どーせ選挙権もない移民だし、内容に突っ込み甲斐はあるけどなんだかんだ言ってもEU憲法は批准されるだろうし、だいたいあんな膨大な資料は俺には読みきれんよ、、、ははは。とシカトを決め込んでいたEU憲法批准フランス国民投票だったんですが、投票まであと4週間弱という時点でかなりこんぐらかって来た。やばいですよ、これは。
昨日(5月1日)はメイデイでしたが、何故か“ジャンヌ・ダルク”の日でもあるそうで、仏極右の生き残りル・ペンが仰々しくリボリ通りにあるジャンヌ・ダルク像に詣でて、オペラ座前でXXXトークをする日でしたね。なんでル・ペンがここで出てくるのかと言うと、彼はEU憲法批准国民投票のNON/否定派のひとりだからです。NON支持者/パルティザンにあと誰がいるかと言うと、
ド・ヴィリエ:UMP(今はMPFの人)その実、王党派。カトリック右派で子沢山。
シュベンヌモン:もとミッテラン政権で防衛大臣だったが、第一次湾岸戦争で米国と同盟したミッテランに反対し辞任。社会党を去り独自の党を結成。社会主義ナショナリスト(と実におフランスな人物)。 胆石だったかの手術中にコーマ状態に陥るが、奇跡的に生還した奇跡の人だが、以来なんとなく神がかっていると見るのは私の偏見か。
オリヴィエ・ブザンスノー:郵便配達のお兄さん。若い。アナーキスト。
アルレット・ラギーエ:“労働者の皆さん”で有名な、クレディ・リヨネという銀行に勤めるおばさん。独身。革命に一生をささげたアナーキスト。大統領選の常連候補。
ファビウス:ミッテランの下で第五共和制でもっとも若い首相をつとめた男。頭脳抜群だが血友病薬エイズ感染問題で躓く。たぶんEU憲法で、もたつく社会党内に新しい流れを作ろうとしたんだろうが失敗に終わってる。
(翌朝追記 すっかりフランス共産党のこと忘れてました。ああ。新聞 Humanité は評価できますし、党首のジョルジュ・マリ・ビュッフェも偉い人なんですよ、です。仏語ですけどユマ(ニテ)紙上でNON支持派理論が読めますです、はい。)
(翌々朝追記 ジョゼ・ボベを忘れておった。アルター・モンディアリスト/オルター・グロバリの農民部隊とアタックもNON推進派ですが。このところ影が薄い。)
と、以上はきわめてポリティカリー・コレクトじゃない、とっても個人的見方。“面白くなくちゃ政治じゃない”という意味でとても面白いフランス政治を楽しむツールとしての個人的見方なわけです。ん。
いやいや、“面白い”は“愉快”ではなく“興味深い”ということだよ、と付け加えさせてください。“愉快な政治”の代表は合衆国のブッシュ大統領でしょう。ただ、関係なく攻撃されて殺された某国国民や関係なく攻撃させられて死んだ各国兵士やジャーナリストのことを考えれば、この“愉快な”政治は罪だ、と言えると思います。ところで、ボルトン国連米国大使任命が米国内でもめてるらしいですが、これは当然。現東京都知事を中国・韓国・北朝鮮・台湾・日本からなる極東5国会議に日本代表として送るみたいなもんでしょが、これ。
このブログを訪れるハピィー・フューな皆様は御存知かと思いますが、カナル・アンシェネとならぶフランスメディアのビジュー/宝のひとつ、とてもポリティカリー・アンコレクトなカナル・プリュスのギニョル・デ・アンフォはここで見られます(video をクリックのこと)。フランスの子供たちはこれを見て政治感覚を養うと言うわけでして。あと関係ないけど、今ティーンの間で大人気の《カーームロット/KAAMELOTT》、円卓の騎士パロディ版はここ、英語バージョンないけど一見の価値あり。専業の戦争はそっちのけで、野営での食事問題とか、奥さん・愛人問題とかを延々と論争する円卓の騎士“政治板”と言えなくもない、こともないか。新星のごとく現れた36歳の鬼才 Alexsandre ASTIER が脚本・演出・主演・音楽まで全部やってるというミニ・シリーズで、今は他国への輸出も検討中だそうです。
なお、上の写真は4月28日にTV、FR2 でEU憲法擁護を語ったジョスパン元社会党首。わたしは見なかったのですが、友人たちによるとなかなか説得力のあるプレゼンテーションだったそうです。以下は発言内容から。
『反ヨーロッパというロジックがあるとしても、ヨーロッパ肯定のNONには一貫性がない。』
『2004年に表明された抗議(訳者注:地方選挙での敗北後もシラクは首相を変えなかった)が考慮されなかったから、彼ら(選挙民)は抗議を表明し制裁を加えたいのだ。』
『けれど、EU憲法否認投票は、フランスに対する、またヨーロッパに対する制裁であって、現政権に対する制裁ではありえない。』
なおジョスパンに先立ち、シラク大統領がTVでEU憲法擁護をした翌日アンケートでは否定派が5ポイントアップしたとか。おいおい。
現場にいても希望的観測しかできない人ですね。
投稿情報: とおりすがり | 2005-06-04 06:42