中国が国債購入と中国船舶購入基金でギリシャ支援(ウォールストリートJ日本語版)
来ましたね。東欧諸国とアフリカ大陸のあとは、ギリシャです。たぶんスペインでもかなり大きな買収を用意してるんじゃないかと思いますが、ギリシャは経済戦略的にかなり重要なピオン/駒でしょう。
ギリシャ経済危機が明白化したとき話題になってましたが、ギリシャ海運業というのは、おおやけの数字では船舶保有量が世界第四位でも、オナシス家はじめ、海運王ファミリーの多くがパナマやキプロスなどのタックス・ヘヴンに船舶籍を置いてるためギリシャ政府には税を納めていない場合がほとんどで、これが今回のギリシャ経済危機の原因のひとつとも考えられている。
中国東洋運輸(cosco)はすでにコンテナ用埠頭ビレウス港の35年間運営権を取得してる。中国はギリシャを基点に中国・欧州の交易を大幅に展開する意図だろう。かつての香港、つまり中国の英国経営地だった香港をモデルとして中国政府がギリシャの港を想定してるとしても不思議はない。ギリシャからなら欧州ばかりではなく、アフリカ大陸・中近東もすぐ隣;パナマを通過するわけだなあ。イスタンブールからだってそんなに遠くない。これは地政学的に言っても大きいですよ。
たとえば、中近東の国々も旅客機や欧州の一流ホテルを買収して原油枯渇後に備えているんだが、中国のギリシャ援助も同時に手持ちのドル放出作戦だろうし、金の価格上昇も同様。米国(USD)を中心に動いていた世界経済の多極化はちゃくちゃくと歩を早めている。
ドル下降について、参考(ゼロヘッジ英文):Weekly CFTC Report - Kill (Dollar) Bill
各国政府や各中央銀行がおこなっている金融緩和や金利政策も新しいバブルを形成させる(国債バブル・金バブル、フランスでは不動産バブル)ばかりで不況から脱出できないし、金融引き締め政策・増税はさらに購買力を低下させるので、こちらも不況をさらに悪化させるばかりという悪循環に私たちははまり込んでいる。
今回の経済危機は、今の資本主義経済システムの構造(アーキテクト)自体に原因があるのだから、キャッシュのバルブを調整しても、圧力が弱くなりすぎたり、あるいは逆に圧力が強すぎて爆発する危険だってある。
構造自体を変えるべきし、同時にこのキチガイじみた消費洗脳文化競争から抜け出すのも、個人レベルでの解決の道だろう。