シリーズ《いったい何が起こっているのか》は、筆者の脳みそが沸騰状態にあり冷却時間をとるため今夜は開店休業なり。
で、この2・3日の経済動向メモ。
ソブリン債に流れていた“キャッシュ”が一時“株式”に戻ってきてたんだけど、株式のほうも方向性を失って低迷している。原料市場(日本語でたしか先物だったと思う)の活性化が続いてるのと、金相場がついに1オンス1300ドルを越えてさらに上昇すると見られてる。かなりヤバイ状況にあるのだよ。同様に低金利であまったキャッシュで“無政府状態”のFX(為替)市場もエアポケットに突入しそうだ。
欧州でのギリシャ危機はEU・IMF乗り入れ救済案が提示されてからいったんは収まっている。今危ないのはアイルランド。次がスペインでその次ポルトガル。EUの援助金と外国企業への減税策に引かれてアイルランドに集まったDELLなどの企業がやがて東欧や北アフリカに移転し、すごい勢いで建築された住居・商店・オフィスは空のまま、海外からの移民労働者のほとんどは職が見つけられず、国に帰った。どうもイギリスがアイルランド援助に乗り出す気になってるらしい。目的は欧州連合には加盟していてもユーロ圏には入ってないイギリスの(ある意味中途半端な)立場を利用して、シティの立場を強化する目的があるのだろう。ユーロ圏が加盟国のうちの一国が経済破綻するなり、ソブリン債のリストラ宣言するなりで空中分解したら、シティ、つまりイギリスがゾーンの主導権を取る算段だろう。何がおきてもおかしくはない。
米国は、、、これもダメポ。
オバマ経済チームからまた一人、重臣が辞職:クリントン2期に財務長官を務めていたとき「サマーズに謙そんを求めるのは、マドンナに貞操をを期待するようなもの」と評されたローレンス・サマーズがチームを去った。グラス・スティーガル・アクトを廃止に持っていったのも、ボルカー・ルールを骨抜きにしたのもこの人。IMF勤務時に、低開発国は汚染されてないから先進国の汚染廃棄物を低開発国に輸出し廃棄するのは経済原理にかなってると決めたのもこの人。なお、シーガルの父親の旧名はサミュエルソン(ユダヤ系苗字を嫌って改名)。ノーベル賞経済学者ポール・サミュエルソンは叔父。また母方の叔父は、同じくノーベル賞経済学者のケネス・アロー。サマーがハーバード学長だった時、女性は知的に男より劣るってな発言して顰蹙を買ってるが、またこの大学に戻るらしい。頭がいいってなんて頭が悪いんだろう、と思った。
11月が中間選挙だというのに、米国経済持ち直しの気配はまったくない。FRBはドルを刷り続け、米国が破綻すればとんでもないことになると知ってる国々がドルと米国債を買い支えているが、これはどこまで続くんだろうか。ドルの実質は半分が借金ということになる。参考:Crise systémique globale - Printemps 2011 : Welcome to the United States of Austerity / Vers la très grande panne du système économique et financier mondial ←バーナンキスピーチのかなり意地の悪い読みが載ってるよ。
日本ではあの武富士が会社更生法適用を要請したが、モーガン・スタンレイとゴールドマン・サックスが武富士の倒産を見込んでショート(空売り)をかけたようだ。参考:武富士を空売り、モルガンSとゴールドマン-株式1%以上 リーマン破綻の時もおんなじ様なことやってたはずだし、ビジネス・アズ・ユージュアルにはモラルは無縁。気をつけるべしなのは、欧米で金融規制が(どのレベルまでいけるかは分からないが)厳しくなりそうだし、獲物も少なくなったし、今注目なのはアジア市場なのだ。HSBCも本部を古巣の香港に移すそうだ。
かなり危ない。
今まで、社会モデルと言われ続けてきたスエーデン議会に、排外主義極右の候補が12人選出された。オランダでもベルギーでも極右あるいは分裂派が議席数を伸ばしている。
我が愛するフランス共和国も、御存知の通りのていたらくで、金融引き締め策でヨーロッパ人権委員会からもクレームがついている超過密刑務所の看守数を削減すると今日政府が発表した。もちろん教員の数や病院の職員も大幅削減。今頃、フランスにまだ残ってる社会保障制度をなし崩しにして、民営化をすすめてどうするつもりなんだろう。まずは二人用風呂まで特別注文でつけさせた葉巻の吸えるエア・サルコ1をプリンセス・ハーセルフおまけにつけてebayかどこかで売ってくれ。ポスト・バンクはDexiaと合併になるみたいだし、EDFはアレヴァとカップリングみたいだし、、、なお、必然的にこの土曜日2日は各地で一般人のデモが展開される予定。
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ては状況なので、猫屋脳のオヴァーヒートも自己納得したりする秋の夕暮れ。おそまつ。