11月20日、ロバート・アルトマンがカリフォルニアで81歳の生涯を終えた。
映画マニアでも、アルトマンのファナティックなファンでもない自分は、彼の全作品を観てはいない。でも、M.A.S.H.(ホット・リップス!)から、ザ・プレイヤー、ナッシュビル、ショート・カッツ(原作はあのカーヴァーである)、プレタポルテと今更ながら並べて考えると、アルトマンの映画が時代と、あるいは時代のなかの“私”と見事に対応しているな、と気づくことになる。
この文章を書き始める前に、ウィキ仏版とアローシネ仏版など眼を通してみたら、彼はイエスズ会系の学校教育を受けていて、世界大戦時にはパイロットとして太平洋で兵役しているとある。その後、ほぼ偶然にTVの世界に入って、それからはシリーズ物を手がけるんだが、なんとあの“ヒッチコック劇場”と“コンバット”の制作もやっていたようだ。このふたつのシリーズは猫屋最初の映像記憶であります。
アルトマンの魅力は、人生の、あるいは社会のいかがわしさとグロテスクと、そしてそこで翻弄され続ける人間のはかなさと無垢を同時に描きえたことだと思う。ショート・カッツでの、やがて死んでしまう若いチェロ奏者がバスケットに興じる姿、ジャズシンガーであるその母親が歌っていた“人生って牢獄”という歌、プレタポルテの老いたマストロヤンニとソフィア・ローレンのベッド・シーン映像に込められていた“愛情”、それらの輝く瞬間を忘れることはできないだろう。
何故か、その後のクッキーズフォテューンも、ゴスフォードパークも観ていない。今年の作品 The Last Show がこちらでは12月に封切りになるようです。これは見に行かねば。(ラスト・ピクチャー・ショウとは関連あるのかな。)
アルトマンのラスト・ショウが、マッシュ風ドタバタ喜劇であることを期待して。
「マッシュ」って数年前に、ここで流れるこの当時のヒットソングを聴きたさに、ヴィデオ買いましたですよ。
今月、もし猫屋さんが、日本に向かってトコトコと進んできてくれたら、ニューデリーで、会えたのに!w
投稿情報: Sita | 2006-11-28 01:55
え、マッシュの音ってどんなんだったっけ。見たの子供の時だったんで覚えてないんだよね。DVD、去年のクリスマスプレゼントにもらったんだけどまだ見てない。あれって朝鮮戦争の話で、でもベトナム戦争の時に作られたんだった、よね。ふーむ、何やろか、音楽。ナンシー・シナトラとかか、いやちがうか。
なお、インドは行ったことないので、来月あたりにトコトコ進んでみるのもいいプロジェクトですよねえ(遠い眼)。
投稿情報: 猫屋 | 2006-11-29 01:10