ル・モンド社説を訳してみようかと思ってたのに、レッチリ・ヴィデオで気分はすっかりロックンロール。昨日、サンドニに近いパッサージュ・ブラディで安いインド飯(三種のカレー+バスマティ・ライス=5ユーロ)を食べてから、元気Y子ちゃんお勧めだった、この映画を観た。Wassup Rockers だ。LA郊外のゲットー、サウス・セントラルに住むヒップ・ホップ・ギャング・スタ系ブラック・ボーイズは、バギーをはかないヒスパノ・パンク・キッズをバカにして“What's up rockers ?” と彼らのアクセントで茶化すわけだ。
もともと写真家で、見てないけどKen Park (2003)という問題作を作った Larry Clark の2005年作品である。佳作。ティーン・エイジャーとsexとドラッグをトラックし続けるオジサンが作った映画なんだが、すべてを救っているのはあくまで軽い語り口と、パンク・ロック・スケボー少年達のエネルギー。
冒頭のインタヴュー画面は、可笑しいけど同時になにやら観客を居心地の悪い気分にもさせる。少年ジョナタンのドアップはほとんどフェティッシュ。オジサンがアブナイのか、ジョナタンが色っぽ過ぎるのか、、(多分両方)。キコ役のフランチスコもそうだけど、13-18歳ぐらいでやたら色っぽい子供は確かにいますね。Nobody knows の邦人少年もそうだったし。
映画前半はゲットー、サウスセントラルでの生活を描き、後半は少年達がもうひとつのゲットー、ビバリーヒルズに出かけるという設定になっている。荒いシナリオだけで、せりふもアドリヴが多いんだと思う。キコ(ヒスパノ)とニキ(swap)のベッド・シーン、って2人がベッドの上でたわいのない(ような)会話するだけなんだけど、結局若い連中には人種なんて関係ないのさ、という場面です 。なかなかキュート。トリュフォーとかエリック・ロメールとか、あるいは“理由なき反抗”とかも思い出すわけだ、年寄りとしては。
サウスセントラルのグループによるパンク・ロックをバックミュージックに、スケート・ボードを転がして、街を行く少年達の動きがとてもいいんだけれど、一緒に見に行った相棒によると、このジャンルではすでに伝説の Dogtown and Z-boys という映画があるんだそうだ。ふーん。
でも、公園で延々とジャンプの練習するシーンは本当に痛そうである。
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