基本的に、猫屋の見ている情報源は昨日とほぼ同じなのですが、アップ・デイトURLの違うメディアもあるので更新します。
NHK World French(TV画像なし/ラジオ・ポッドキャストあり)
アサヒの地震関連報道:東日本大震災
おなじくアサヒ:東日本大震災 原発関連
経済紙は原発系記事が多い:日本経済新聞
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BBC live :Radiation fears after Japan blast
Guadian live :Japan nuclear crisis and tsunami - live updates
Le Monde live :En direct : Japon, course contre la montre pour éviter le désastre ← 個人的な印象ですが、特に読者コメントの一部パニックしすぎ:「もちついてパニクレ」というのはここの辞書にない。
NYTの2ページ記事が、グラフィックを含め状況をまとめている。
Fire and Damage at Japanese Plant Raise Risk of Nuclear Disaster
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ライフラインの途絶えた被災地での救援・捜索にくわえ、被災者への救援物資輸送に先立つ道路の確保、そのうえ原発事故と放射線を逃れるための避難も同時に行われている。気が遠くなりそうなさまざまな作業を、急速に同時進行させるわけだ。(この混合加減や都市間の距離とかが海外メディア報道ではよく伝わってこない。)
特に東北部は、新幹線も通じて関東へのロジスティック地域として発展した都市部を別にすれば、老齢化と地方自治体の財源不足が問題視されていたと記憶する。
これまで見ていて、一番弱いと思えたのは、東電による情報公開。まあ、これはたとえばフランスのエネルギー関連企業も同様なんだが、トップレベルの大学で勉強してきたこれらマルチナショナル上部管理職エリートのアタマのカタサ(官僚主義・教条主義)というのは世界共通で、おまけに企業体組織政治戦略、つまり組織の自己保存が第一だから、ジャルゴン/専門用語を駆使して責任回避に持ってこうとする。東電の会見は2回見たけど、途中でこちらがなえて見るのをやめた。
昨日あたりから放射能危険性を理解したんだろう、NHKなどに出てくる東大の先生たちの話も、一般人を対象にした理解しやすい解説になっている。
東電/tepco の大株主は誰なんだろうとwiki見たけど分からなかった。日本政府とこの多国籍企業の関係がよく分からない。世界で最も大きい首都圏東京を含む地域の電力配送・原子力発電所を管理するのが、多国籍民間企業ってのは、考えてみるとかなり恐い。まあ、それが国有であったとしても、誰が“国”なんだ?って話で事は大きく変わってくる。
日本政治についてはまったく無知なので、現行政府に関しては何もいえない。
だが要に、世界金融危機でも同様だし、北アフリカ蜂起でも同じなんだが、ネックになっているのは民主主義だろう。
付け加えれば、福島第1原発内で、今でも活動し続けている50人あまりの東電職員が無事に職務を終えることを、祈らざるにいられない。
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これは昨日ヴィデオを貼ったONG、原子力資料情報室のサイト
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福島第一の核封鎖活動には米軍も参加してるとどこかで聞いた。最悪の場合には大量のセメントを上空から投下し、原子炉を全体を閉じ込める可能性もあるだろう。
ところで、今回の米軍日本被災地援助は「TOMODACHI 」作戦だそうだ。個人的には「友達作戦」よりは「仲良し作戦」とか「ニコちゃん作戦」なんかのほうが好みである。← 不真面目でスミマセン:ストレス溜まってて、ちょっとガス抜きしました。
と思ったら地震。静岡東部で震度6+(暫定マグニチュード6.4、震源はフィリピン・プレート上本土冨士山近く南の表層部地下14km、津波の可能性はなし。けが人が出たが大怪我はなし。一部停電)。
ここは東日本のプレートとは別(関東圏周辺プレートのエネルギーが開放されたとするとこれは悪いことではないかもしれないが、東海地震の余震だったという可能性もあるわけで、要するに専門家も分からない状態)。
現地にいる方々の御心痛・疲労・飢え・ストレスを思うと、ディアスポラのわが身が情けなくなる。
訳もなく節電してみたり、停電になると困るから懐中電灯を点検しよう、ろうそくは余震があると恐いから避けよう、などと思ったりまったく非論理的な生活をしてる。パリのおもてはうららかな春である。
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こっちの経済系ラジオ聞いてたら、ウォール・ストリートでGE株価が大幅に下がったと報道してた:福島原子炉はジェネラル・エレクトリック・タイプ。
福島1原発の第4原子炉にヘリコプターから水をかける計画が練られている。
おととい見たヴィデオで、津波を逃れた人々が「地震発生から津波まで20から30分しかなかった。私のように高台にすぐ逃げた人もいれば、いったん家に帰った人もいた」と語っていた。“命の綱”をつないでいる線は極めてあやうい。天気予報は東北・三陸地方の雪を予告している。
これはリベで見つけた、東京在住の仏人たちが東京を去るべきかどうか悩んでるという記事。
«Partir ou rester, c'est un peu la question que je me pose à chaque instant»
ほかに何か見つかったら、追加します。
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右上のグラフィックは、仏マンガ系ブログ記事JAPON:je vais bien ne t'en fai pas (日本:僕は大丈夫だから心配しないで)経由で借りてきた猫屋同世代人、鳥山明氏のメッセージ。
かっての被災地神戸より、はじめまして。
春の雪がふりつつも木の花がほころんでまいりました。
神戸のほとんどの猫は心おだやかではありませんが、おごそかに自分の日常を生きております。
被災した親戚と連絡がとれましたが、被災民は外部で想像するよりはるかにクールです。
日本はそれでも広いということを海外に伝えたくて記させていただきました。
投稿情報: 神戸の猫店 | 2011-03-16 11:02
神戸の猫店氏、はじめまして。
さっき、実家に電話入れて、みんな“いつもの日常”を送ってることを確認しました。こっちの、とくにフランスのメディアが大騒ぎでテンション上がってるんで(米国はもっとだろうと思うけど)ちょっと閉口しています。
まあ、パリ郊外で若い衆が車に火をつけたとき、パリ中が燃えてると思われてた時の逆だと想定してみてください。
でも、今は日本事情に詳しい一般人も、医学や核の専門家もいて、冷静に状況を分析してる:何が起ころうと、日本には苦難を乗り切り復興を成し遂げる力があると、昨日見たtv討論番組で声をそろえて言っていました。
神戸地震のときはたまたま帰国して八王子にいて、当日は京都に出かけるつもりが新幹線が止まり断念しました。ほうけてtvを見続けていました。
あの頃に比べれば、ネットがあり、国際電話も簡単にかけられる。大手メディアだけでなく、P to P レベルで情報交換できるので、大きな違いです。
ただ、遠くにいるというのは辛い時もあります(ネット回線や電話回線が切れると恐くなる)。
原発さえ制御できれば、被災地援助のスピードも速まるんでしょう。
しかし、春の近畿にも行きたいなあー。では、
投稿情報: 猫屋 | 2011-03-16 12:19
こんにちは。いつも興味深く拝見させていただいています。フランス語は少ししかわからないんですが、ネットでfrance2のニュースを見ていたら、もう東京は放射能にまみれていてみんなマスクをして放射能を防いでいる、みたいなレポートをされてたような気がしたんですが。これはいったい…
あ、ちなみに私東京人です。
投稿情報: yu | 2011-03-16 12:59
yu氏、
夜8時のニュースは見ると気が滅入るんでなるべく見ないようにしてます。france 2 のはたぶん報道内容をチェックする日本人、あるいは日本を知ってる人がいないんじゃないか、と思います。時間が経ってからの他の番組(ドキュメンタリーとか討論もの)では間違いが訂正されてたりします。
特に電力の80パーセントを原発がカバーしてるフランスでは、政府とアレヴァ等の情報とグリンピースが出す情報がかみ合ってない。来年の大統領選挙もあり政治的バイアスもかかってるし、カダフィから闇の政治献金を受けていたらしい大統領が、地震+津波+原発を大きく報道させて、注意をそらしたいというのもあるでしょう(大手メディアのほとんどが多かれ少なかれ政府からのオーダーで動いてます)。
ここいらの点も含めてあとでログ書きます。
なお、日本の原発依存度は確か14パーセント。でも東電がデーターを持ってるし、NHKの出す数字も???なことも多い。パニックを避けようとしてる意図はあるでしょう。米国メディアはセンセーショナルに過ぎるし。
大体大概のジャーナリスト(+大使館、外国企業)は東京から脱出したようです。
今日、私はNHKイングリッシュを見てました。
さっき電話したら実家は計画停電だったが普通に暮らしてると言ってました。病気の弟が入院中なので、動けないし。
浅草に住む友人の両親(爺ちゃんは84歳)は「これまで充分楽しんだから、もう何が起こってもいい。」といってるそうです。
投稿情報: 猫屋 | 2011-03-16 16:09
お返事くださってありがとうございます。
なんか日本風土が間接的クーデターをやらかしたのでしょうか?今や世界に日本人が散らばっていることもリスク分散ですね。
今回は被災しなかったかわりに離れていると情報戦の中で平静を保てるかということで自分が試されている感じもあります。
以前、仕事の関係でしばしば渡仏しましたが、しばらくゆかないうちにフランスも大分変わってきたみたいですね。
神戸の震災の翌年ぐらいにカレーに行きましたが、日本人に会ったのはトンネルの時以来と云われてびっくりしたことを覚えてます。(あの時は日本で地震があったことも知られてなかったし…。)
現在、中東話とか日本ではすっとんでしまって、そちらの情報とかも絡めたお話、猫屋さんに期待しておりますのでよろしくお願いいたします。
猫屋さんにはフランス猫をいずれ観光に誘って頂けるよう、こちらの猫店も自分にできることをがんばります。
投稿情報: 神戸の猫店 | 2011-03-16 16:14
神戸の猫店氏、
こっちと、日本と英国と米国の報道を追っていたらどこでもかなり矛盾したデータが交差しており、まとめるのも情報源へのリンク付けるのも時間的にかなり難しい。あしたはプライベートな会議が一件入ってるし、ひとまず興味深い情報へのリンク集をあした午後にでもあげるつもりです。
フランスでは原発とエネルギー全体、それから日本地震で揺れ動く国際経済問題についても議論が始まった。
今回の日本の不幸に機を発して、世界レベルで討論され、これからの世界がよりよいもののなることを願ってやみません。
投稿情報: 猫屋 | 2011-03-17 01:52