周辺のかなり面倒な(小)問題、への具体的対処に取り掛かる。面倒くさい、が洗濯機内に忘れた3日前洗った洗濯物をどうするか、とおんなじ様なもんだ。クールに、正確に、ひとつずつ解決するしかない。法律というのも同じ。ほおって置くとあっちから逆襲される、かも知れない。専門は専門家に任せる。よい弁護士を見つけるってのも、これはこれでひと仕事だが。
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その流れで、この夏日本に帰ることになる。これが大変。ハイシーズン枠で料金が高くなるのは知っていたが、航空税が上がり、おまけに代理店手数料まで取るようになった。パリ-成田便は一年中満席でも夏場は料金高で案外空いてる筈。ハイシーズンというのは値段がハイなだけだ。軽く1000ユーロを越える見込み。おまけにTokyoは金がかかる都市である。国内移動の予定もあるし、と迷ったが法事もかねているので行かないという選択はなし。
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近頃のお商売は、原価は下げるが周辺機器というか周辺雑費で利潤をあげようとする原理であるようだ。“物/ブツ”は余っているのに、またネット販売とか売り方/買い方は簡素化されたと言うのに、実際は罠だらけでその罠を避けるための時間とパッションが要求される。便利だと言うことはなんと不便なことか。おまけに指定された電話番号は有料のぶったくり。答えるオペレーターはアフリカの中の人の場合が多いし。
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こちらの友人と電話で長話。“小説の終焉”と“政治の終焉”で盛り上がる。なぜ日本では女性ホモセクシャルのカミングアウトの話は少ないのか。彼によると日マンガにあるという。ふーん。現在形日本のことはフランス人のほうが詳しかったりする。(こっちの高校生がフランス語版のサムライマンガを読んでいて、剣心をケンチンと読んでいたりもする。これも内政干渉にあたるので、浦島太郎は言及を控える。)
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彼とEU憲法批准国民投票の話になる。結局、フランス人の憲法ボイコットは、やってくるだろう市場主義原理の波に逆らえないという絶望感の表明だろうということで意見が一致する。まあ、その前にラファラン政治への拒否反応というのもあるな。ラファランの国民投票OUI/認証を促すスピーチの一部を聞いたが、これはネガティヴ・キャンペーンとしか言いようがない。パテティック/悲壮ですらある。これが高じるとシニックに行き着く(日本みたいになっちゃうだよー)。
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サルコジは大統領にはなれないという点でも友人と意見があった。あれは単なる当て馬である。サルコの現奥さん/セシリアは、大昔の仏版大橋巨泉的人気テレビ司会者の若奥さんだった元タレントさんで、再婚組。と言うわけでもないだろうが、サルコジは国営TV、FR2を配下に組み込んだ模様。それを察してか、シラクは今度FR2の討論番組に出演、EU擁護をぶつ予定だそうだ。はは、そうでなくちゃ。政治はエンタテイメントである、は事実かもしれない。ただこのエンタテイメントはTVに限られた狭義のものではなく、古代から続く、祭り/祀り/政の持つエンタテイメント性なのである。ふふ。ただ、サルコに続くエンタテイナーが見当たらないのが本当の問題である、と友人とまた同意。困ったな。
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某仏石油会社は、石油・天然ガス枯渇後の自社延命をかけて、原子力開発に手を伸ばすらしい。ロジックであると言うべきか。オイル枯渇が現実となる頃には現在の社長も社員もすべて入れ替わっているだろうに、やはりそう来るのか。組織の問題。
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先週のアネクドット/小事件
某ハイパーマーケットのロゼ・ワイン売り場で2人の人の好さそうな御夫人から英語で尋ねられた。『どのワインがいいんでしょう?酸っぱくないのがいいんですけど。』聞けばセルビアの叔母ちゃんである。ほっぺたが赤くてスープ作りが上手そうな化粧気のない叔母ちゃん2人。一本2ユーロ/250円のワイン選びで迷っている。『今日みたいに暑い日は冷やして飲めばおいしいですよ』と答えると『バスに乗って来ていて3日の旅です。バスには冷蔵庫はないので、、』とワインはあきらめた様子。バスで寝泊りしているのだな。そういえば買い物籠も持っていなかった。ハイパーに観光に来てるわけだ。国には酸っぱいワインがあって困ってるのだろう。
次の日、所用があって某免税店に行く。家族旅行のシーズン。三世代旅行の一家が隣で雑談している。野良着と手ぬぐいが似合いそうなかわいいニッポン叔母ちゃんがもうひとりの叔母ちゃんに『ハンドバッグ買わんのか』と聞いている。聞かれた叔母ちゃんは『こないだ来た時6万円の買ったからもうええ。だいたい50万円で買ったのも使わなあかんしねえ。』 こちらは思わず50万円をユーロ換算してしまった。チーン。
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セルビアはもう戦争していないし、パリにも来られるようになった。よかったな。
日本は、どうなるんだろう。
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