本日は、カイロのアルジャジーラ英語版記者の6人がエジプト当局に逮捕された。(ホワイトハウス始め各国の要請の後)拘束されていたのは2時間ほどで釈放されましたが、持っていたラップ・トップパソコン、カメラ、ケイタイは応酬されている。すでに、アルジャジーラ支社は閉鎖されていますから、カイロでの記者活動は(非合法でも)続けられないでしょう。これは要するに、外国報道人たちに対する“報道するな”という警告です。
さて、ね式今日のエジプト・レジュメですが、なんせアタクシの英語力には限度があるのだ:詳しいことはガーディアンのEgypt protests - live updates 読んでね。アルジャジーラのライヴ見てても、アラブ語ナマリの英語だったりするとどっと分からなくなるのだった。
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アメリカ合衆国の態度がいまいちはっきりしません。元カイロ米国大使館の大使だった(1986-1991)Franc Wisner を含むチームをムバラク政府との交渉のため(BBC によると彼はプライベ-トに現地状況を知るためにだそうだが)、すでにカイロに送っている。
これは関係ない話ですが、このフランク・ウィスナー氏の奥さんは仏貴族出のChristine de Ganay という女性。で、以前はニコラ・サルコジの父親ポール・サルコジと結婚してた。そのときに生まれた仏米国籍の息子がオリヴィエ・サルコジで、現カーライルのマネージメント・ディレクター。なんとも、世界は狭いのであります。。。ってか、“ある種の世界は狭い”だけか。。
これまた直接関係ないですが、ガマル・ムバラクは、ムバラク大統領と夫人スザンヌ・ムバラク(エジプト版セサミ・ストリートに出演だそう;彼女の母親はウェールズ人)のふたりの息子の2番目だが(つまりクオーターがウェールズ人)、カイロのアメリカン・ユニヴァーシティで経済学を勉強しMBAまで取ってる。そのあとバンク・オブ・アメリカのカイロ支店に入社、のちロンドン勤務。その後、ロンドンの同僚たちと投資銀行業・コンサルタントの会社を作って今に至っている。やはりあの世界は狭い。
またまた関係ないが、米国軍産ロビー機関のPLMグループというのがあって(アルジャジーラ報道から)、エジプトと大きなかかわりがあるようですが、英語読むのかったるくなってグーグル検索途中でやめた。参考:Lobbyist sticks with 'partner' Egypt
今日のホワイトハウス・スポークスマンの話では、米国軍はエジプト軍とも直接対話をしているそうな。
本日エジプト軍は「エジプト軍はこれまでもエジプト市民に発砲したことはないし、これからも絶対しない」と国営メディアを通じて発表。さらに「エジプト国民は、不当なあつかいを受けている。。。安全(ピース)を尊重する限りで、発言の自由は保障されるべきだ。。エトセートラ。」 (猫:ムバラクを見捨てたい米国が直接エジプト軍と通じてるという仮定もできるぞ、オイ)
米国NBC, CNN は人気キャスターを含むチームをエジプトに送っている。BBCのKate Adie はすでに現地入りしている。
イスラエルは、地域で最も大きなイスラム国であり、初めてイスラエルを認めたエジプトのムバラク大統領が政権に居続けるよう、米政府に伝えている。
今日はムバラク支持のデモもあったが、参加者数は300人ほどの模様(もちろん国営TVで放映された)。
次回のエジプト大統領選挙は今年の9月だ。ムバラクは、もとエジプト情報局の長にして外交の手腕の高いアル・リアイ (間違えたっす)、Omar Suleimaneを副大統領に据えた。つまりこの人、次回大統領候補の可能性大なんだが、軍人出であっても仕事は情報・外交で、イスラエルとの交渉にもなれているし、CIAのテネットとも近い。だが、秘密警察の大衆圧制を指揮したのもこの人物で、軍本体と怒れる大衆に受け入れられるかは難しいところだ:参考、ウィキリークスのリークしたOmar Suleimane情報。
まあ、エジプトは軍がどちらに流れるかで、大きく変わってくるんだろうが、軍内部で何が起こっているのかはわからない。一枚板じゃないのはたしかだし、ムバラク派もいるはずだし、(ムバラクを支持して)大衆を威圧すれば、反対行動は過激化して、大量な被害者が出るだろう;これは軍の望むところではない。
あしたは火曜は大規模なデモがある。百万人動員とゼネラル・ストライキだ。
国民は今年9月の選挙までムバラク大統領が居座ることを望んでいない。だが、一週間続いた騒動で、空いてる小売店も商品は少なく、値段は急上昇、住民は食糧確保に困難している。奪略行為も絶えない。
軍が周りを固めるトルコ式民主主義が、エジプトでも可能なのか。他の道は可能なのか。民主主義に移行しうる社会・教育基盤はできていたチュニジアでも一時的にしても今の安定にまでは6週間かかっている。
今日は、北海ブレントが100ドルを越えた:北海ブレント原油:約2年ぶりに100ドル突破-原油市場「主役」に
サッカーも(どうでも)いいけど、今は21世紀の曲がり角なのだぞ(今年はいずれにしろ曲がり角だらけになるだろうが。。。)。あしたのエジプト動向に注目すべし。
追加:カイロ在住仏人ブロガー(教師)の通信(仏語;ネットが通じる短い時間にネットカフェから書いてる:タイトル訳はナイル川とガギャロンヌ河のあいだに):Entre Nil et Garonne
こちらはリベのカイロ特派員記者が書くTahrir広場の様子:«Hit the Road, Hosni»
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最低気温5度のパリから勝手にお伝えしました。
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