日本語ではチェルノブイリとなるようですが、仏に古くから住んでる連中のアタマにはチェルノビルと刷り込まれてますんで、このまま書きます。御了承ください。
*
先週だったか日本発ニュースに集中してた時、たまたま台所でコーヒーを入れる間ラジオをつけた。そしたら遠地からの電話で女性が「道路沿いには死骸が並んでいますが、収容する救急車も来ていません。病院には医薬品も酸素ボンベも不足しています。人々はガスも水も止まった家に閉じこもっていますが、もう食料もありません。けれど危険すぎておもてには出られない状態です。」と言っていた。おもわず福島第1原発付近かと思ったら、コートジヴォワールの首都アビジャンにいる国連派遣の女性の声だった。
昨日の午後はあまりに腹へって、こないだ成田空港のコンビニで買った“最後の緑のタヌキ”でも食べよかと湯が沸くのを待っている間ラジオをつけた。フランス・アンテールのLà-bas, si j'y suisだった。この番組は2005年から仏TVとラジオで現政府に批判的番組が次々に店じまいする中、今でも踏ん張っている“貴重な存在メディア”。
おとといのアンテールは多くのスタッフを東京に送り、パリ-東京同時進行プログラムを展開して一日中JAPAN特集だったのだ;特に福島第一関連多し。
ここで今でも朝から夕方までの全番組が聞けます:France Inter avec le Japon le 8 avril まあ、全部聞いてると一日中かかるというわけですが。。。
たまたま聞いたラ・バでは、最初聴衆者からの留守電メッセージを流したあと、東京臨時スタジオから衆議院議員の吉井英勝さん、写真家・ルポライターの広河隆一さん、エコロジストのまさしも・としき(漢字分からず)さんへインタヴューしていた(もち仏訳つき)。
あとからネットで聞いたのは“La Tête au caré”:これは科学関係の主題を一般人に専門家が説明する番組。最初に1929年、東京の仏大使だったカミーユ(じゃなかった弟のほうの)ポール・クロデールの文、あとには村上春樹の“Après le tremblement de terre” の一説も紹介されていた。招かれていた上智大で社会学を教えている Muriel Jolivet 女先生が、東京人の今の心境を語っていたのが身につまされた。
で、突如日本に戻って、アンテールでしゃべってた吉井英勝衆議院議員(共産党所属、京大原子核工学科卒)がインタヴューに答えた、BS11の「ニュースの真相」(3月31日)1/4を貼っておきます。お時間あったら4/4までどーぞ。
そういえば3年前だったかに行った、今は住宅地もそばまでせまった鞍馬山では、鞍馬寺原発反対のステッカーが貼ってあったりしてなんだか異風だった。吉井さんも時々京都風イントネーションが出てきてて:地方色のまったくない人は、なんとなく信じられない気になったりする。
は?アタクシはパリ訛り東京下町系でがす:親が上野のあたりと下谷あたりの出。アコガレはやはり神田の東京弁だ:あの歯切れのよさは、とてもじゃないが真似できない。
**
次は2006年、チェルノビル20周年にFrance3(国営放送)で夜遅い時間帯に流されたドキュメンタリー《La Bataille de Tchernobyl》、訳しますと「チェルノビルの戦い」。当然仏語版で、これは1/5。
当地第4炉のコントロールセンター映像、事故後上空を最初に飛んだカメラマンの証言や、避難の様子、ゴルバチェフ・ハンスブリックの証言、リキデイターの現場ヴィデオ、その生き残りの証言、医療関係者の証言、ロシア北の炭鉱から送られた炭鉱夫たちの地下での信じられない働き具合、特殊ロボットが放射能のために動かなくなる風景、最後近くにはその後生まれた奇形児の姿も出てきます。全部でたしか90分。
福島第一事故後、こちらフランスTVでチェルノビル・レファレンスとしてヴィデオ引用された多くがこのドキュメンタリーから。TVセナでも放映してた。で、もう一度見てしまいました。かなり恐いんだけど、イカンセン25年前の話なんで今の日本と重ねず距離おいて見てください。また、福島第1事故直後、仏人の反応が大げさすぎたのは、米国の避難勧告半径80キロの影響もあるし、5年前に見たこのドキュメンタリーの記憶がよみがえった、ってこともあるでしょう。
La bataille de tchernobyl 1/5 par nane6538
なお英語版はここからダウンロードできるらしい:ディスカバリーチャンネル – チェルノブイリの戦い
ここでは英語版がイッキに見られる:The true battle of Chernobyl
なお、最初のほうの爆発シーンは2006年的にCGでしょう、と思う。
*
今でも覚えていますが、1986年春、上天気のある日それは起こった。仏政府はフランスには影響がまったくないと繰り返していた。 週末たまたま一緒にパリ散歩に出かけた仏友人は、小雨にぬれないよう傘を急いで差す日本人観光客を小ばかにして笑っていた(なお、そいつはエイズなんて他の病気とおんなじで、いつかは治療法も見つかるはずだしたいしたことない、とも言ってたね)。
仏でのチェルノビル裁判、日本の原発で働く人々のことなどのリンクについては、また別の機会にでも書きます。
こんにちは。
お昼にコメント投稿したんですが、確定ボタンを押さなかったみたいで反映されてませんでした。えっと、私がいつもブログを参照している中部大学の武田邦彦氏が「ニュースの深層」に出演されたそうです。
http://takedanet.com/2011/04/post_d384.html
もしご関心あれば……。
夕べから少し肌寒くて、今日はいい天気でしたが風が強かった。
満開に咲き誇る桜もそろそろ散り桜です。
花見客は例年比で激減。私は花粉症なので、ここ数年夜桜見物しかしていませんでしたが、さすがに、今年はそんな気にもなれず。
どこのニュースサイトで読んだか忘れましたが、在東京のフランス人が、「まったく日本人てば、お笑い番組見て笑ってる場合じゃないでしょうにっ」とか言って、日本人の危機意識のなさに怒り狂っているんだとかなんとか。確かに昨今のお笑い番組の低俗さには殺意さえ抱きますが、それはそれとして、そんなくだらないもん眺めて笑う振りでもしなければ、笑う機会なんてありません。じゃない? 被災者も非被災者も心底から笑えないし、誰ひとり本当の意味では笑っていません。京都も店舗は軒並み照明落としているし、服喪中、って感じです。だからウチのジャリン子が吉本新喜劇見て笑うのは許してほしい(苦笑)。
投稿情報: midi | 2011-04-12 11:48
ども、
今、CNICライヴ見てます:理工系頭脳じゃないし、読むべき・見るべきものも多すぎて一日24時間じゃたりない。窓ガラスも磨かなあかんし、、、。しかし、ここでは地面が揺れてないわけで、もちょっと勉強して見ます。
まあ、在日の仏人には今の仏TVテイタラク度が認識されてないと思われ。ほっとけ・ほっとけ。なにしろ2005年5月からメディアも含み仏共和国は開店休業中です。
アタクシ、TVまず見ないんですが昨日は「トップ・シェフ」見ちゃった。仏版「料理の鉄人」です。なんか日・仏・英語で読んだり書いたりしてると、大脳皮質のあたりがゴワゴワしてくる。音楽でも聴けばいいんだけどねえ。今日は泳ぎに行ってこようかと思います。地球の反対側遠地被災で病気になってもカッコ悪い。
投稿情報: 猫屋 | 2011-04-12 13:15