「ブッシュの無関心と、疑いへの明らかな鈍感さは、TVで彼を見たり聞いたりする人々には、しばしば信念の強さの証明として受け取られ、その話し振りの単純さから、実際には逆であるのに、しばしば彼が複雑な問題の核心をついていると受け止められている。」
以上は、もちろん仏語からの勝手訳なので精密性には欠けますが、アル・ゴアが著書 The Assault on Reason 内で書いてる文章です。
*
これはどこで読んだのだか忘れましたが、immature とは、すべてを同時に今すぐほしがる、その態度自体であって、逆に言えば成熟(大人)というのは、すべてを同時に即時手に入れることはできないのだと理解することなのだ、という。
考えてみれば、今の21世紀の消費文化社会におけるクレド、いってみればキーワードはまさに、すべてを・同時に・即時に、なわけで、もっとも理想的な消費者は成熟していないアド、つまり子供なんだよね。
おまけに子供っていうのは極めて保守的な存在だから、“みんな”と同じじゃなきゃいやなんだ。ちょっと個性的に“みんな”とおんなじでいたい。でも、もちろん年寄りのまねは嫌なんだから、ここはちょっと複雑になるんだけど。
**
ジャーナリストの個人ブログで、50歳ぐらいの学校の先生が教師であることの困難さについて語るってエントリーを読んだ。最後に、問題のあるひとりの子が、クラスで気を失って自分の席からすっとコンクリの床にアタマから倒れていくのを、先生が飛んでいって支えるって話が出てくるんだ。もちろんアタクシにはうまく要約できない。時間のある仏語読みのかたは読んでみてください。Heroes by G.Birenbaum ちなみに、彼のバカロレアについての文章もよかった。
結局のところ、政府は国家教育職務の17000人員カットを望んでいるようです。
フランスがフランスである存在理由のひとつが、この教育システムに(よい悪いは別としても)あるわけですけれど、グラン・ゼコルは別としても、大学への国家予算が少なく、多額が小・中・高校教育にあてられているのが現状です。現政権のプログラムでは、私学の開発と、エリート国立校という二本立て(+ベーシック・ミニマム・サービスとしての公立校)というシナリオに行きつくのでしょう。
***
フランス人口の1/3が退職者だ、という文章を読んでドキッとした。これに8パーセントを越える(とはいっても実質でいえばもっと高い)失業者がいるわけです。
****
思えば、フランスでもインターネットが次第に一般化した、あれは1990年台中頃、初めてのYahooポータルを使ってびっくりした記憶があるんだけど、あの時点で気がつくべきだったんだ。
歴史とか文学とかアートって項目がなくて、スポーツ・エンタテイメントetc.とあってエンタテイメントをクリックしてから「小説」とか「美術館」がゾロゾロ出てきてた気がする、、ヘンな気がした。あるいは自分では本を読んだり絵を見たりするのがエンタテイメント、って意識がなかったのかなあ。
でもドストエフスキーとかカフカとかって、やっぱりエンタテイメントなのかなあ。逆にいうと、花模様のついてる牛とかって現在美術はアートなんかなあ。ともエンタテイメントなのかなあ。ついてる値段を見るとビジネスって気もする。
まあようするにひとまずすべてはビジネスなのか。そう考えると一番簡単であるね。金という単一ヴァリュと、ビジネスという単一人間活動で世の中ができてると仮定すれば、管理はしやすいわけだ。仕事ない人間には居場所がないし。それだけだったら社会の気が狂う。
*****
なに書いてるんだかわからなくなってきたので、ここいらでおしまい。
翌日追記:アタマが複雑系になっちゃって書き忘れてたんですが、ことしの革命記念日7月14日に恒例のエリゼ宮ガーデン・パーティーはあっても、あの恒例大統領TV演説はなしだそうです。
まあスポーツはじめエンタメ界(とたぶんバンリュー系とか)を集めたさらにポピュというかピーポー化するだろうけど(ってコンコルド広場のフリー・コンサートと同か、、でも+左系がきっとオニュー)、同時にこの14・7にオスマン通りの大型商店やモノプリとかのスーパーが初めて開店営業します。これって前代未聞だ。革命記念日に働かせるなんて、こりゃ革命です。
たしか去年の14・7のシラクガーデンパーティーには、当時の内務大臣は欠席。そこからそんなに遠くない場所(やはりオープン・エア)で、シラク演説と同時多発で、サルコはジャーナリストあつめてインタヴューしてました。性格ですね。
「あいつはエナミーだ。エナミーは叩け」ときっちりプログラムされています。前首相ド・ヴィルパンが今、このサンバイカエシ・リヴェンチというトラップにひっかっかっている。クリアストリームという内容のないスキャンダルを、勝者となった今になってリヴェンチの材料にしてるわけ。しかし、速攻三倍返しリヴェンチよりこわいのは、冷たくなった皿型リヴェンチなのを知らんのかねアイツ。
またお邪魔します。10年ほど前からちょっと田舎の県庁所在地の外れに住んでいます。田舎で知った事、朝刊と夕刊が一緒になってる新聞があるという事。夕刊は文化欄など充実してた(過去形)ので取っているのですが、ここの販売所管内で夕刊を取っているのは5軒だけだそうです。一緒になってる版には▲印があってこの4月からそれが配達されるように。電話したらもうこちらに来るトラックには一緒版しか乗ってないそう。「でもないよう変わらないですよ」とのことで。そういえば2年くらい前から文化的なものが朝刊に移って行ってました。今の夕刊はコンサート、展覧会、お芝居などの情右方が多いけど‥…なんだかねえ
bacのテーマを見て、corrigéやら何やら読んで、あーこれは初歩の初歩だ、考える基本だって、新ためて思ったわけです。昔読んだ筑摩書房から出た哲学講義(フルキエの)の森有正の序文。フランスにはかなわないなーって思ったし、みんなで読んでたなあ。年がばれるし。
初心に返って読書したいと思います。
投稿情報: みみみ | 2007-07-07 10:25
ぼやきのようなコメントの上、変換ミスが‥…
投稿情報: みみみ | 2007-07-07 10:27
みみみ氏、いらしゃい。ここ、ぼやきの塊というか集合なんでありまして、気になさらないでください。かえってこのごろは、ぼやいてる中年寄り(ナカトシヨリ)のほうがとっぽどシックです。コンプレックスのない成金なんて、かわいくもないしエティックもないし、だいたい正しい貧乏人の迷惑です!
クソ難しいバカロレアと、ド根性のカナール・アンシェネをどこまでも擁護して行きたいですが、同時にやっぱり本を読みましょう。古典は安いし、ネットじゃただだったりするわけです。畑ヲタガヤセウ。
投稿情報: 猫屋 | 2007-07-07 12:00
かわいー、クマちゃんの絵。
革命記念日、大統領演説なしですかー! へぇー。
それは格式高い演説ができないから?
これまでは革命記念日、楽しみでTVの前に釘付けでしたが今年からは見る必要がありませんわ。
そして大型店、営業ですか。。わからない。。 日曜に開けるヴィトンは「アートなスペース」という言い訳をつけたようですが、革命記念日の営業はなにかあるのでしょうか。
国際通貨基金の専務理事にファビウスかストラスカーンを推薦するというのは、開かれた云々より、UMPって人がいないのね、って感想ですが。。
いや、5年後をみての策略かしらん。。
投稿情報: ねむりぐま | 2007-07-07 23:22
いいでしょ、クマちゃん。くまちゃん用に貼ってみました。
内緒ですが、作者の個展をパリでやってます。
http://www.galerie-martine-gossieaux.com/actu_expo.html
サルコの作戦は、
1.日曜祝日の営業を法律で可にする、
2.エレファントをえさで釣って、社会党をぶっ潰す、
なのでしょう。でもド・ヴィルパンには同情します。本来であれば米国大使でもやりながら文学を愛してるはずの人なんですが。
投稿情報: 猫屋 | 2007-07-07 23:37
追加ですが、
サルコは社会党スポークスマンのジュリアン・ドレイにも新内閣の内務大臣職を大統領選挙の結果直前に、電話で直接打診していたそうです。理由はumpにはZOZOしかいないんで頼みたい、だったそうで。。。
投稿情報: 猫屋 | 2007-07-07 23:40
ユーモアたっぷりの楽しそうな個展ですね~。8月にパリに行けたら寄ってみたい展覧会です。
ドヴィルパンさん、本当に気の毒です。。巻き添え状態。。
海外にいらした方がいいかもしれませんね。どこかのエリート校の教授とか。
サルコの社会党つぶしは大いに納得です。5年後の再選を狙ってるわけですものね。しかしZOZOって、UMPが聞いたら....シラを切りとおすのかしらん。。
バカンス、今月末にフィレンツェに行くことにしました。猫屋さんは来週南仏にいらっしゃるのですね。
そうそう、選挙はリヨンで投票予定ですが、自民党に投票しないこと「だけ」決定済みです。(その他全く不明)
投稿情報: ねむりぐま | 2007-07-08 23:46