さっきTV報道で今日はエジプト国内のアルジャジーラ放送がシャットダウンされたと流してた。
こっちでキャッチしてたアルジャジーラ英語版のライヴ・ストリームページも一時ストップしてた。今視聴できるのはここ:ALJAZEERA
カイロ市近郊の刑務所から囚人の多くが脱獄し、その中にはイスラム原理主義者も多く、テロ行為に及ぶ危険が高いという噂が流れているそうだ。
チュニジアでも、民兵が混乱を招くために刑務所に火をつけ一部の囚人が脱獄している。今エジプトでも、チュニジアでと同じように、住民自身が町内の自衛団を組織している。
エジプトでは、相変わらずケイタイもネットもシャット・ダウンしたままで、今度はアルジャジーラまで禁止されたわけだ。
本日のデモ(6日目)は死者埋葬(アルジャジーラによると約150名以上)のため開始時刻が遅くなったが、カイロのTahrir広場では2万人以上が参加したということだ。なお、カイロ市上空ではエジプト空軍のヘリに加え戦闘機2機が低空飛行を続けていたらしい(@20minutes)。またル・モンド報では軍は実弾を使用したとあるが、どういう状況で何に向かって発砲したかは報道していない。昨日一部を破壊されたカイロ博物館は、今軍が包囲している。
なお、ムバラク退陣を促すエル・バラダイを、ムスリム同胞団は“暫定的指導者”として支持すると発表している。
ネット・システムダウンで、現地で足止めを食らった日本人観光客も帰国便再予約ができないんだと、これはパリの猫屋特派員(冗談です)のK夫人が電話で教えてくれた。(猫:冬のエジプトとかギリシャ旅行は安くつくけど寒いよ、だいたい)
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なんと総コメント数ただいま4911000を越えたというゼロへッジのコメント欄経由で、ムバラックはサウジから亡命受け入れを断られ、イスラエルのテルアビブに亡命を計画中というアルジャジーラ・マガジンの記事にぶつかった。本当かなあ(あとで裏とる→):Mubarak’s planning exile to Tel Aviv
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同じ写真を使ってエジプトを大きく報道する各国のプレス第一面はここでチェック ←日本紙はないよ。
イギリスのガーディアン紙が、エジプト状況クロニクルを伝えている(アルジャジラを除けばここの情報が最も信頼しうる):Egypt protests - live updates
ガーディアンによれば、エジプト当局はカイロのアルジャジーラ支局を閉鎖、記者たちの報道ライセンスを取り上げた:現在の英語アルジャジーラLive streamはロンドン+カタールのダーハなどから発信されてる。
この日曜のアラビア半島の株式市場:ドバイの株式は6.74パーセントの下げを記録、アブダビは3.74パーセントダウン、クウェートは下げを1.74パーセントに抑えて終了。Egypte : les Bourses du Golfe, à l'exception de l'Arabie, dans le rouge
抗議運動は、シリア、ヨルダン、スーダンなどでも行われている模様。
エジプト国内に電話線を使った(昔懐かしいチョーおそ56k)ネット回線をパリ経由とかで提供するサービスが始まったという情報もある。
カイロ市の東部で軍のものと思われる重口径武器の発射音が聞こえる、とガーディアン記者は伝えている。市東部には空港と大統領官邸がある。軍の戦車もそちらに向かった模様。
カイロ市内は救急車が移動不可能で、Tahrir広場近辺のモスクが臨時病院として使われているらしい。富裕クラスのシンボルであるショッピング・センターが略奪・破壊の対象になっている模様。再び現れた警察と軍は集団威嚇のため実弾を使用のようす。
APによると富豪エジプトおよびアラブ人ビジネスマンとその家族が計16機のプライベート・ジェットでカイロ空港を去った。そのうち、エジプト・ビジネス・エリートたちが乗るジェットの多くはドバイへ向かったらしい。
エジプト国営放送tvはムバラク大統領は、副大統領に向けた書簡で、新政府がインフレを抑制し雇用拡大をはかり、国民の信頼を得ると信じる、と言うむねのメッセージを発表。(猫:「秩序ある政権交代を望む」という米国のオーダーはまだ届いてないらしい。)
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エジプトはスエズ運河という軍政ポイントを抱えてるからなあ;イスラエルはすぐとなりだし。週明けのオイル価格動向からも眼が離せない。
アメリカ様は相変わらず世界総軍備費の52パーセント分とか支出してるけど、今の時点で14 000 000 000 000 ドル以上の財政赤字ばかりか、イラク(2011年末までに全米軍撤退の予定)とアフガンでの戦争まで抱えている。帝国が消滅するまでには100年かかるとしても、今の米国衰退は現実だ。新型欧州債を中国・日本が大幅に買ったが(確か日本は全オファーの20パーセント購入)、これはもちろんforexつまり為替安定と、世界で最も規模の大きい欧州市場の安定が目的だけど、同時に、中国にしても日本にしても、あれは手持ちのドルを使ういい機会でもあったんだろう。
そんな中、オイルとオイル・ルート確保・保全は米国とその関連国の死活問題でもある。今回チュニジアに始まったジャスミン革命後の進展は、国際地政学的チェスボード上の米国のリアルな影響力が推し量られる場にもなるだろう。なお、かつてネオコン米国は原油価格25-26ドル安定を想定してイラクを攻撃した(現行NY原油価格は89ドル;まあドル安を考慮に入れて比較するべきだがね)。。。
以上、本日の速報おしまいなり。
お久しぶりです。お忘れか知れませんので、「こんにちは」とご挨拶。
こんな記事を拝読していますと、イギリスの(フランスも?)発達した民主主義がわかります。日本人としては羨ましいかぎり。いろいろがんばってますけど、日本の場合、上にアメリカさんがいるのはデカいネックなんでしょうか。ふと他人の庭を眺めています(笑)。
投稿情報: わど | 2011-01-31 01:35
ねど氏、
お久しぶり。いやいや、英国も理不尽な国家予算大幅カットでBBCが人員減らしたり、大学の学費が3倍になったり、おまけにインフレ率がたしか3パーセントを越えてて、もともとは社会運動・デモが少ないところですが、今年は大型予算削減が本格的に起動しますから、大変なようです。
フランスはサルさまが王権についてから過去の社会政策は次々と撤廃され、デモもストも何も効果なし。アタクシも仏状況については書きたいことが山ほどあるんですけど、ナニセ外人の身、めったなことは言えない。ここの検閲もかなりなもんです。だから、仏ブロガーも新聞も、チュニジアやエジプトのことなら、ほぼ好きに報道できるってわけで記事が多いのだった。
日本はねえ:チュニジアの住人が「(ベン・アリ)退陣が、チュニジアの始めての独立だ」って言ってましたが、アメリカさんの影響力が弱まった今こそ独立のいいチャンスなんですが、、まあ、“民主主義”に出来上がったモデルというのはありませんし、それが育つには100年くらいかかるってな気でかからんとダメでしょう、たぶん。まず、あの消費TV“文化”、なんか言われるとそのまま信じちゃう(これは自分も帰郷するとすぐはまる罠ですが)システムを壊さんといけん。あと、日本の枠内でしか問題把握しない、というのも思考を限定させちゃうと思います。
なお政治が最悪なのは日本ばかりではありませんのでご安心ください(笑) ここは警察権力に頼ったサル、イタリアは(未成年コールガールを多数囲ってる)ブンガ・ブンガ・ベルルスコーニ、露はKGBマフィア国家です。
投稿情報: 猫屋寅八 | 2011-01-31 15:24