シラク大統領、今夕20時CPE チャンス平等に関する法発布を宣言、でもなんだかよく分からん。記事をもうちょい読んでみよう。
LEMONDE.FR | 31.03.06
ジャック・シラク、チャンス平等に関わる法を発布(plomulguer)するが、変更を依頼
記事によると、仏大統領は
『私は法発布の決心をした。』
『しかし、最も議論の対象になっているこの法の2点に関する変更も政府に依頼する(近未来)。』
『2年の試験期間を1年にする。』
『契約解除の際、新法には若年者が解雇の原因を知る権利を記載する。』
『最後に、実践に当たっては、この変更内容の示されていないいかなる(雇用)契約も、サインされる事のないように政府への監視を依頼する。』
と9分にわたって宣言した。
なんだ、これはやはりワカラン。
pipooな、papuuである。私の理解ではPCEは本日20時を持って有効である契約法だが、これから行われる政府による書き換えまではサインできないわけだ。たとえば明日からピザの宅配を始める君は、闇で働くか、政府が書き換えをする間待つべきなのだろうか。デカルトの国の大統領でがしょ、この人。
追記訂正(4月1日):CPEを含む、機会の平等法公布への意志をシラクはTV表明したわけであり、従ってピザ宅配君はこれまでと同じ労働契約書にサインし、元気にバイクに飛び乗ったはずである。CPEの内容変更がどのように行われるのかは、はっきりした時点でフォローしたいと思います。だが、内容的には変更されてもCPE自体の全面撤回を求めていた人々にとってもこのスピーチはpipooというかアブダカダブラ的であったと思われ、非デカルト的という形容は該当するものと考えるわけであります。
では各面の反応を見てみよう。でも夕飯の後かな。ひどく眠いんですよね。コピペだけしておこう。
なおTVニュースのダイジェスト日付別はこのページで見られます。
L'opposition au CPE ne désarme pas
近頃だんだん凛々しくなってきてTVインタヴューでも余裕の高校生組合FIDL代表トリスタン・ルキエへのインタヴュー(音声のみ)
Tristan Rouquier, président de la FIDL : "Il faut écouter la jeunesse !"
あと、テレビで見たのはきょうの午後4時にバスティーユ広場で、あれはダイ・インシット・インのヴァリエーションですか、高校生・大学生達が路上に寝転んだりして交通を一時ストップ。あと先日テレビで紹介されてたたった一人の抵抗運動=ばあちゃんがボール紙に『アンチCPEはクラクション鳴らして』と書いたのを通りの角で掲げて立ってるアレ。それをパリでもやり始めてた。ぺリッフェリック(環状線)際の水仙を摘んでCRS(憲兵)にプレゼント作戦とか、リヨン駅の線路上に降りて列車を止めちゃうとか、いろいろ。
PCEに多かれ少なかれ反対する国民の比率は83パーセント。
シラクとド・ヴィルパンのポピュラリティも40パーセント以下に下がっているようです。なんだかなー。なお下のほうの写真はバスティーユ祭り。上のほうはフランスのリタイアの人。
追記:シラクがプロムルゲする法は、機会平等に関する法で問題のCPEはその一部と言うことなんですね。それを受け、このエントリーの一部訂正しました。後、プロミュルゲ解釈の間違いを訂正。
記事読んでませんが、TVちらっと見ました。いわゆる試用期間2年→1年、解雇の場合は理由を明確にすること、ですね。だいぶ譲歩したということですが、とりあえず記事読んでみます。
投稿情報: chaosmos | 2006-03-31 21:35
こんばんは。自分のところでYahoo!の記事を訳しておきましたが、僕の理解が正しければ、法律の公布自体は延期した上で(したがってCPEはまだ効力を生じない)、修正案を議会に提出するという運びになるようです。
あと、下の記事読ませていただきました。フランスの雇用の実情に照らすと、なるほど反対する側の心情もよくわかります。CPEが本当に若年層の雇用確保につながるのか怪しいという、政策の有効性についての疑問も、やはりあるのでしょうか。シラクの修正案で、反対派を納得させることができるでしょうか…。
投稿情報: dpi | 2006-03-31 22:44
さっき、dpi さんとこ回って読んできました、Yahoo!訳。なるほど。公布はしたんだけど延期になるのかな。plomulgerの動詞使ってますからね。まあ、これから法学者・法歴史学者の解説も出てくるでしょう。ここでは昔からの法律を使いまわしてますから、こういうのって面白い、というか。知人に憲法専門が一人いるんで、久しぶりに電話でもして見解も聞いてみようと思います。
仏経団連のパリゾ(マダム)も、CPEの年齢分けと試験採用期間2年は納得いかなかった、今回の変更はよい方向。といった見解を出してました。86年の大学法問題では下宿近くのとおりで学生がひとりポリスの警棒連打で死亡している。もう20年前のことだから、祭り状態でデモってる学生・高校生は知らないんだが、あの時点ではかなりなショックだったんですよ。マリック・ウーセキンヌ。意味合いは違うけど日本での樺美智子さんみたいに、この名前は人民の心に刻まれちゃってるわけだ。
今夜もまだ、通りで叫んでいる連中がいるらしいけど、ちと心配です。
投稿情報: 猫屋 | 2006-04-01 00:35
あ、dpi さん毎度専門訳感謝です。書くの忘れてました。なおこちらの夕食はチャーハンとムール貝の白ワイン蒸しにデザート苺でした。春ですね。
投稿情報: 猫屋 | 2006-04-01 00:43
chaosmos 氏のコメントにリプライも忘れてます。猛烈に眠いのであります。
もうここいらで手打ちにしたほうがいいかもしれない。でもシラクのディスクールはそのための譲歩姿勢を見せなかった点でまずい、非常にまずいと思います。だいたい第二期後半の大統領は任期が落ち込むんです。ド・ゴール、ミッテランしかり(まあブッシュもだが)、この人の二枚舌と言うか、政治スタイルはどうしても好きになれない。
今日はこのまま寝ます、素直に。まあそうゆー日もあるさ。
投稿情報: 猫屋 | 2006-04-01 01:03
なんかいいもの食ってますね、猫屋さん。
投稿情報: 天神茄子 | 2006-04-01 08:29
せっかく食材のいいフランスにいるんだもん。いいもん食わなきゃ。(昨日は安く収めたです、ムール+苺で6ユーロ内と思う)
投稿情報: 猫屋 | 2006-04-01 09:49
公布(promulgation)について一言だけ。法律の公布は、大統領が署名し、首相と主任大臣が副署した政令(デクレ)によって行うことが必要なので、演説でpromulguerすると発言しても、それは公布する意志を明らかにしただけであって、公布自体をしたわけではないと思われます。
投稿情報: dpi | 2006-04-01 14:00
dpi さん、ども。指摘ありがとうございます。←そのとおりなんです、私の理解が間違ってた。
今こっちのdroit public専門家の知人に電話していくつか質問してみました。まとめてみると、
1. 昨日のTVスピーチでシラクは該当《機会の平等》法の公布を決断意志を発表したわけであって、法が実際に公布されるのはシラクがサインした時点。
2. 憲法院の判断の後9日間内に大統領が公布か差し戻しを決めるというのは、
loit orgnique relative de dépôt à organisation de conseil constitutionnel (スペル等自信なし)にあるそうです。彼によると多分9条(これ確かじゃないです、メモ取らなかった)にあるはず、とのこと。
3. なお憲法院の判断は、憲法に沿ったと言う意味で院の性格上信頼のできるものだ、と言ってた。
あと、シラクのスピーチについては(ド・ヴィルパン擁護とサルコジ抑制を狙った)マキャベリックなものだが、現状からいって、その不明確さが逆効果をもたらした。来週火曜の運動が鍵になるだろう。また、運動の激化から起こる付随事件の可能性の責任は内相にある。。。と言ってた。(彼はカトリックの左派系)
これから買い物なので(冷蔵庫空っぽ)、その後関連エントリーに変更、あるいは追記を入れたいと思います。取り急ぎご連絡まで。
投稿情報: 猫屋 | 2006-04-01 16:43