ポニョ、見たよ。仏語タイトルは『Ponyo sur la falaise』。 大きい映画館での上映はこっちの復活祭春休み向けで仏語吹き替え版が大部分だからMK2の日本語版に行ったんだけど、お子様連れは一家族ぐらいしかいなかった。つまりほぼオトナばっかり。
なんと、トトロのメイちゃんが赤毛の人魚姫を演じている。しかしまるっきり色気のない人魚姫ってのが極めてミヤザキ流だね。
最後のクレジットで、『ポーニョ・ポニョ・ポニョ・サカナノコー!』とまるっきり日本な歌が元気よく流れ、普段は“文化的生活”を送ってるはずの仏アダルト・オーディエンスたちはガックリコとしたのであった。ははは。
こちらでの評判も上々であります。最近まして金欠症候群にあえぐアタクシは仏語タイトルをついついポニョン/ pogon =意;オアシ、としか発音できず困ってたんですが、テレラマの日本で取材した長いルポ記事にも、ポニョ・ポニョン?という小タイトル部分があった。
以下はテレラマの批評2本。
Ponyo sur la falaise: Film japonais de Hayao Miyazaki
当映画の英語バージョン(今年の夏休み封切り)の吹き替えには、あのサタデイ・ナイト・ライヴのサラ・ペイリンじゃなくてティナ・フェイ、マット・デモン、ケイト・ブランシェット等の声優配役だそうで、なんともニッテレ・デンツー・ハクホードー + 配給元ディズニー etc. の威力全開。 参照:英語版ウィキ情報。
こちらの若い女性オーディエンスたちの反応は “Trop mignon ! / トロ・ミニョーン!” 訳しますと「かわいすぎー!」
たぶん疲れ切った人間たちは幼少期に帰りたがってるんだろうな。ヘンなマッチョ・スーパーヒーロー系独裁者よりは『お母さーん!』の時代なのか。ま、そのほうがいい。
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次はセラフィーヌ。
サンリスのセラフィーヌと呼ばれる女流画家が主人公である。演じているのは、ベルギー出身イヨロンド・モロー。セザール主演女優賞をとったですね。熱演。
クラシックなビオピクチャーで、パリの北にあるサンリスの四季が青みがかった色調で美しく撮られている。しかし、セラフィーヌの人生はカワイソウ過ぎだ:そりゃない。
Séraphine Louis の絵のいくつかは、ここで見られます:Découvrez l’Art Naïf et Séraphine
女中のセラフィーヌが、悩む雇い主であるドイツ人画商(ゲイの人)に、『辛い時は、樹や花や鳥に話しかけると心が休まるのです』 と言うんだよね。これってミシュレじゃん。男性版は聖フランチェスコか。
ポニョも宗介も本当に可愛くて純粋な心の持ち主なので癒されました。
環境保護の意識も淡々と読めるので、人類って何て愚かだろうと反省しています。
ちょっと微妙で異様に感じたのは、宗介がお母さんとお父さんの名前を呼び捨てしていることでした。クレヨンしんちゃんがお母さんの美冴のことを直接「ミサエ~!」って呼んでいるのを彷彿させます。
親の本名を呼ぶのは一部のアメリカ映画やドラマで見たことがあります。
でも子供や青少年はやはりファザー、パパ、デディー、マザー、マミー、ママと呼ぶのが一般ですよね。
投稿情報: 台湾人 | 2009-10-01 05:53
しばらくブログはほっぽらかしにしたままだったので、返事が遅れてしまいました。ゴメンナサイ。
うん。たぶん、ミヤザキ監督は、あの一家の特殊性を協調したかったんじゃないかと想像します。船乗りで家にあまり帰れない父親が不在の家では、シングルマザー家庭っぽくなってるってカンジかな。
投稿情報: 猫屋 | 2009-10-09 02:59
宮崎吾郎監督のゲド戦記も最近見ました。
とても面白かったんですが、原作がアメリカ人の作家によって書かれた小説だと後に知って驚きました。
こういうアニメって子供だけではなくて大人の心まで癒されるので大好きです。
投稿情報: 台湾人 | 2009-10-13 11:56