会はセゴレンヌ・ロワイヤルが決意と力をもって掲げ、また擁護する社会だ。」とマルティン・オーブリは評価した。(ル・モンド紙から昨夜11時10分の発言) 訳注:フランスでのリベラルとは新経済自由主義のこと
5月6日に行われる第二回選挙でのNS(ニコラ・サルコジ)と SR(セゴレンヌ・ロワイヤル)の対決、アンケート調査による結果はかなりの差で “NSの勝ちー” と多くのメディアが大々的に報道してますし、ちらっと見たTVニュースもなんかUMP組ばっかな気がしました。ガックシ。ストラス・カン(DSK)にもっとガンガンしゃべらせてもいいのになあ。ピエロ・サルコのトーク・パワーに勝てるのはDSKぐらいしかいない。
ポイントの一つは、前にも書いたけどSGが誰を首相に持ってくるかのチョイスにあるし、この点も絡めて18.58パーセントというバイルー票がどちらサイドに流れるか、これは問題。アンチ・システムを掲げたルペンの支持者たち(10.67%)は、ルペン票をかっさらったサルコジには釣られなかった人々であるね。案外アンチ・サルコでロワイヤルに投票するかも知れん。
Mère patrie(メール・パトリ) という言葉がございます。母なる祖国ですが、ピエール・ノラも言ってたけれどパトリという言葉の中には父性があるんですね。実際権力が政治からエコノミーに引越ししちゃった21世紀グローバル世界状況において、女性元首の数が増えているというのは実に意味深い傾向だと思います。これは政治自体がパワーの象徴ではなくなった事実と、(これはアタクシの考えですが)政治に、弱者保護および国家という共同体マネージメント要素が大きくなった、この二点があると思う。極めて(21世紀の)母親的役割です。
一方ブッシュ・小泉・ブレア(特に外交)・サルコジの流れには旧世紀的マッチョ政治志向、および21世紀的な経済界に結びついたメディア政治“権力”の姿が見て取れると思います。ベルルスコーニというのもいた。今回の選挙では、フランス国民のそこらへんの潜在意識も大きな決定要因であるだろう。またこういった歴史の節目に変わる国民意識ってのもあるわけですね。85%に近い投票率もそれを表していると思います。
というわけで、猫屋の勝手な予想は51パーセントでSGの勝ち。NSは49パーセントでさようなら。UMPは内部分裂、UDF(決して断じて決断しないバイルーの中道党)が盛り返し第二党となる、、、ダメですかね、このシナリオ。サルコジの写真が市役所とかに貼られて、サミットでメルケル女史のとなりがサルコなんて困るんですけど。アタクシの滞在許可証という(考えたくない)案件もございますし。
フランスの片田舎からはじめまして。フランスのテレビはかなり偏った報道しますよね。局数が少ない上に、相当コントロールが入っている様子。新聞やネット徘徊までして情報探そうという人は少数派で、一般人はテレビで言わないことはニュースじゃないと思っている感じです。少なくとも周りのフランス人は、めちゃくちゃテレビに振り回されていて、本来NS派でない人も、テレビの印象でNSも悪くないかも、って友達の私に恐ろしいことを言ってくれてました。。。MarienneのNS記事なんか、もっと一般の人が読んでいたら、こんな結果だっただろうかと思うのですけど、日曜日のSRの開票後の演説も、視聴者には印象悪かったし(今日は持ち直していましたが)、テレビの影響は怖いです。
それでも、あちこち見ていると、バイルに入れた人でNSに入れるという人はあまり見かけないし(白紙かSR)、FNの人でもアンチでSRに入れるという人もいるようですね。第一選でNSに入れたのは2002年の再来を防ぐ為だけだったと言った人も見かけました。。。
投稿情報: Amina | 2007-04-24 02:25
Amina 氏、こんにちは。なんだか心配で夜中に仏ウェブを徘徊しておりますよ。
どうなるんでしょうねえ。1981年のミッテラン選出時にはまだ日本にいたんでそのときの情況は分かりません。あくまでも多文化“多人種”の和解策を説くセゴレンヌ支持ですが、とにかく気がもめます。ル・モンドのサルコ追っかけ記者が“サルコジのもっとも危険なポイントは彼自身だ”とチャットで答えていました。メディアの株主はともかく、新聞でのフィールド・ジャーナリストはよい仕事をしている。あとはセゴレンヌの力量次第だと思います。
ところで奇妙な噂がウェブで流れています。あのセシリア・サルコジ夫人に新しい愛人(作家)ができて、怒ったサルコは夫人をぶん殴った、というもの。ありそうな話ですが、裏は取れていないもよう。このネブロでもコメント欄のみでご紹介です。
投稿情報: 猫屋 | 2007-04-24 03:38
そうなんです。あの日曜日のセゴレンを聞いた私は、「これじゃあ、サルコが勝つかも?」と思ってしまったのです。 (私はサルコ指示ではないけど。) とにかく、5月2日の討論では、セゴレン頭に来て、前年の数値ばかりならべて戦うのはやめてほしい。
どちらが、大統領になってもフランスの物価高はちょっとやそっとじゃ変わらないでしょうけど。 まあ、セゴレン勝てるかな? 庶民派が残るか、スノッブが押すか?
投稿情報: k | 2007-04-24 09:02
5月2日はTF1とfr2 同時中継で約80分のNSvsSRテレビ討論だそうですね。まあこれだけ社会党内でも、選挙期間中もだけど右や左や上や下からたたかれ続けたセイゴレンヌですから、またたたかれ続けてもそこはグッと我慢のセゴレンヌですから、すぐ沸騰しちゃうランボー(アルチュールじゃなくてスタローンのほう)サルコとのコントラストがTVではさらに明確になるんじゃないでしょうか。結果、大統領にはやはり静かな力(フォルス・トランキル)が乙、ハイパーアクティヴはダメよに6000ペセタス。ああ、猫屋の頭脳はもう定休日状態ですが。
投稿情報: 猫屋 | 2007-04-24 14:02
今日の支持率調査では、両者の差が縮まってましたね。昨日今日のSRの話し方見てると、日曜日は体調でも悪かったのでしょうか(セゴ支持の友人は、感動してるんだよ、とフォローしてましたけど)。テレビ討論にあまり視聴者は振り回されないでほしいです。部外者の個人的希望としては、なんにしても、より人に優しい政治をしてくれる人を大統領に選んで欲しいですねえ。明日のバイヨー氏の態度しだいのところもあるし、ああ、まだ分かりませんね。。。。
投稿情報: Amina | 2007-04-25 00:47
NSはそれでもトップにいるんだし、前政権での大臣暦が長い。だからかえって追っかけるSRのほうに分があるとも考えることができます。セゴの頑固さは筋金入りですから、サルコの挑発には乗らない。かえってサルコは興奮しすぎで言っちゃあいけないこといいそうだしね。あれだけ(コンプレックスのかたまりで)自尊心の強い男ってのは美人の前では案外弱いんじゃないでしょうか?
投稿情報: 猫屋 | 2007-04-25 17:42