結局、第一回選挙での傾向、つまり左派の全面的勝利がより実体化した。例外は、第一回投票で決まったボルドーのジュペ;UMP、極小差ギリギリで第二回投票を勝利した、パリ5区の(最悪)チベリとかマルセイユのゴダン。
右→左に市長が変わった都市は、左のリベの図式のとおり。リヨン・トゥールーズ・ストラスブール・メス・アミアン・カンペール・カン・ランス・サンテティエンヌ・ヴァランス・ブルコンブレス・ベルジュラック・ペリグー・ナルボンヌ・ブロワ・ディエップetc.etc.
また、リルではオブリ・チームが66%を得る大勝利で、彼女が(ロワイヤル、ドラノエにつぐ)次回2012年社会党大統領候補になる可能性が出てきた。
あと、パリ近郊のオーベルビリエやモントルイユのように仏共産党から社会党や緑の党への移行もあるし、カレやアジャンみたいに左から右に移行したところもある。
しかし全体から言って、これはかなりの変化だよね。ポーの市長になりそこなったバイルーは『反対勢力の津波だ』といってた。付け加えれば、バイルーがアンチ・サルコの新しい中道を目指して創設した党・モデムの優柔不断性が、今回の選挙で再確認される結果になった。
サルコUMPの統治するフランス共和国での、地方自治体の多くが、左派つまり社会党とその他の左派勢力によって運営されることになる。特に、ボルドーとマルセイユを除く、大都市の多くが左派の市長および左派が過半数の市議会によって運営されるわけだ。ボルドー・マルセイユにしても、議会内反対勢力を無視しては市政を進められないだろう。
まずはヨーロッパ議会が決定する欧州政治方向性があって、次に仏中央政府ではなく、地方自治体の自立性をより尊重する(つまりフランス伝統の中央集権制を変えていく)のであれば、今回の選挙結果は、単なる地域性を越えた重要性を持ってくるだろう。
しかし今夜のTVでの選挙後特別番組を見ていて、かなり失望した(期待はしてなかったんだけど、それでも、ね)。
フォヨン・コペ・ぺクレス・ベルトロン・モラン・バシュローなどのサルコ派遣社員たちが声をそろえて、
・これは地方選挙で中央政治とは一切関係ない=この選挙は反サルコの意味なし=サルコ悪くない
・単に、パワーバランスが逆に動いただけだし、全体投票率低すぎ=サルコ正しい
・現内閣から14名がこの市町選で選ばれている=現内閣政治への信頼票=この選挙結果を踏まえUMP政権はさらに大幅な改革を推し進める=内閣改造なし・方向性なし改革をそのまま駆け抜け続行=変えるのはサルコのサングラスと腕時計と(たぶん)メディア露出度だけ
・真の大問題は社会党の内部分裂と政策のなさである=サルコジ一番
・フランスの失業・給与・教育・国家赤字・給与・社会問題すべて改革してからサルコジ政治の是非がわかる=サルコジ一世が君臨する5年間はサルコジ批判厳禁=サルコジ万歳、、、、、と言ってたわけだ。
病膏肓UMP。
さて、この後のサルコジの可能性だが。
1.シラク化。つまり過激に座敷牢入りか、あるいは外交だけに活動分野限定。
2.加速化。そしたら保守内部あるいは経営者サイドからクレームかかってサルコ下ろされる可能性アリ。もしくは、68年5月のような大幅な社会運動展開があって、サルコは国民投票を実行し、結果国民の信任を得られず辞職。
3.レイディ・カルラの内政介入後、サルコのリボーン(アボーン)が実現、フランス共和国はブッシュ密着コピペ政策から進路を大幅に変更し、21世紀治世経済大変動期をその画期的社会政策で生き延びたのであった。
ま、オプション3は冗談としても、1および2、あるいはそれらの派生が実現性あり、と思います。UMP内部で(例;バルカニvsドヴェジオンとか)の分裂も表面化するだろうね。オルトフーの進める“違法”移民追放作戦と、ダティの仏司法大幅変革作戦への反対の声も高くて飽和状態だし、もしも現政権がこれまで通りの強硬移民・司法政策を続けたなら、デモなどによる社会運動の広がりがあるだろう。
ブザンスノ(極左)は、学生・バンリュウ青少年・若年層ワーキングプアたちno future 世代が、失業・雇用不安定・社会/福祉/教育制度解体に反対し、この春(68年5月40周年)街に繰り出すだろうと予告。
今年になってサルコが突然展開したフランス・テレヴィジョンからCMなくす政策も、実は昨年11月にTF1の持ち主ブイグから政府にその要請があったから、だそうだ。あと法曹関係では、協議離婚は裁判所ではなく、ノテール(公認会計士)が担当すべしという意見も、法務省が依頼したコスト・キラー専門(とっても高額)コンサルタント会社の 提案だそうだ。
サルコジを野放しにしたら、それこそ米国コピペで刑務所まで民営化するだろう。このままマッケインが米大統領に選ばれたら、サルコはイケイケ・マッケインにくっついてイランを攻撃しかねない。ブッシュを巡る(倒産しかけの)カーライルやハリバートン等の軍産取り巻きと同じで、サルコを、ダッソ・ブイグ・ラガルデールのEAD etc.etc.の軍産メディアチームが取り巻いている。
この二週間ほど、選挙への悪影響を恐れたニコラ・サルコジは、サルビス・ミニマムつまりなるべく動かない作戦をとって、選挙結果では左派の領分が拡大、われわれ市民はちょっと息を吹き返したわけ。
でもこれからが、本当の勝負であるよ。なぜならサルコジの本性・本質は絶対変わらないからだ。
付け加えると、今回選ばれた大型都市・県の大議員によるセナ(元老院)の1/3の入れ替え選挙が9月にあるんだけど、今は保守連合がどうにか過半数を占めているセナが左に傾く可能性が高いわけ。これはおおきい。変な法改革はここでストップできるかも。
なお、アタクシのすんでるところでは、モデムがリスト引き下げず第二投票でもUMP・左派連合・モデムの三者戦で、結果UPMのカチでした(涙)。これで、またしても土建屋さんと密着利権年寄りより自治が始まって、地方税また上がるんだよ。。ああ、モデム!
どこの番組でも、UMPの方々がこれは、負けじゃないとか地方選挙だから重大ではないとおっしゃっている中、ただ1人ラファランだけが、「UMPの諸君に真実の右派を極めるために、正しく結果をみつめてほしい。」といった。
そのなかでも、ラマちゃんがやぶれたコロンブでは、破れた右派が、ラカイ(屑)が選んだラカイ市長でうまく行くはずはないと、インタビューに答えていたのにはビックリした。
この言動は、さすが親分ゆずり?である。
これから、少しでも何かがうまく行けば良いけど、、、。フィヨン&猿子は,結果が遅いならもっとスピードをかける!とか言っているけど、なんか怖いものがありますよね。
とにかく、ブラボー ラ ローズ!
投稿情報: k | 2008-03-17 10:44