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2005-12-01

コメント

fenestrae

お疲れさま。事実認識に徹した記事ですね。私は、初期のころ会話の中で「死人も出ていないのに車が燃やされたくらいでなにをがたがた...」というような発言でひんしゅくをかいました。若者たちの暴行で殺された人間がいるという情報でたしなめられながら。その後、前にtemjinusさんが訳してくれたトッドの文で少し意を強くしたのですが。重要なことは、機動隊と若者たちの直接な武装対決はみられないことだと思います。フランス騒乱史お得意のバリケードもない。組織的な略奪もなければ、やはり最初から組織的に人身を狙った行為もない。人の乗っているバスに対する放火があって(これも細部の解釈はいろいろ)、フィンケルクロートもグリュックスマンも、これをアポカリプスの図にしていますが、これも単発的なものです。学校が焼かれていますが、公権力を象徴する他の場所が狙われたわけではなく、コルシカの連中がロケット弾で税務署を狙うというようなものに比べれば、公権力に対する挑戦という意味合いは薄いです。それにしても、ヴィルパンの説明は、外国向けには騒動をミニマイズしようとしながら、それに対し非常事態を発令するというところで、一貫性という意味ではかなり苦しい。

猫屋

そうですね。本来、フランスでの(あるいは欧州での)犯罪率は高いんだが、今回のようにまとめて燃えるとそこだけ見てしまう。TVで誰かが言っていたけれど、実際どこかで隠されていいるだろうTNTとかカラシニコフは登場しなかったし、16区やヌイイに出てきてメルセデスも燃やさなかった。ある意味、かわいいもんです。愛情不足の子供が軽犯罪を起こして人の注意を引きたがるのと同じでしょう。これは16区の子供もやっていることです。ただ、その時点で大人、あるいは政府がきちっとした“愛情を含んだオーソリティ”を示せないと、子供はとんでもないところに行ってしまう。この点はサルコジには分からない部分です。

まあ、フィンケルクロートもグリュックスマンがやってるのも子供の愛情不足と同じようなものだ。個人主義の果て、と見ます。

fenestrae

>16区やヌイイに出てきてメルセデスも燃やさなかった
6,7年前東部ストラスブールの車焼き討ちが問題になったとき、確か車種の分析をした人がいて、やはり、一番被害にあったのはメルセデスなどの高級車ではなく、フィアット・パンダクラスだったとか...話してくれたのはシアンスポの学生で、やはり気後れして手が触れられないのだろうか?というような笑い話でしたが、標的は、自分の生活圏に属する財であり、生活圏外のもの(この場合メルセデス)には手が触れられない、というのは何か意味がありそうです。もっともそのシェーマが崩れるとすごいことになりますが。

猫屋

そんなようなことはネグリも書いてて、シテのドラッグディラーの高価な車はちゃんと車庫に入ってるから燃えないんだそうで。ネグリとジジェクの文章面白いです。

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