1ヵ月前の今日だけ日記日は冬だった。今日のパリはほぼ初夏。またしても今日だけ日記をつけてみる。
昼ごろから街に出る。おっというカンジで人出。冷やかしに寄ってみたブールバール・オスマンのデパート街は人多すぎで退散。
またスターバックスが細胞分裂、増えている。日本では通りがかりに軽く入って、夏ならアイスコーヒー、冬ならカプチーノなのだが、パリのスタバはまだ行ってない。だってカフェがあるもん。(スタバは昼から酒飲める雰囲気でもないし、タバコも駄目だしね) 昔風の(というか昔のままで改装してない)カフェ、ザンク/亜鉛めっき版製カウンターがちゃんとあって、音楽もかけてない“真面目な”そして“有名でもない”カフェってのはまだ残っていて、各界隈に行きつけの店がある。そういうところには、そういうお客がちゃんといて、1960年代の雰囲気をまんまやっている。こっちも(ちょいと時代は違うが)私はフジタですってカンジに偉そうにタバコをのんだりル・モンドを読んだりくつろげる。ところで、京都の“イノダ”はまだあるのだろうか。
そのまま、メトロ三駅先の某すし屋に直行。寿司定にビール。オヤジとホリエモンの話になる。
相変わらず車の入れない通りまで人だらけ。天気良すぎ。20度ぐらいか。タンクトップのお嬢までいる。もちろんへそ、およびお腰のハリも陽にさらしている。体重85キロ以上の方はお止めになったなったほうがいいと思うが、これは内政干渉であろう。
冬中お世話になったティンバーランド・ブーツはさすがに気後れして、コンバース履いてきたけどいまいち気分が優れん。短パンにトング(ゴムぞうり)はまだ早すぎる。スニーカーを買おう。プーマにしようかと思ってたんだが、パリ中プーマ。スエード・キャットつきを小学生から60台のマダムまで履いてるんでさすがに引いた。あれ、最初はマレ(ホモ)地区ハイセンス・ファッションヴィクティム御用達だったのが半年で一般化してしまった。
レアールでアシックス鬼塚タイガー専門店を見つける。これにしょ。結局買ったのは黒でラインが茶のやつ(90ユーロ/1万2500円なり)。店のお姉さんに、日本では流行ってるのかと聞かれる。流行ってるだろうねえ。中学時ここのサーカーシューズ持ってた話になる。今回のタイガーブーム、キル・ビルのユマ・サーマン姐さんが火付け役だね。“虎”と漢字入りまであった。ま、黒なら案外フォーマルな格好でもはけるので便利。
ついでに、界隈のGAPで値下がり物のTシャツ2枚購入(1枚 6.99ユーロ/980円)。去年の夏はユニクロ、アンディ・ウォホール物で通したが、今年はあれじゃなんかクリーンすぎる。もっとラフでタフなのがいい。買ったのはノスタルジック・アメリカン・プリントって風。アメリカングラフィティ時代のアメリカだなあ、やっぱ、いいのは。何故か映画 《バッファロー'66》 を思い出す、なんでだろ。
今年の夏、女物の靴は船底式エスパドリーユであるらしい。Bバルドーとか、ローマの休日のオードリー・ヘップバーンだな。良い。短編《夏服を着た女たち》でアーウィン・ショーが描いたのはニューヨークだが、日差しが射すパリもそんな感じ。美しい人が多いことは良いことです、男も女も。
てなわけで、ショッピングの半日になってしまった。買ったもの:日本マークのスニーカーは中国製で箱だけ日本製。米国マークのTシャツはトルコ製。寿司、魚と米は欧州産、握った大将は日本製。喰い人とビールも日本製。
園芸大型店まで足を伸ばし、ばら用病気予防剤(農薬とは呼ばない、消費者が逃げる)と、オーガニック肥料購入(我が猫額バルコニーには植木鉢が並んでいるんです)。店に来ているのも、白黒黄色の老若男女。若い女の子はあんまりいない、夏服を買いに行ってると思われる。園芸、去年あたりから流行ってます。ホモのカップルも多い。単独青年も多いんだよね、何故か。レジでとなりだった30歳ぐらいの園芸オタク、買ったのは食虫植物とゴジラ風変形サボテン。中国の人の選び方は見てて面白い。ここもスゴイ人ごみだが、皆さん気分は和んでいて客同士で苗の育て方とか教えあっている。選んだ植物を得意そうに運ぶ人々は幸せそうである。土に手を突っ込んで、もにょもにょやるというのはやり始めると癖になるのだよね。
と、帰ろうとメトロに乗ったら今日は、マイヨール/Maillol 美術館のクリムト展に行くつもりだったことを思い出す。忘れていた。ギュスターヴ・クリムトのエロチック・デッサン展である。5月末までやってるので時間はあるから次の機会にまわす。
買ったスニーカー、製品名はtai-chi/太極拳なんだよね、んー。
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