ジョン-マリ・コロンバニの読者に当てたエディトリアルです。元来シロウトが訳せる文章ではないんですが、訳さないよりは訳したほうが、、翻訳修行になりまする。
読者のみなさんに宛てて、ジャン-マリ・コロンバニ
ル・モンド2007年5月24日その長い歴史において、攻撃されさらには消滅にもさらされた、あなた方の新聞ル・モンドが、再び危機に陥っている。これは痛ましいことです。
何が問題になっているのでしょうか? 私が1994年以来務める光栄をえたル・モンド社ディレクター職契約は6月末日に終わります。数週間にわたり、株主全体で契約更新の是非が協議されました。5月22日の総会では ジャーナリストの48,5 % が契約更新に賛成し、 46,7 % が反対、 4,8 % は無投票・白紙投票しました。前日の社員総会では、管理職の90,4 %、 67,6 % の一般社員が契約更新に賛成票を投じました。
先立って、Hubert Beuve-Méry アソシエーションとル・モンドグループ株主の多くが賛同したように、当グループに働く600人が私への支持を表明しました。これらの人々に、私は熱い感謝の念を述べたい。なぜなら、この5年間、フランスの新聞界全体を揺るがし、多くの関連職員が解雇に追いやった構造的危機に、ル・モンドも直面してきたからです。
この支援は、関連者全体が共に再建ストラテジーを予見しなければならないという、私の信念を強めるものです。ル・モンドが、これまでの試練を乗り越えてきたのは、このクオリティー・プレスグループがル・モンド紙の防衛線をなし、5年にして初めて発行数が上昇、グループ全体の経営内容もしだいに改善され、ウェブ版ル・モンドのオーディエンスも増加、仏ウェブ界でのトップの座をさらに強化した結果です。
結局のところ、ル・モンド編集部内投票がディレクター更新の流れを止めているわけです。会社規則によれば、候補者がディレクターとして選ばれるためには、ジャーナリストから60%以上の票を確保しなければならないと決められています。ル・モンドの運命はこの段階で、顧問幹部の手にゆだねられている。
個人的には承認しがたいものであっても、私はその判断と選択をを受け入れる意向です。私にはふたつの野心があります。これまでの30年間と同様にル・モンド紙のために働きたい。13年前、ディレクターとして選ばれた時と同じように、何が起ころうともル・モンドの独立性を守りたい。全メディアに圧力がのしかかる、この国の重要な時期に、抵抗するキャパシティこそが判断されるべきでしょう。それが生き延びるための必須義務なのです。
Jean-Marie Colombani
うーん、私はコロンバニ氏やルモンドのこれまでをよく知らないのですが、それにしてもここでも書かれているように「5年前から」新聞界全体をゆるがせて来た攻撃に抵抗して独立を守ってきたのがこれからどうなるのか心配です。
投稿情報: ねむりぐま | 2007-05-25 19:14
いや、難しいです。コロンバニ氏の政治的あるいは経営者としての立場の如何は別としても、ル・モンド自体の影響力が弱まることが心配です。編集が(昔の読者が期待するように)“反権力”的なものに立ち返ったとしても、時代の方がすでに変わってしまっているわけだし。
最終決定は6月4日のようですが、どうもコロンバニはポストを去るようです。
http://tempsreel.nouvelobs.com/actualites/medias/20070525.OBS8719/les_actionnaires_externes_enterinentleviction_de_jeanma.html
コンテキストは違いますが、民間・行政両方で、責任者の入れ替えがおおはばに行われているわけで、フィヨン内閣の政策案;スト権なし崩し、学区制廃止、雇用契約一本化、高額所得者優遇減税、企業からの国家資本撤回、移民法改正、刑法改正、などの実施にむけて駒が並べ替えられてる、という印象を持ちます。
ル・モンドをめぐる動向も、なにやらアXヒ新聞バッシングを思い出させないこともないわけで。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-26 11:23