続きです
ところで、アルジャジーラは、日本政府は福島第一原発に砂とセメント投下を検討中と報道している。Boron を砂とかに混ぜて使用のことかも。ストレートタイムス(シンガポール):France rushes 95 tonnes of boron to Japan
また仏TV(BFM)は、日本政府は福島第1原発の炉をサルコファージュ(棺)で覆う計画を立てていると報道してる。
さっき、NHKworlde は原子力保安院は、福島第一原発事故の規模を4から5に上げると発表し た時、理由のひとつはfuel(燃料)の約3パーセントがメルトしたからとジャーナリストは言ってたと記憶する。どうも明確じゃない。米国やフランスでは MELT DAWN がもう起こってる、冷却プールに水はカラと報道含む多くの人に理解されていてパニクッってる。それで今読んだNYTでは日本の対応は遅すぎで的外れでアカンっ てな記事が出てる。よう分からん。メルトダウンって、溶解なのですか?それとも臨界ってやつですか?NYT:Frantic Repairs Go On at Plant as Japan Raises Severity of Crisis ←(猫屋の2チャンネル風味つっこみ:だったらミニニュック落とすとかナントカしてください、、、冗談ですってば。セメントでいいです。)
フランス人はル・モンドの読者コメントで、放射能はいつフランス上陸するのか、よう素剤は飲むべきかと質問してる。米国ではドラッグストアで処方箋なく買えるよう素剤が売り切れ状態らしい(スイス住民はみなさん政府が配ったの持ってるそうだが)。
IAEA/国際原子力機関の天野さんが、かつての事務総長エル・バラダイがイラク戦争前にやったように、独立イニシアティヴを取り、情報の統一化・言語間のラグ埋めを映像やサイト上で公開するとかしてくれるとありがたい。
で、猫屋は調べた;
メルトダウン 炉心損傷をほっとくと炉心溶解に至る、この後色々なプロセスがあって、まだまだほっとくと最終的には使い切ったブツも再臨界しちゃうという全面的メルト・ダウン(可能性はかなり低いが、、)になる。この段階が進むと炉のそこをつき抜け、ブツと周辺金属はミックスアップして、裸の箱なし原子炉化し、このメルティング・チーズが地球の反対側まで届くのがチャイナ・シンドローム。で、臨界とは物質としてのウラニウムとかが、水が氷になったり蒸気になったりするのと同じ物理的変貌のこと(かなり大雑把だなあ、)。ふむふむ。もう一回、専門家のリンク先にとんで勉強しなおしてくる。
するってーとでも、たとえば3パーセントのナンカ(ナニ?)が溶けちゃったってどういうこと?サイエンス系でも文系でもない体育系猫屋にはなかなか難しい。
参考jijiから:「深刻な事故と理解」=放水に期待、連絡要員常駐へ-IAEA事務局長が会見
後藤さんのヴィデオ:3/17 緊急院内集会 福島原発の現状をどう見るか
アタクシが勉強に使ったのは、おしまいのほうにあげた18日CNIC Newsヴィデオ。担当教官は後藤さんじゃなくて別の教授。
リベによるとフランスはアレヴァ・EDFなど原発企業が所有する130トンに及ぶ核対応特殊マテリアルを日本に送る予定。これには95トンのボロン、多くの対放射線保護服(消防士のみなさん着なきゃダメです)、手袋(はめなきゃダメです)、右の原発用ロボット(本物のロボットのほうがいいです)などが含まれてるようだ。
リベ:La France va envoyer au Japon 130 tonnes de matériel spécialisé ←この記事は地震・原発に関する18日の出来事全部がクロニカルに書いてある良記事。日本と欧米のメディアの扱いの違いにもちょっとだがふれている。
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んでもって、今夜の我が家はこんな感じ。夕飯は焼きそばの予定
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GMT 21:15
今見ているのはアジアのアルジャジーラを目指すNHK WORLD、福島第一で何が起きているのかをグラフィックも入れてカンタンに説明しています。
昨夜の日本経済新聞の記事:福島第一原発 電源接続、放水平行で作業難航
下は、18日の原子力資料情報室のヴィデオ(jp・en、 でも原子炉構造とかがかなり分かる。福島第1の1炉と2炉はGE製、3・5.6は東芝製、4は日立。タイプにマーク1とマーク2、ここには最新マーク3はない。問題はマーク1で釜のキャパが小さいからあとからバルブ/ベントをつけてイザというときには圧力を抜けるように作ってあるが、ベント後付部分が脆弱。また、釜は通常1気圧で働くように設計されているが今回は8気圧まで上がった。設計時の想定最上限は4気圧、、、とか) しかし、何でこんなに複雑なものを作っちゃったんだろう。“安全”のためにどんどんいろいろ付け足して、さらに複雑になって、想定した以上の危機(地震・津波)がくれば、その複雑性ゆえ、直すのも、おまけに2万年はもつというブツを始末するのも、大変な騒ぎになるのだ。
CNIC News 03/18/11 ←in japanese with english translation : 各原子炉の構造と、今回の事故がどうやって起きえたのかが大きくつかめる。レクチャーしてくれてるのは、福島第一の6号炉設計チームに参加していた田中三彦さん。英語通訳つきなので理解するため2回聞けるし、テクニカル・タームが日本語と英語でどう扱われてるかも分かる。また、日本語の分からない人にもお勧め。なお、リンク先URLが変わってたんですが、直しときました。ただ、今日見つけたヴァージョンは長くて2時間ある。簡単に知りたい人には、スライドだけのPDF版。
こちらは金融関係ですが追加、
ビッグ・ショートを書いた作家マイケル・ルイスがブルンバーグに書いたコラムが邦訳されてたので貼っときます。
こんばんわ。今日は猫屋さんの記事を見ただけでもういいかなと思いました。
これからごはんの支度にかかります。神戸は山が近いので、ひさしぶりに少しだけ歩いてきましたが、なんかいかに身体がガチガチになってるか痛感しました。
まあ世界中がこうなると、またこれまでと違う生き方ができるとか思えるくらい、身体がほぐれてくれたら良いなと今は思っております。
猫店も焼きそばにしようかな。
投稿情報: 神戸の猫店 | 2011-03-19 11:15
こんにちは。猫屋さんのフランス便り、楽しみにしています。
「メルトダウン」と「臨界」ですが、別の事象です。
メルトダウンは、核燃料が2800度以上の高温になってどろどろに溶け、原子炉下部にたまって原子炉容器を溶かしていく現象です。さらに原子炉容器をつきぬけて高温の核燃料が水に触れた場合、大規模な水蒸気爆発を起こして原子炉ごと吹き飛ばし、放射性物質が大量に外部へ流出することになります。いま福島で心配されているのがこのシナリオです。
臨界のほうは、連続して核分裂を起こす現象のことです。核燃料のウランは、核分裂する際にふたつからみっつの中性子を放出します。この中性子が他のウラン原子にぶつかるとそのウラン原子も核分裂を起こします。そうして連続的に核分裂反応が進行する状態のことを臨界といいます。1999年の東海村でおきた、バケツで大きなタンクにざぶざぶウラン溶液をくみ上げていたらタンクの水圧でウランが核分裂反応を起こしてしまった事故は、この臨界反応によるものです。
今回の福島の事故で、核燃料の再臨界があるかどうかは、専門家でも判断が分かれているようですが、新聞報道を見る限り、メルトダウンよりは可能性が低いようです。
原発事故の技術的な解説は、朝日のこの記事がわかりやすいと思います。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103180131.html
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103200068.html
ところで、今度の地震と原発事故について、サルコジ氏はどんなことを言っているのか、少々気になります。
投稿情報: box96 | 2011-03-20 01:32
box96氏、
具体的な説明とリンク、ありがとうございました。昨日は色々調べたんですが、まとめて文にする気力がなく、お返事するのも遅れてしまいました。
記事の書き方は、かーなりテキトウで御迷惑をおかけしております。
後藤さんのレクチャー等でも、「臨界」ということばが「使用済み核燃料」の「最臨界」ぐらいにしか出てこなかったり、「臨界」についての同意の英・仏の単語がなかったり、地震学もそうですが、核についても世界レベルのコンセンサスが確立してないなあ、という気がした(猫屋の無知はまあ、棚に上げといたですが)。
シロウトの印象ですが、正確な情報が(もちろん日本サイドもそれを持ってなかったと思いますが)、米や欧州の専門家に伝わってない。そこで各国の専門化がそれぞれシュミレーションする。それを専門家ではないメディアが伝えるんだが、米国のTVはもちろん、今のメディアはどこでもオーディションを上げる記事にしますから、そんな連鎖で、特に米国・欧州で「日本アポカリプス」記事が続けて放送されてる。
遠地で一番恐いのは情報のないこと、それとウェイティング状態では、変な想像力が働いちゃうことかと思います。ただ、遠地にいる専門かもそれぞれの専門分野でのキャパがありますし、距離があるからより冷静な判断ができるはずですが、正確な情報がなければスペキュレーションに走る。
サルコは、2日目だったか3日目だったかにバロワン(とっちゃん坊や)スポークスマンを通して「福島はチェルノビルよりひどい」と発表。 最初にアレヴァの2技術者を現地調査に送り、消防捜査隊を現地に送ったのは他国が現地についたあとで、おまけに捜査隊は福島からなるべく遠いところだったりしてました(仏以外のtvに写らなかった)。「多いに遺憾。日本を支援」を大統領は表明。
アレヴァ等の対核装備やロボットを送る指令は適当なものだったと思います。
投稿情報: 猫屋 | 2011-03-20 12:58