今日はこれから所用のためブログ書けない。案件のテレビ討論は本日夜中にでもモニターして批評したい意向でございます。なお、ARTE がウェブで同時放映しますので仏国外の方も見てね。仏時間21時より。
Retransmission en direct du débat Royal/Sarkozy
現在放送中でありますが、こりゃロワイヤルの勝ちだわ、作戦でも内容でも。
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翌日記:さて、放映終了後はウェブを一巡いたしまして、ル・モンド、リベなどに次々書き込まれるコメントを見ていたんですが、その時点ではロワイヤルがサルコジを封じた、あるいはロワイヤルに大統領のキャパシテがあるのに驚いた、といった意見が多数。これとは反対に、サルコジは具体策の点で有利とする意見が全体の約1/3だったと思う。
明けた翌朝木曜日のラジオ、ウェブプレスの反応は、一歩下がって冷静にコメントを出している。
以下は、猫屋の討論メモ
- ロワイヤルは黒のスーツに白いタテえりシャツつまりダークブルーのNSに、赤あるいは純白で向かうのではなく、五分五分で対抗するというかまえか。
- 討論のイニシティヴを取ったのはSR;テーマの軸を横サイドに移動させることで、NSの政策には全体的理論統一性がかけている事実を浮き立たせる、というゲリラ作戦だね。
- 対するNSは、攻撃的になりすぎて選挙民への印象を悪化するという危惧からだろう、防衛戦に徹する。展開する政策についていえば、いつもTVやラジオで聞いているのと同じ。新しいのは“じっと我慢”のサルコジ像だ。ドシャバン風(注;hes been なTVキャスター)
- ロワイヤルはチャレンジャーである。シラク政権で5年間内閣にいたサルコジの政治実績を批判するわけだが、その強い口調には 1. ロワイヤルには政策もないし論争する能力もないとするNSサイドの流すコメントがそのままメディアで流通し、社会党支持者にも彼女の能力に対する懐疑があったわけだが、そのイメージを壊す必要があったという事実 2. ピットブルにたとえられるほどの攻撃性を持つNSを怒らせ、暴言を引き出したかった、のだと思う。結局、第一次選挙でのサルコジ票とルペン票の半数は不動である。したがって、バイルー票、そしてルペンに入れた低所得者層、それから浮遊票を獲得する算段だったのだろう。
- 時として、映像とは残酷である。対抗者から距離を置こうとするかのように、背を伸ばして語るSNをオブザーブするSGに対して、NSは手元のメモを見つめている。時として司会者の一人PPDA(tr1)にチラチラと目線を投げる。
- もちろんセゴ支援者にしてサルコアレルギーである猫屋は、これはサッカーの試合と同じですけれど、どうしたってSGを過大評価してしまうわけですが、実際の投票人口はなにを感じ取ったのだろうか。猫屋には、これまでの保守政治をさらに右に舵取りしようとするサルコジが、今までの長い(4年)個人的選挙戦で使ってきたキャッチ・ワードの繰り返しをしていたのに反して、セゴレンヌは新しい政治概念を展開していたと考える。保守とは過去を保持する政治態度であり、左派とはプログレスを目指す態度だ、と言ったのはアランだっけ、忘れたけど、まあそういうことだ。サルコジ政治が何を目指しているかは明白だが、対して、もちろん失敗も含めて、セゴレンヌ・ロワイヤルには多くの可能性がある。
両者のいいまちがい、あるいはハンディキャップの教育に関わる論争など、具体的内容に関する話はまた後ほど。めちゃ笑ってしまったのは、サルコジが「Je serai pire」といい間違えた瞬間でしたね。「私は最悪になる」。なお、討論最後、セゴレンヌが大統領としてなす政策を現在形で語ったのに対して、サルコは一貫して「もし大統領になったら、+未来系」を多くの場合使っていました。なお、論争全文はリベで読めます。 La transcription exhaustive du débat
このテレビ討論は2千万人の視聴者が見ていたそうで、サッカー・ワールドカップに並ぶ高視聴率だそうだ。なおバイルーはサルコジには投票しないと木曜昼前に宣言してますね。
これから3日後、5月6日日曜の投票まで、文字どおりのバトル・ロワイヤルが展開されるわけです。セゴ戦士に勝利を!バスティーユですよバスティーユ。
観ましたぞ。起きられなかったので最後の40分ぐらい。
猫屋さん的には「ふふ」なのですね?アルテの投票も10:1のぶっちぎりみたいですけど、まあサルコ支持の国内組はネットでみないだろうし。
英語で選挙ウォッチしてるブログのコメント欄で「セゴはインタラプトし過ぎ、サルコが中道っぽい路線でくるから苛ついてる印象だし、これはサルコの勝ち」という意見もあったっす。
私の印象(中身は理解できないので見た目だけ)だと、どっちも決定的に失敗した様子はなく、これで大きく票が動くわけではなさそう。
夜遅いこともあって、多分前日あまり寝てないんだろうロワイヤルさんの肌のお疲れ度(=万有引力の法則)が気にはなったが。。。
とりあえず、山は越えたのでゆっくりお休みくだされ。猫屋様も。セゴ様も。
投稿情報: imasaru | 2007-05-03 00:50
本来であれば、まっすぐに喰いつくはずのNSが、マダム、マダムとあせって手元のノートを見ていたり、するとセゴ先生が核問題レポートは重要ですからちゃんと予習してください、といいました。そしたらプチ・ニコラはもっと小さくなってしまいましたとさ。おやすみなさい。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-03 00:58
アルテは20:1ですね。(どうでもいいってか)
ネットの評価はロワイヤルさんの方が勝ってるんですが、あちこちで読んだ英語のコメント内容では分かれていますね。或る程度バイアスがかかってるからなあ。
って、今のところ読んだのは外国人の意見ばっかりなんでるんですけどね。かんじんのフランス有権者はどうなんでしょうか。日曜日が待ち遠しい!(トリュフォー)
投稿情報: imasaru | 2007-05-03 01:48
んと、ル・モンドウェブでアンケートやってるんだけど、今のところセゴのほうに多くのクリックが集まってますけど、あれって何回でも投票できるからなあ(ちなみにアタクシはクッキー消して3回♪)、UMPのミリトンも一生懸命クリックしてるはずだしね。La plus belle histoire d'amour, C'est vous でしたよ、セゴのテーマは。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-03 01:58
アタクシは引力の法則により、寝ますた。グーグー。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-03 02:02
はじめまして 1番気になっている選挙に関して沢山の情報、ありがとうございます。ドキドキしながらセゴVSサルコの対談をTVで見ましたが、私の仏語ではさっぱり。お時間許せば、SRの国民への手紙も要約を掲載していただけないでしょうか。サルコが独裁者的な顔を極力せずに、自分の発言中はやたらと司会者の方ばかり視線を流して、セゴ女史が話している間も、セゴの目を見てませんでしたね。追われている弱み?あと奥さん、この大変な時期に、全く夫の選挙運動の手伝いをしてないみたいですが、変な夫婦ですね。離婚したいのに、大統領選の為に5年お預け食ったから浮気してもいいでしょ、ってことですか?セシリアさんて米国人なのでしょうか?既にサルコ法が昨年できてますが、更にどうなるか注目。逆にセゴ女史が辛くも当選できたら、現状維持なのかしら。
投稿情報: 悩める羊 | 2007-05-03 13:57
日本でもやってましたよ。ハイライトでしたが。
2人とも結構熱くなるほうなので、ブレインにかなりアドバイスされていたようだ、と報道されていました。
ロワイヤルさん、写真で見るよりきれいな人ですな。
投稿情報: ヒナキ | 2007-05-03 15:47
悩める羊氏、今日は(多くの仏国民と同様)脱力状態で昨日の裏番ヌーヴェル・スター録画したの見てました。これからセゴの手紙訳してみます。どうも日本ではロワイヤルの“ヒステリー”ってな紹介があるみたいで、日本はダミだよ、とか思った。まあフランスでの政治ってのがどういうもんだか、あれは闘争・格闘なんだ、考えは日本では持ちにくいんでしょう。駅前で白い手袋はめて頭をさげて名前を連呼するのは、フォークロールであっても政治ではないです。
セシリアはロシア系の父親とスペイン系母親の間に生まれているけれど、自分にはフランス人の血が流れてないと自慢しているようです。サルコジ夫婦を結び付けているのは、ある意味での権力願望でしょう。ケネディ夫妻(ジョンとジャクリーヌ)が彼らの理想。アメリカンシンデレラコンプレックスだよ。いまどき米国を夢見ちゃうのは時代錯誤もはなはだしいと思うけど、欧州左派と中道がコンプロマイズを重ねながら、新しいモデルを作り上げようとする困難さに比べ、モデルを持ってきてコピペするのは簡単だし、国民にも分かりやすい。そういうことだと思います。あとサルコは女性が怖いんだろうね。セシリアも怖そうだけど、女性(男性もだけど)から嫌われるのが恐ろしいんだろう。大統領になることが愛されるための一番いい方法だってオンフレイとの対談でほのめかしてたけど、逆に国民の半分から嫌悪される男になった。これがサルコジの逆説です。
ヒナキ氏、
お久しぶり、タイムラグはなおりましたか?
ロワイヤル美人です。ただ逆にそれがハンディキャップになる場合もある。嫉妬もあるしね。フランスのマッチョ度もコレを境に変わればいいんだけど。。なんだかロワイヤルを嫌っていた(ジャラシー)40台以上のキャリア女性たちがセゴルックの夏服着てるのみて、ありゃセゴ大統領になるかもしれないなあ、って思ったですよ。ちなみにセゴルックって白い膝丈のスカート若干広がってるやつ+ベスト。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-03 22:56
ラグタイムじゃない、タイムラグね。カルチャーショック(笑)
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-03 22:57
しつこいようですけど、セゴレンより、Anne Lauvergeon とか Christine Orkrent, はたまた セシリア・サルコジの方が十倍美人だってば。昨日のセゴレンは厚化粧で目元のハイライトが目立ちすぎ。衣装ださすぎ。田舎の授業参観みたい。それに私は女性よ、母親よ、だから私を選んで。なんて学級委員の選挙じゃあるまいし。
40台以上のキャリア女性のジェラスとでもなんどでも言ってください。女性に嫌われるタイプの女性がどこまでのし上れるか、見所です。でも本当に選ばれちゃったら、私亡命も考えます。
セゴレンが一部男性に支持されるのは男性に警戒感を与えないからでしょうねえ。かつての学生運動の闘士で、美人といわれてる女性によくいるタイプ。
私にはセゴレンにはどうしてもベカシンのイメージが重なる。猫屋さん、政治的な趣向は違うけど、あなたのブログは本当大好きよ。選挙が終わったらもっと他の話題で盛り上がりたいです。
投稿情報: 黒龍 | 2007-05-03 23:18
観ましたー。セゴが障害児のことで怒ったときは感動しました。ちゃんと怒らなきゃいけないところで怒れる政治家って大事ですよね!もっとも、ここで、評価が上がった人と、下がった人に分かれちゃったみたいですが。女性だから、少し声を荒げると目立つ上に、美人ってのも損ですよね。近所で配られてたビラに(多分右が配ったんでしょうが)、セゴレンヌは女性だからでなく、フェミニンすぎる美人だから大統領になれない、フランスには強い父が必要だというのがありました。。。
今日の世論調査も結局、右派系の調査結果ばかり。arteの投票結果を取り上げた主要メディアはありませんね。。。どこかのフォーラムでarteの投票結果を貼り付けて取り上げていたけど、サルコジMYLOVE派は盲目状態。。。中道の議員も次々サルコジ支持に廻ってるし、その中でサルコジを跳ねつけるバイヨーは勇気ありますね。
投稿情報: Amina | 2007-05-03 23:49
黒龍女史、
すんません。ここはセゴレン支持のブログで、美人ランクブログじゃないでございます。まあ美というのはあくまでも個人的主観でございますので、ロワイヤルはブスだという見方も尊重される自由な国にフランスがあり続けるためにはロワイヤルを支持すべきでしょう。
Amina 氏、
うん、結局ロワイヤルは大統領になる器だというのは昨日の対決で証明されたと思います。あとはサルコジをいったい本当に大統領の座につけてもいいのか、どうかが焦点となる。メディアやアンケート調査は例外(ル・モンド、オプス、カナール・エンシェネ、ギニョル、リベ)を除くと、後は全部サルコジ支持です。選挙後の利権もかかってるわけだ。ロワイヤルが勝利すれば、政治界はもちろん経済界でも、ホモセクシャリティ(たとえばパリ市長)の後、こんどは女性が(フランス国民意識内での)マイノリティという社会的かつ経済的での立場を大きく変えることにもなります。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-04 00:12
セゴの『怒り』は演技。障害児の就学率は2002年~2005年で飛躍的に伸びている。就学率の伸びには疑問の余地がないので、ラジオで質問された相談役のジャック・ラングは「いや、その質が問題なんだ」と云ってたけど、言い訳がましかった。原子力発電の比率もでたらめ(サルコも間違ってたけど)。「あんたずっと政府の主要閣僚だったでしょ」という批判だけが的を得ていたんだけど、あれでセゴの方に軍配を上げる人がいるのは、どうしてだろう?
投稿情報: 田川 | 2007-05-04 00:17
やっぱり、このブログのファンはセゴレン支持者だけじゃないんですよね。セゴレンの言う”健全な怒り”のごとく”健全な議論”を望む皆さん、是非出てきてください。
ところで、セゴレンの本当の名前って、マリー・セゴレン
ですって??これで何でいけないの?
投稿情報: 黒龍 | 2007-05-04 01:03
どもども、
皆さんでアンチ・セゴのブログ作ってくらさい。なんか2chのオタク君風になりつつなる、プーン、猫屋亭のヌシは寝ますです。ボナノッテ。
投稿情報: 猫屋 | 2007-05-04 02:34