« やっぱりCPE -- でもクリップだけ | メイン | シラク大統領が法発布表明したんだが、何だコレ? »

2006-03-31

コメント

Simon

・フランス雇用実情 
コールセンター業務は英語圏はインド 仏語圏はアフリカ、日本語は中国に移ってますね。
だいぶ前になりますがVivendiもコールセンター業務を移さない、ということで、労組と合意に至った、というニュースがありました。

・CAC40(フランスの大企業40社からなる株式上場)企業の収益はどんどん拡大しています。
どうも猫屋氏は米国の年金ファンドはお嫌いなようですが、企業がその営利活動を進めていく上で、収益を増やそうとすることは 資本主義社会において自明の理でありましょう。
それを放棄したら、諸所のステークホルダーに対して責任を放棄することと同じです。
またこの数年の市場における金余りと、国際的なファンド組成により、
企業買収が容易になりました。
これは新たなる帝国主義の中での侵略でありましょう。
万が一にも他国から変われた企業は、株主利益のために解体され、解散されうる可能性がある。
そうなれば、自国の雇用と経済を守るべく株主価値を高める経営を行なう必要性があります。
過度な利益追求は問題でありますが、極端な重商主義嫌悪による規制は
孤立を生み出しかねません。 全てはつながっているのだよ。

更に、株式市場で得た資金で何を買うか、という自問に関しましても
いずれの世にも現れる新興成金のうちの幾人かは、文化財を求めました。
それが次の世に受け継がれるとするなれば、市場で得ましたあぶく銭も
人類の文化に貢献せずとはいえますまい? ホームズ君?
とモリアーティはかく語りき。

猫屋

コールセンター:うちのADSLのサポセンは一般アシストは多分モロッコ、問題が込み入ってくるとネイティヴ・スピーカーに変わるんですが、ネイティヴが本土にいるんだか現地なんだか判断できないですよ。日本では中国に移ったところが多いようです。電話でのセールスも他国からのものある気がします(あの仕事だけはやりたくないですが)。

米国年金ファンド、嫌いです。てか、現在の株式システムを変えるとかなり状況変化するでしょう。デイトレード規制とか。まあ、誰が猫に鈴つけるの、の問題になりますが。
なお、これはEHカーの受け売りですが、絶対自由貿易というのは過去にも存在しなかったし、これからも存在し得ない。また逆にプロテクショニズムを行使しなかった国家も存在しない。私が考えているのは、現在の状況は権力のお引越しがなされて政治が単なる経済活動の(あるいは世界資本の)ツール化したんだ、と思っています。エマニュエル・トッドにもさほど遠くないんですが、適度なプロテクショニズムは肯定できると思います。過度な利潤追求はこれからさらに加速されるだろうと思う。ローカル文化破壊も。

また自由の王、合衆国で最大級の貿易港をサウジ資本が買っちゃうって話は不謹慎ながらあまりの合論理性に失笑してしまった。でも、ドルの刷り合戦はやばいと思うんですけどねえ。ドル買いもですが。

なお、以前のエントリであげたケペル教授のインタヴューが、アルカイダ論なんだけども同時に現在のネット文化やセクト化にも当てはまるんで、あれは面白いです。訳しませんでしたが。リゾーム・マルティテュードがressentiment反応から悪い方向に機能しちゃってます。

ビル・ゲイツの文化遺産投資と貧民救済事業、すごいですよね。確かに集中権力がもたらした遺産ってのは北京・奈良・京都にしても、ローマにしても大したもんだですが、同時代に生きる内部奴隷には辛いんですよ。このごろ起業を考えている猫屋であります。脱出は可能なんでしょうかねえ、わからんが。

しかし、フランスはどうしたって革命の国なんですね。国家理念がそこにあるんだな、としみじみ思いました。私の仏文先生である近所の80のおばあちゃんに、19世紀仏文学の性格を一言で言うとなんでしょか?と質問したら、もと教員のおばあちゃん“革命!”といってたですよ。などど、長話でした。

猫屋

イタチの最後っ屁を忘れてました。
“哲学は女の子ひとり孕ませることも出来ない” 広松渉のことばであります。関係ないけど。

renqing

>19世紀仏文学の性格を一言で言うとなんでしょか?と質問したら、もと教員のおばあちゃん“革命!”といってた

 Simonさんの一つ前のコメントとも関連しますが、「明治維新」など、革命と言ってはいけないのだと思います。権力者が交代しただけで、国家の統治構造は微動だにせず、あまつさえ、「近代化」の装飾があるだけに、革命ロマン主義の妄想だけを残しました。《明治軍事クーデタ》と呼んだほうが実態に即している。「明治憲法」もその神聖装飾の小道具に過ぎません。「回復の民権」が「恩賜の民権」(←中江兆民「三酔人経綸問答」1887)にすり替えられました。
 かつて、「戦後を疑え」と叫んだ評論家がいました。でも、彼は、こういうべきでした。「明治を疑え」と。

猫屋

もちろん平和革命を信じたいわけですが、日本はちっとも変わらなかったには賛成です。
中国もまだ封建してると思います。マオは封建の親分だったと思う。

この記事へのコメントは終了しました。