昨日19日は、アメリカ(とその同盟国)によるイラク攻撃開始から2周年だったわけです(9.11から4年目ですね)。イラク攻撃から2年たってもイラク治安状況は良くなってはいない。このままでは来年春の総選挙を勝てないと踏んだベルルスコーニは、イラクに駐屯する3000の兵士撤廃をいったんは宣言したものの、クギを刺されたらしく、撤退は米英と協議して、とか誤魔化しておる。まあ、イタリア市民が夏休みに入る前に何回か揺さぶりデモやって、ベルルスコーニも 『これだけの国民の声には逆らえない』とか言って、結局撤兵という形になりそうだ。そうすると次に辛いのはブレアですか。
再選後のアメリカ外交の本意がどうも見えてこない。ボルトン米国連大使指名のあとは、世界銀行総裁にあのウォルホウィッツでしょ。一時はスティグリッツにめちゃ叩かれてた世界銀行ですが、本来の仕事は資金を必要とする国家群の開発が目的だ。IMFの長はヨーロッパから、世界銀行総裁は米国からというキマリなんで、まあ適当な人材がいないんでなんと、U2のベノを総裁候補にとか米政府は考えてたらしいという、信じられないような事だが本当らしい。だいたいあの人、アイルランド出だよねえ。
このウォルフォ人選にはNYタイムスはもちろん、通常米よりの英ファイナンシャル・タイムズまで『悲しい選択』と憤慨している。『何故 ウォルフォウィッツ?』と言うタイトルはNYタイムズもル・モンドのエディトリアルも使っています。クーリエ・インターから拾ったですが、LAタイムズは《Esperanto for Neocons - What's next, Donald Rumsfeld being shipped off to run UNICEF?》 というタイトルで記事書いてる。次はラムズフェルドがユニセフ理事か?ネオコンにエスペラント語、という感じですか。この、外交はネオコンで固める作戦ってのは、対欧州強硬策じゃないかと欧州勢を悩ませている。現時点ではその気はないが、"もし欧州のNGOとも協調すれば、EUはVETOに持っていく可能性もある" とはル・モンド社説からです。
ライス国務長官の一見ソフトな言論と実はネオコン・ダイハードな内実ってのが真の米外交なのか。そんで、実際の内政面では、宗教引きこもり的《中絶違法化》《安楽死違法化》といった“モラル”論争を続けて、実際もっと重要と思われる、石油価格高騰も絡む双子の赤字だの、年金民営化や、底なし軍事予算増額とかはそのまんまだ。もちろん、神様がついてんだから大丈夫なんでしょうがね。
《アメリカ外交50年》のケナンが亡くなりました。ある意味、冷戦の父です。そしてポスト冷戦ジオポリ変革期の胎動はまだまだ続きます。
フランス新聞事情
Asahi に続いてル・モンドもウェブ版スキンを変えました。こっちも広告系のスペースが増えた。日本のように自宅配達がほとんどないフランスでは、大手ル・モンドと特にリベラシオンの赤字が大変で、最近ル・モンドはスペインのエル・パソスから、リベは仏ロチルド財団からの資金援助を受けることが決まってます。
ル・モンドの場合は、外国資本が入ることを恐れてでしょうか、他雑誌買収しすぎたということもあるし、オピニオン紙になれた私には喰えないが、高校生や忙しい人なんかに人気がある20minutes とか Metro といった(読むとこも無い)無料新聞の開発や、ネット版に押されて売り上げが伸びない(米国のようにブログに押されてではないです)。学生時代ル・モンドとラジオ『フランス・クルチュール』で仏語力をつけた私ですが、今ではウェブ版のほうが使いやすい。
記事がすぐ有料化するのは困りますが、他国新聞を隣で開けて比べたり、肝心なところはコピペで保存したりできるので便利ですね。面白いのはやはり紙版で、思いがけない小記事にぶつかったり、特集などでは関連記事がひと目で見えるというのは換えがたいですが、ル・モンド一紙丁寧に読める時間というのは週一回あるかないか、、買っても実際記事読むのはネットでだったり。
フランスの新聞は好きなので、無くなって欲しくない。それにはちゃんと買わないとね。あるいは月15ユーロ(訂正:現在6ユーロ)でネット版購入ってのもある。これだと過去のアーカイヴも読み放題だし、各種特集やデータベースも読めるんですが、、、理想は紙版毎日+有料ネット版だが、ノンプロには辛いなあ。夏休みを目指して、金貯めたいしね。
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