ル・モンドの心ある、というか時間ある読者が各界賢者の繰り広げるディベイトを必死に(は猫屋だけでしょうが)読み込んでいる間、フランスのUMP現政権はかなり強硬な各種法改正を進めています。今日のル・モンドだけでも、
・フランスの植民地政策を美化する方向性のある新法(2月23日制定)に対する社会党による撤廃案を却下。
Colonisation : l'Assemblée rejette la modification de la loi de février demandée par le PS
・議会は、対テロリスト法を可決
L'Assemblée a adopté le projet de loi antiterroriste
・これは国民議会ではなく元老院でですが、サルコジが2006年に25000人の不法滞在移民の国外追放を目標とするプロジェクトを発表。
Nicolas Sarkozy fixe un objectif de 25 000 immigrés en situation irrégulière expulsés en 2006
・月曜日28日サルコジは知事達の前でドラッグ犯罪とグループ犯罪に関しての取り締まり強化を発表
Violences en groupe et trafic de drogue : M. Sarkozy veut créer de nouvelles sanctions
そして同時にフランス国の財政赤字が2 000 milliards d'euros/2 000 000 000 000 eurosを越すらしい記事も(数字オンチの猫屋は500ユーロ以上になると日本式換算が出来ません)。
La dette de la France dépasserait les 2 000 milliards d'euros
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他のプレスも探せばもっと出てくるのかもしれません。私の印象としては、
☆郊外騒動の結果、ヴィルパン・サルコのタンデム政府への支持率が高まっている現在に世論の反応を待たず通りにくい法案やプロジェクトを可決、あるいは発表してしまう。派生として、2007年の大統領選に近くなっては人気に差し障るので、ゴタゴタにまぎれての今が吉日。(選挙前の大型財政赤字はあとになってから心配するのはフランスの常識)
☆シラク大統領の影響力低下から、大統領選でのシラク公約は無視できる。
☆おまけに第二党である社会党は内部お家騒動に忙しいのでこれも吉。
などなどの動機が考えられますね。気が滅入ります。
大いなる疲れに襲われます。脱力します。
外国人留学生への対処や滞在許可証の更新も厳しくなるのでしょう。これは過去に、パスクワが内務相に就任した折、学生だった私が極めて激しく体験した事象でもあります。
そういえば、サルコジはパスクワの選挙区を継いだお方であると思い至りました。あああ。
なおパスクワ元内務相は、アフリカを巡る汚職、オー・ド・セーヌ(92)をめぐるブイグ絡みの土建屋汚職、イラクでのFOODS FOR OIL汚職などにおいての立役者であったことを忘れてははいけません。
なお米国に眼をやると、これもまた悲惨だなあ、の《暗いニュースリンク》からクリップ
イラクの現状 デイリー・ブリーフィング
ル・モンドにも英ガーディアンを引いて元イラク首相イヤッド・アラウイの“サダム時代の方がましだった”、、という記事をアップしています。
《 "En Irac, c'est pire que du temps de Saddam", accuse Iyad Allaoui 》
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もう私は寝ます。あしたはまた別口の対アドミン立件が待っているのであります。
翌朝追加:猫屋がうだうだ愚痴書き続けていた間にfenestrae 師匠は今回の郊外騒動に関して意味あるコメント・エントリをアップしてました。翻訳コラボも戴いてます。ご参照ください。
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