実を言うと、結局、ロワイヤル・バイルー対談もまだ半分ちょっとしか見てないんで、正確なコメントは控えます。全部見た。(後記:たとえばロワイヤルがフランス国旗に関する発言について述べているが、この流れは知りませんでした。)
第一印象から書けばこれは同盟共同宣言ではなく、憲法改正、つまり第五共和制での大領権限限定とか議会や司法・メディア等監査システムの一党による管理廃止、欧州憲法批准国民投票のやり直し、社会政策、教育問題重視とかの国家基本概念など2者が賛同できる政策、および相違点の提示だ。また相違点は、労働・経済政策など。
最初から最後まで、参加しているジャーナリストも含めフランスの政治討論にしては和やかな雰囲気で、論じている途中のセゴのグラスにバイルーが水を注いでいたり、ジャーナリストが「新しい家(エリゼ大統領宮)新しい党、ソシアル・デモクラットでのコハビタション(同棲)は可能でしょうか?」という質問に、バイルーが「それはご勘弁!(意訳なり)」と発言、セゴは「フランソワ(バイル)というファーストネームにしても、そればかりは、ねえ。。(実の亭主はいわずと知れたフランソワ・オロンド)」と応答し場内大爆笑だったり。(追記:もう一回ヴィデオ見てから訂正いたしました。なおこの発言は対談 最後近く、国旗話のあとです。)
結局、大統領選後に控える総選挙が頭にあるバイルーが、現時点ではバイルー相手にケンカ売れないセゴ姐さんをセンターに若干ひぱった、という感じか。このごろの(三白眼プラス斜視気味の、必死だなstoned )サルコ怒鳴りぶりに嫌でも付き合わされて疲れたアタクシですが、この対談にはいい印象を持ったわけだ。
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さて、ロワイヤル・バイルーに共通する概念があるとしたら、それはヒューマニズムだろう。これはサルコジの掲げる仏政治経済のリベラル化、つまりアングロ・サクソン諸国政策に近い、強いものが必ず勝利するはずの自由競争がベースとなる社会発想に対立する。
小さな国家を目指したイギリス・米国・日本の現状(社会制度・経済バブル)を見ても、そのメソッドが一般国民の利益とイコールだとは、少なくとも世界情勢に(チラッとだけですが)目を通してるアタクシには真実だとは思えない。
サルコジ支援の、小金持ちと大金持ち年長者とその子弟・個人タクシー業さんとか・ジョニー・アリデー、ジャン-マリ・ビガールやクリスチャン・クラビエのファン皆様が、フランス以外で何が起きているかをご存知なのか、、、とにもかくにも、アタクシにはサルコ支持率(26・27日に行われたアンケート調査結果52パーセント)高スコアが理解できないわけだ。
ロワイヤル・バイルーの対談をちゃんと見たサルコジ支持者は多いのだろうか?
対話の雰囲気や、今までの集会での原稿読み・まじめの塊ではなく、リラックスしつつ貫禄の出てきたセゴレンヌ・ロワイヤルの姿を、残念ながら(tntやサテライト・ケーブルのない)多くの国民には見ることができなかったわけですね。いまさらながらサルコジのメディア圧力は強いんだと、再度確認した。なお第一回選挙で圧倒的にサルコに投票したのは、もちろんヌイイとパリ16区だよ。ところでセゴのスーツはやはりPAULE KA だったです。
あとは、今日日曜なんで新聞もなしウェブでも記事は見当たらない。あ、france3でオクラントのフランス・ヨーロッパ・エクスプレスが始まる。
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というわけでTV見てたら、夜中の一時になっちゃったですが、なかなか面白かった。タイトルも大統領選挙:第二回投票対決 でありまして、UMP と社会党両サイドから三名の代表が討論するというもの。
サルコジのスポークスマン、コペ(ウチでの呼び名はピノキオ・コッペ)とエリザベス・ギグ女史(元法務相)出てたけど、セゴ・チームの若手エコノミスト Thomas Piketty がなかなかよい。マクロ・エコノミーや経済統計の話を交えまがら、なんとも凄いスピードで理論展開する。NS・SG 両サイドの発言時間は同等という条件下、短時間に中身たっぷり自動小銃型。さすがのピノキオ・コッペも負けてたし、NSの経済担当おじさんはオールド・エコノミーの権化で聞いてると眠くなった。
と、そんなわけで夜は更けていくのですが今日の報告事項としては、
NS がベルシーで最後のパリ選挙大集会やった:ゲストはデヴィッド・ドゥイエ(剣道家)、ヴィーランク(ドープで有名になった自転車の人)、当然(本当の国籍が分からない)ジョニー・アリデー、クラヴィエ(アステリックス)、ジョン-マリ・ヴィガール(コメディアン、下着姿がトレードマーク)とかだそう。当然ド・ヴィルパンとかジュペも。あーあ。
SG は休日5月1日(ルペンがジャンヌ・ダルク像に巡礼する日)に最後の大集会。俳優リシャール・ベーリングやルノーをはじめ多くの歌手も参加、コンサートあり。ちょっと行きたい。
なお、ロヤイヤル支持には世界人権擁護リーグが名をあげた。(将来の内閣スタッフ)経済学者としては上にあげたピケティのほかにもダニエル・コーエン/ Daniel Cohen、ドミニック・メダ/ Dominique Méda とかいるし、社会学者のピエール・ロザンヴァイヨン/ Pierre Rosanvallon もいる。DSKを首相として、これらメンバーが、ポリテクからENAという学歴で政治に入ったロワイヤルのサイエンス・ソシアル担当となれば、これは悪くないと思う。
ただね、上にも書きましたが、実際に投票する人々が、丹念に新聞読んでるわけじゃないし、夜中の一時まで政治討論TVで見てるわけじゃない。。。
なお、フランス2007年フランス大統領選の関が原、TVでのニコラ・サウコジとセゴレンヌ・ロワイヤルの討論は5月2日水曜日であります。
しかし、M6 のヌーヴェルスターもあるんだよねえ。押入れにしまいこんであるもう一台のTVも出してくることにしよう。しかし、もと在仏アンチ・サルコジNo1の fenestrae 氏、どこで何してるんですか?セイゴレンヌ危うし、ご連絡乞う:グーグル・ニュースでロワイヤルのトピック検索すると変な記事しか出てきません。UMPはネット要員にも金かけてるけど、セゴんとこのネット担当は息子のトマ君ですよお。