おとといあたりからの気分は、ポランスキーの映画「ゴースト・ライター」で、自分が何物かに狙われていると知った独身ゴースト・ライター君が、やっとたどり着いた自分のアパートの冷蔵庫冷凍室にこれだけ入ってたウォッカボトル(ここでのカメラアングルは冷凍庫の内側から)を取り出し、グビリと飲む、あの感じです。
いつものように脱線しますと、あの映画のベースになってるのは(もうネタバレ時効だと思うし書くよ)、イラク戦争開始に何故当時の英国首相が関与したかという疑問に対する仮説であります(フィクションではこれができる)。その仮説とは、首相の奥さんが実はCIAエージェントだった、というもの。/以上脱線終わり。
で、アタクシの気分はウオッカ(ポーランド香草入りが希望)がぶ飲みして、36時間ぐらいは昏睡状態でいたいなあレベルでありますが、齢を重ね幾分か分別がついたアタクシはそんなことはいたしませんから御安心ください(というか、そんな無茶できる体力ない。ありゃせいぜい25歳ぐらいまで。
再度脱線してみると、革命起こせるのは参謀級でも30台半ばまで:ギロチンにかけられたときロベスピエール36歳、サンジュスト27歳。「何をなすべきか」を書いた時のレーニンは32歳。今起こってる北アフリカ・アラブ世界での蜂起も、エマニュエル・トッド風に言えば、人口の平均年齢が極めて若いことも要因のひとつでしょう。プチブル(懐かしい言葉であるね)年長者は自分の持っているものをあくまで保守しようとする。フランスでの極右の伸びは、この(選挙)人口の高齢化と深く結びついています。
と、前口上はこのぐらいにして、本題にはいりますが、今日も福島第1がメインになりそうです。
*
GMT15:30
昼過ぎNHKworld見てひっくり返った。これです
Extreme radiation detected at No.2 reactor
追ってこの情報は東電の読み間違いだったと報道がありましたが、最初の英文報道を記載します。
Tokyo Electric Power Company says it has detected radioactive materials 10-million-times normal levels in water at the No.2 reactor complex of the Fukushima Daiichi nuclear plant.
The plant operator, known as TEPCO, says it measured 2.9-billion becquerels of radiation per one cubic centimeter of water from the basement of the turbine building attached to the Number 2 reactor.
The level of contamination is about 1,000 times that of the leaked water already found in the basements of the Number 1 and 3 reactor turbine buildings.
The company says the latest reading is 10-million times the usual radioactivity of water circulating within a normally operating reactor.
TEPCO says the radioactive materials include 2.9-billion becquerels of iodine-134, 13-million becquerels of iodine-131, and 2.3-million becquerels each for cesium 134 and 137.
These substances are emitted during nuclear fission inside a reactor core.
The company says the extremely contaminated water may stem from damaged fuel in the reactor, and are trying to determine how the leakage occurred.
University of Tokyo graduate school professor Naoto Sekimura says the leak may come from the suppression chamber of the Number 2 reactor, which is known to be damaged. The chamber is designed to contain overflows of radioactive substances from the reactor.Sunday, March 27, 2011 13:44 +0900 (JST)
この東電発表を伝えた報道:たとえば日経13時27分。2号機の水たまり、高い放射線量 1000ミリシーベルト以上、健康被害の目安の100倍 ← NHKworld報道では、この数値は通常の原発システムで循環する水の千万倍の放射線と書いてますが、日経では健康被害の目安(ってなんだ?)の100倍と発表してます。
なお、同じ日経(20:57)の記事です。2号機の水の放射性物質「測定値の評価に誤り」 東電
福島第1原発 再調査・分析へ
その後、いつものように東電幹部が「あれは計り方間違えた」と頭下げてオワリらしいですが、なんだあれ?
アサヒ同日23時:2号機汚染水、15分で被曝上限 放射能大量流出の恐れ
NHKworldの誤報関連記事+ヴィデオは:TEPCO retracts radioactivity test result
また、フリー・ジャーナリスト岩上安身さんが引き続く東電の記者会見ヴィデオをアップしてます。
*
前回の記事でリンク貼りましたが、IRSN; Institut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire の日本原発情報関連ページです。この団体は日本での原子力安全・保安院にあたるのかと思いますが、日本の保安院が経済産業省枠内にあるのに対し、仏IRSN は防衛省、産業省、環境省、研究と健康と発展省(なんてのがあるのね)などに関連し、EDF(仏電気会社)とデータを共有、ASN/Autorité de sûreté nucléaire ともコラボしているそうです。なおIRSNで働く人の数は1750人だそうで、そのうち研究者・技術者・医師・獣医など専門家も多い。これはCNRSやINSERMなどの研究団体と同じ、Établissement public à caractère scientifique et technologique というカテゴリーに入る。
このIRSN、日本の原発事故に関する報告は、当機関が集めたデータをもとに、このところ連日出している。最新は26日(仏語PDF)。
このページ上に、世界各地の放射能マップってのがあります。東京上の青マルをクリックすると東京にあるIRSN観測数値が出る。。→Surveillance de la radioactivité de l'air à Tokyo (Japon)
こちらは、英語と日本語に訳された記事リスト:Earthquake and nuclear crisis in Japan
IRSN ディレクターからの日本国民と日本の核研究者へのメッセージ。
« To Japanese people and our Japanese colleagues : IRSN collaborators are very concerned with the seriousness of these events and work to help you understand the phenomena. We do hope you and your family are well and that people of Japan keep strength to overcome these difficult times. »
Jacques Repussard, Director General
**
今日はフランス地方議員(カントナル)2次選挙が行われました。結果は、投票率(白票含まず)は約47パーセントと低かったですが、社会党が36パーセント、UMP19パーセント、マリンヌ・ペンが引き継いだフロンナショナルは10パーという数字が今のところ出ています(確定数字は明日朝にでるでしょう)。追記仏時間午前1時:左派が49.9パー(うち社会党36.2)、右派35.87(うちUMP約20)、FN11.56 という数字が出てました(itele)。不投票率は55.03とか。。。
またドイツのBade-Wurtembergでも選挙が行われました。この地域はフォルクスワーゲン(ベンツ)やジーメンスなどの独大企業の生産拠点でもあります。結果は緑の党Grünenが伸び25パーセント、SPD23.5パーセント、メルケル率いるCDUは38パーセントだったらしい。以上はTVのARDのデータを基に書かれたル・モンドから:Allemagne : percée des Verts et défaite historique de la CDU dans son propre fief
昨日行われたアンチ原発デモに見られるように、福島第1事故はドイツの地方選挙にまで影響を及ぼした。右の画像は反核団体のプラカード。
これは毎日27日報道:ドイツ:緑の党初の州首相誕生か 選挙に原発事故追い風
日経28日記事:独で反原発の「緑の党」躍進 重要州議選、与党敗北濃厚
***
さて、福島第1関連に戻ります。GMT21:30
これはアサヒ系法と経済ジャーナルというのに掲載されていた奥山俊宏さんの27日記事(26日の東電副社長への記者会見の模様もルポしています):福島第一原発40周年迎える 海水に濃い放射能はどこから?
これはアサヒの最新28日01:01の記事:2号機汚染水、15分で被曝上限 放射能大量流出の恐れ
自衛隊による27日朝のヘリコプターからの映像です:平成23年3月27日 福島第1原発状況(空撮) パイロット腰の下に鉛板しいてるのかなあ(チェルノビルではそうだった)。アタクシが想像してたより破壊規模はさらに大きい。
これは読売27日21:15:福島原発周辺住民の放射線量緩和を…ICRP
こっちはTNFUK氏(ヘッロー!)のとこから借りてきたリンクです。サンケイによる東日本大震災パノラマ石巻市立大川小学校
毎日28日02:30は、東日本大震災:天皇、皇后両陛下 都内避難所を30日訪問 ←WW2終了直後を思い出します(嘘;ワレ生まれてなかったし)。
こちらは日経掲載のFT記事日本語版25日もの:[FT]それでも東電は生き残る 破綻・国有化の可能性低い ←とネオリベ紙は語ったというお話。
まあ、BPのメキシコ湾油田流出事故のときにも言われてましたが、プラントを国有化して国が直接事故対策を管理運営する、というのは基本的にはいい考えなんだけど、実際にはエネルギー(石油・天然ガス・核etc.)事業というのは、多くの国と企業・金融業が複雑に絡み合って出来上がっている。株主のことも忘れてはいけない。おまけに、賠償問題が起こったとき国有化した場合はこれも国が保障する羽目になる(税金)。これは、リーマン・ブラッズ破綻時の“ビジネス・モデル”とも似通ってくる、複雑系な問題です。
猫屋的には、外部独立機関(必ずしも日本でなくてもいい)が東電所有データを監査(audit)するってのが一番いいかと思う。
これはブルンバーグ日本版27日記事:福島第一原発:プルトニウムによる土壌汚染調査急ぐ-枝野官房長官 ←3号炉はかのボトックス、じゃなかったMOXを使ってます。アレヴァが供給した廃棄プルトニウムがウラニウムに混ぜてある。プルトは重いのでガス状になって飛んでいかないが、放射能災害的にはウランの2倍の威力だと、どこかで聞いたです。調べてみる。参考:wiki jp のMOX燃料
***
と、今夜はここでおしまい:あしたの朝は7時おきであります。また追加することになりそうだが、しかし、懸案リビア・イエメン・シリア情報、今日も集める暇なかったです。
では、
と、寝ようとしたんだけど久しぶりに巡回したZeroHedge でこんなヴィデオにぶつかった。気仙沼の津波:凄すぎる。人がいるんだし、ひどすぎ。アポカリプスとしか形容の仕様がない。水泳やってるから分かるけど、マスとしての水ってのは本当に重たいんだ。コンクリークなんかよりずっと重い。
***
28日GMT11:30
micro sievert ←いくつかの都市の放射能値(3月27日)を見えるものと想定して映像にしています(せっこさん、サンキュです)。
いつものアジア圏地震発生リスト; Earthquake List for Map of Asia Region
2ch系で菅谷(すげのや)さん3月22日会見報告、:チェルノブイリで5年半医療従事経験を持つ松本市長 菅谷昭氏「政府はきちんと内部被爆のことを伝えるべき」
ル・モンド記事です:"La catastrophe actuelle a été provoquée par l'imprudence des hommes" フィリップ・ポンスが、原発開発に反対していた元福島知事佐藤 栄佐久さんにインタヴューしています。
アサヒ28日19:26記事:2号機建屋の外から1千ミリシーベルト 圧力容器損傷か
以下はNHKworld 記事
More radioactive substances found in seawater
More high levels of radioactive material have been found in seawater near the troubled Fukushima Daiichi nuclear power plant.
Tokyo Electric Power Company says samples collected 30 meters from one of the plant's water outlets on Sunday contained 46 becquerels per cubic centimeter of iodine-131. That's 1,150 times higher than the regulated standard level.
On Friday and Saturday, water samples collected 330 meters south of another outlet showed levels of iodine-131 that were higher than 1,000 times the standard level. However, on Sunday the levels had dropped to 250 times the standard level.
The government's nuclear safety agency says radioactive materials may have leaked from the plant and drifted with the current from south to north.
TEPCO is struggling to remove highly radioactive water from the turbine buildings of 3 reactors before work to restore their cooling systems can begin.
On Tuesday, the company intends to pump fresh water, instead of sea water, into spent fuel storage pools of 2 reactors.
Fresh water was pumped into the reactors by Saturday, to prevent the salt water from corroding the cooling system.
Radioactive levels in the air are decreasing at most observation points in the surrounding areas on Monday.
The reading in Fukushima City, 65 kilometers northwest of the nuclear power plant, was 3.84 microsieverts per hour at 1 AM.
The annual total limit of radiation exposure considered safe for humans is 1,000 microsieverts based on standards set by the International Commission on Radiological Protection.Monday, March 28, 2011 14:26 +0900 (JST)
****
3月28日のCNIC NEWS ←長さは1時間半弱、未編集(会見開始は13分30秒あたりから)。後藤さんと柴田さんレクチャー。
以降は別ログに書きます。
コメント