バグダッドの自宅に5ヶ月ぶりに帰宅したフセイン・ハヌーン。TVで妻と四人の子供たちを抱きしめたのち、うずくまって涙するフセインの姿が映った。右はパリ郊外ヴィラクーブレ軍空港で飛行機を降り立ったリベラシオン記者フロランス・オーブナ。きわめてヴィヴィッドに、そしてチャーミングに、眼をきらめかせて記者会見に答えていた。リベ(名物)編集長、セルジュ・ジュリも2人の元人質とともに“開放”されたといった風だった。 国民投票で二つに分断された観のあるフランスも、このよいニュースへの反応には溝も断絶もない。(私はこれを駅構内のラジオ放送で知った)
だが、イラク国民が人質である事実は変わらない。彼らには帰る場所はない。
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独語追記:オーブナ記者のガイド・通訳だったフセイン/Hussein Hanoun al-Saadi は5ヵ月を越す拘束生活で15キロ以上やせたと言う。彼はイラク戦争前はイラク軍カポラル、つまり伍長コロネル、空軍大佐だったそうだ。ル・モンド紙、リアル・プレイヤの映像。
斎藤昭彦さんのことを考える。フセインも斉藤さんも同じ44歳。同じく元軍人。一人は旧イラク軍消滅後、フランス語力を使ってフランス人ジャーナリストのために働き、拘束された。危険な仕事であることは彼も知っていただろう。もう一人は、英国警備会社に所属し、襲撃にあった。
一人は生きて家族のもとに帰ってきた。もう一人は、帰ってこなかった。
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