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2006-03-13

コメント

strapontins

はじめまして。フランスの時事問題について、しばしば勉強させていただいております。

訳出されている記事、最後の一文は以下のような意味ではないでしょうか。

「集結している若者たちにはしかしながら、月曜日以降、学生の大部分との折衝が必至となるであろう。CPE支持・反対にかかわらず、学生の多くはデモ当日以外の封鎖に反対し、講義が行われることを望んでいる。」

とりいそぎ、気づいたことだけのみにて失礼いたします。

猫屋

strapontinさん、
ご指摘ありがとうございます。意味はそのように理解していたんですが、推敲なしの当訳出文では通じてないことを発見、、、これから手直しします。

fenestrae

ヴィルパン、例によって演説はできるけど対話はできない人という印象をさらに強めました。クレール・シャザルの質問は短くポイントをつきながらわりにクール。シャザルは反権力がちがちですっぽんのように食い下がるタイプじゃないんだから、ヴィルパンはもうすこし丸め込むような雰囲気を作ることもできるはずなのに、用意したようなことばでしか答えられないものだから、シャザルの短い本質的な質問に答えがないという印象が強まる。
CPEの細部のややこしさそのものが全面的な拒否--TCEで前例あり--を力づけるという見方が最初からありましたが、もともと条文に盛り込まれていない細かい特典を場当たり的政策としてあれこれ付け加えると約束しても、この期に及んでは、「なんだかぐちゃぐちゃいっているけど、とにかく2年間はいつでもクビという話なんでしょ!」という反発をさらに誘発するだけだなと思いました。
そして若者たちと協議、交渉ということばを一言も発しませんでしたね。tous les partenaires sociaux と繰り返すだけで。もちろん学生たちということばも用いなかった。若者がすべて学生ではないから、ポリティカリーコレクトですが。CPEはバンリュウの学歴のない若者を助けるものはずなのにという理論で、学生たちの行動を世論から孤立させようとしたとして学生たちをますます怒らせた。コミュケーションの断絶が深まります。この間を教育大臣がつなげばいいんでけど、後者が完全に学生を怒らせているから、これはこじれるでしょう。

問題の最後の文のところですけど、完全閉鎖に反対する学生の数に、majorite という語でなく une importante partie というあいまいな語を使ったところがル・モンドらしい用心さというべきか。

strapontins

>majorite という語でなく une importante partie というあいまいな語を使ったところがル・モンドらしい用心さ
書き込みしたときには気づいていませんでしたが、まったく腑に落ちるご指摘です。「ソルボンヌ封鎖」についてのエントリーにてリンクの張られていた記事(封鎖から排除までのクロニクル)にも同じ巧妙さ(この場合モンタージュとでもいうべきもの)を感じました。
今後の関連記事の紹介も期待しております。

猫屋

>fenestrae氏、
TV20時の、おまけにTF1ニュースを見るのは本当にひさしぶりだったし、途中で裏番もちらちら見ながらなんですが、確かにド・ヴィルパンのタクティクスのまずさにまず失望しました。クレール・シャザルの突っ込みは、この手が流行りだしてるってのもあるし、TF1
大ボスのブイグがサルコジ支援隊の親分だからなあ、とこちらは下馬評談。複雑ですよ。なんでFR2を選ばなかったんだろう。

またtous les partenaires sociaux 、社会パートナーと訳しときましたが、聞いてるうちにだんだん企業家達、としか受け止められない感じになった。ここで労組なり学生代表なりを織り込めないド・ヴィルパンの基盤と回転のおそさが出ちゃったと思う。もともと経済関係知識ゼロの人なんだが、政党内でも孤立化していて有能な人員がチームにいない。それが表面化したんだと思います。あとは、タクティクスだけの塊のようなサルコジがどう出てくるか、でしょう。(そして社会党の出方もなんだけど)

この記事は週末のpermanance(待機)記者が書いてるんですね。メディアの反応、この一週間は目が離せません。

やっとゆっくり本が読めそう、と思うと絶対何か起こるわけで。ミロセヴィッチ関連、ブッシュのインピーチメントまでいくのか拷問・人権問題、まだまだ続く歴史論争と、ネタばかりなのに、困ったもんです。


猫屋

> strapontinsさん、
コメント重なりました。フィガロやリベの記事と比べると分かるんだが、ル・モンド記者はさすがに週末でもみごとな編集ワザを見せています。他にも紹介したいル・モンド記事は溜まってるんですが、いかんせんヘボとはいえ(いや、ヘボゆえに)翻訳に時間がかかるので本数こなせないのが残念です。なんだかんだ言ってもル・モンドはいい新聞ですよ。

fenestrae

思い出したことを2つ。
1.UNEFの代表の学生は、ヴィルパンはもし反対している学生たちと話し合おうという気があるんだったから、いつでもオレの携帯に電話してこれるはず、番号は教えてあるからみたいなことをTVで言ってました。たしか二日ほど前だったかとにかく、昨日のTF1のヴィルパン出演より前。なるほどそんなふうに考えるのだなと思いました。日本だったら「学生のぶんざいで...」。もっともすでに社会勢力としての全国学生組合組識が存在しないので仮定まで行きませんが。
2.学生が運動している関係でジル・ド・ロビアンがヴィルパンの次に表に出てくるけど、若者はすべて学生ではないという原則からすれば、ヴィルパンの代理として対策にあたるのはほんとうは労働大臣のジャン=ルイ・ボルロのはず。なのにボルロがほとんど不在。CPEはヴィルパンが個人的にさっさと決めて、ボルロが話をきいたときにはもうすでに既定路線だったいうことですが、このあたりでもヴィルパンの孤立が目立ちます。ボルロも「いいとこどり」のチャンスですかね。

猫屋

>ほんとうは労働大臣のジャン=ルイ・ボルロのはず、
で、思い出したんですがfr2の週末担当女性キャスターはボルローと再婚したばかりだ。
バンリュウ騒動の時もボルロー前線には出てこなかった。まあ、そのせいで人気が落ちてない、、ってか、TVメディアと政界の仲良し度ってきりないんですよね。知り合いのUMPプロ・シラク派人はすっかり干されて外部団体に行ってますよ。まさにいずこも同じ戦国時代です。

なんか、コメント欄でネタがつきて次のエントリ書けそうもない(笑)。

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