痛めた膝も、キネ(日本で言うと理学療法師だそうです)に通って、どうにか足も引きずることなく歩けるようになった。気を入れて見たのはアイスホッケーだけだった冬季オリンピックもいつも間にか終わり、チリに大地震があり、太平洋の津波発生を心配していたら西ヨーロッパが冬の台風に襲われ、フランスでは53人の死者が出てしまった。台風一過の晴天と思ったら今度はもう一度寒波到来で、3月だと言うのに南仏・コルシカで大雪。大不況のほうも威力を弱めることなく世界各地で猛威を振るっている。
ギリシャ金融危機をめぐっての情報集めをしているうちに深みにはまり、CDSや財政赤字や為替スワップ、国債とかの素材と、中央銀行・政府・IMF、それにもちろんメガバンクやヘッジ・ファンドとかのアクターについて、つまり現在的超複雑系金融システムのことを調べれば調べるほど分からない事項が増えるばかりで、これでは一本のブログ記事にはまとめようも無い(書き始めたんだけど、途中でストップした)。
おまけに、財政赤字に追い込まれた国々を金融業社(メガバンク、ヘッジファンド)がスペキュレーションで追い討ちをかけてることに気がついた欧州の政治家やIMF、欧州中央銀行も動き出してるから、日に日に状況は変わっている。
(CDSとギリシャ財政の関係だけで一冊の本が書けるだろうと思うけど、CDSが下火になればなったで別の新しい金融商品が市場を荒らすことになるんだろ う。)
狙われているのは、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドと最初は言われていたけれど、この次のターゲットはイギリス、フランスになるのかもしれない。米国も危ない。
なんだか凄いことになりそうである。悪の機軸があって、よい国と悪い国に世界が二分されてたブッシュの世界とは大違いで、世界多極化陰謀説でさえ飛んで火にいる夏の虫的に単純すぎな、むちゃくちゃ複雑系金融システムが経済・政治を侵食してるから、(メディアにしても政府にしても)めったなことは誰も言えない。
おまけに次は、低収入家族の持ち家ではなく、米国で近年建てられたオフィス・ホテル・観光施設・ショッピングセンター・大型客船等のバブルがはじける可能性も高いそうである。つまり、それら大型建設をファイナンスしたクレジットに対して、実際の収入(オフィスやホテル、ショッピングセンターの家賃)はどんどん低くなってるから金利を償却できなくて(おまけに最近の建築はメンテナンスに金がかかる)、そのクレジットが雪だるま式に膨れ上がって、いつかは破裂するかも知れないって話だ。これはオリンピック時のギリシャもそうだったし、現在のフランスもそうだし、日本だって同様なんだが、米国の場合はクレジットがリボルビングで組まれてるから、サブプライムと同様にクレジット・バブルが形成されるととんでもない規模で負債は膨らんでいくわけ。
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と言うわけで、猫屋は金融・経済と言うブラック・ホールにはまり込んでおる訳ですが、いつかリンク集ぐらいはメモってみようと思っとります。じゃ。