大きな論争の的となった、格別危険な犯罪者に対する「安全のための禁固(rétention du
sûreté)」法制定に関し、憲法委員会は2月21日木曜日、バランスの取れた判断を下したと自己評価するのであろう。実際のところ、委員会は法の主要部分を有効だと認めた:将来、極めて重大である犯罪(強姦・ペドフィリア・未成年者殺害)を犯し、少なくとも禁固15年の刑を言い渡された、そして高い再犯可能性を持つものは、安全センターつまり言い換えれば病院-監獄に、更新がつねに可能な期間禁固されうる。
それに反し、議会討議では最後まであらゆる手段をもちいて政府が守り通したこの法令について、憲法委員会はその即時あるいは過去に翻った実施について厳しい枠つけを課した。委員会は、安全留置は法の発令以前に判決を受けたもの、あるいは発令以前に犯された犯罪に関しては適用されないという原則を付け加えた。言い換えれば、具体的に当措置は15年間の間実施されないことになる。しかし例外がひとつある:安全の監視(sous surveillance
de sûreté ;電子ブレスレット、あるいは注射による投薬治療など)と、それらの義務を順守しないものだ。
Il est difficile
même quand on est président de ne pas répondre à une
insulte, j'ai sans doute les défauts de
mes qualités. Ce n'est pas parce qu'on est le président
qu'on devient quelqu'un sur lequel on
peut s'essuyer les pieds. Cela étant, j'aurais mieux fait
de ne pas lui répondre.
Hyperactif, c'est mon devoir pour réveiller
un pays qui sommeillait. Je ne porte pas de jugement
critique sur ce qu'ont fait, ou pas, les
autres. Hyperactif, je le dois à la France parce que, si
le président ne s'engage pas, ça ne
bouge pas. ..
ただ問題なのは、大統領回答の太字部分は、昨日夕方エリゼ宮の要請で付け加えられた、とパリジャン編集長が証言しています。つまりパリジャンの記事タイトルって、単なるエリゼ宮の意見であって、仏共和国大統領が“反省”したわけでもなんでもない、というオソマツ(あ、書き忘れましたが当エントリー・タイトルの mea culpa とは反省という意味でございます)。
ドイツ語です/ Die Welt: "Dann hau doch ab, Du armseliger Dummkopf" ("Alors tire-toi, misérable crétin !"), Spiegel: "Dann hau'doch ab, du Idiot Tagesspiegel: "Dann hau doch ab, du Blödmann" (Blödmann, connard). また読者のひとりは"Hau doch ab, du Arsch!"を提案。
なお、コメント欄でも多数の翻訳例があるわけですが、アルザス地方では: scherr'di weg, du arschloch であるとか、アスホールのスペリングが英国と米国とではちがうんだとか、con の英語版は意味合いが強すぎて使えないとか、知らなかった"Beat it, punk !" とか、デイリー・メール版は"Drop dead, you little cretin"だったとか、アラブ語では"maboul"、モロッコ版では"Tkaoud alhmar !"だとか、bloody ってのがマリア様に関連するとか、ふむ、勉強になるなあ。
日本在住のAlexandre+L氏は、日本人はたいへん育ちがいいので過激な訳文が見当たらないとしながら、 sassa to doké yo, kono bakayarô ! と訳しておりました。
なおヌイイ語での大統領発言翻訳は "Veuillez, Mon Cher Martinon, laisser votre place... rapidement, très rapidement" だそうであります。
サルコジ・サポーターサイドは、サルコは屈辱的言いがかりに答えただけだ、とか対応してますが、サルコジの乗ってる車にヨーグルトの小パック投げて懲役4ヶ月執行猶予つきとか、"Sarkozy, va n... ta mère !" と罵倒して懲役1ヶ月とか、しっかり罰せられてる仏国民はいるわけだし、他方、大統領のお言葉としては何ともはや、、、、ああ馬鹿馬鹿しくも情けない。
21日の夜は、出演者のひとりであるジャーナリストのアパティが自己ブログなどで非難した、2月14日の呼びかけ企画人、ジャン-フランソワ・カンを番組にゲストとして呼んだ。Droit de réponse、つまり批判に“答える権利”を与えるはずだった。
ところが、結局のところ番組の流れはアパティと他の司会者計4人によるのJFK(カンのことね)個人批判、それに対するJFKの応酬になってしまったわけ。このジャン-フランソワ・カン、ジャーナリストというよりも論争家と呼びたくなりますが、今時でも反骨精神をしっかり温存しておる貴重な存在であって、反権力風を装って去年あたりから人気が出たアパティおじさんと比べてはいけない(とは仏メディアウォッチャーの猫屋の意見でがす)。なお、問題の番組はマリアンヌの記事 Le Grand Journal de Canal+ polémique avec JFK で見られる。 * アタクシは決して共和国主義者じゃないけど、異なった思想・世界観を持つ人々が共生するための“共和制”というのは、基礎としてありだろうと思うし、
直接選挙民主制がなんでも解決する魔法の政治形態でもなんでもない以上、間違い・手違いは起こりうるわけで、起こった場合はフィードバックして間違い・
手違いを直す機能があって当然だろう。三権分立も、議会による監査も機能しない場合には、デモや署名運動に訴えるのが筋でしょう。
Jean-Pierre Azéma;historien
Jean-Luc Barré;écrivain François Berléand;comédien
Philippe Besson;écrivain
Gérard Boulanger;avocat au barreau de Bordeaux et historien Régis Debray; écrivain
Vikash Dhorasoo,ancien footballeur
Marc Ferro;historien
Antoinette Fouques;Présidente de l'Alliance des femmes pour la démocratie Benoîte Groult;écrivain Eric Halphen;magistrat et écrivain
Catherine Kintzler;philosophe
Julia Kristeva;écrivaine et psychanalyste Jean-Pierre Le Goff;sociologue
Joaquin Masanet ;secrétaire général de l'Unsa Police
Jean Mauriac;journaliste et écrivain
Yannick Noah;chanteur et personnalité préférée des Français
Jean-Pierre Rioux;historien
Henry Rousso;historien
Philippe Sollers;écrivain
Benjamin Stora;historien
Lilian Thuram;footballeur et membre du Haut Conseil à l'intégration
Jacques Weber;comédien
症例2:メトロの広告(ラガルデール)自己検閲
右のクーリエの表紙上に見える、Vu de Madrid Sarkozy, ce grand malade つまり、“マドリッドから見ると:サルコジ、この大病人”というタイトルが、メトロに張り出されたポスターではあら不思議、消えてしまったという話。確かに、当雑誌を購入する人間に比べて、メトロの利用客数は比べようもなく多いわけだ。パリ・メトロの広告を扱うのは、Metrobusという会社で、知らなかったけど大株主はラガルデールなんだって。なお、ラガルデールは、クーリエの親会社でもあるル・モンド買収を諦めていないようである。桑原・桑原。
と、続けようと思ったんだけど、さすが憲法がひっかかる話なんでもうちょっと、一夜漬けの駄目押ししてから書くこととする。だって、“懲罰と監視”というタイトルのル・モンドの社説を訳そうか、とアタクシが考えてる間に、われらが大統領は憲法委員会の判断に不服であると、Cour de Cassation(破棄院、仏最高裁)に訴えたのだった。ゲッ、ホントかよ、な話です。