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2011-03-25

コメント

box96

こんにちは。

福島原発の報道ですが、個々の現象ばかりでそれぞれがなにを意味するのかが見えてこないという状況は、日本にいるとより強く感じます。日本のマスメディアは、政府筋の情報がやたらと多いのとそれをそのまま流す傾向がありますが、今回の原発事故では、それに加えて、次々とおこる現象を追いかけるのに精一杯という印象です。二号路から黒い煙があがった原因も、海から強い放射性物質が検出された原因も、復旧現場で高濃度放射性の水たまりがある原因もすべて「現在調査中」のまま、次々に新たな事故と状況が報じられていくという状況です。そのため、ひとつひとつの現象が「点」として散りばめられるばかりで、それらを「線」として結びつける、「それがなにを意味しているのか」「なぜそうなっているのか」「今後どうなるのか」という肝心なことがわからないまま、事態だけがどんどん進行しています。なんだか安部公房の小説みたいです。

情報をもっている側の政府と専門家はうかつなことは言えないと口をつぐみ、その一方で、素人評論家たちが当て推量と思い込みをネットにまき散らしているので、そりゃあみんな不安になるよという感じです。そうした素人評論家の中には、一万年後まで見通すという預言者まで登場して、ますます安部公房の小説みたいです。普段なら大笑いなんですが、いまはあまり笑えない状況です。
http://twitter.com/ikedanob/status/47520416402649088

私は原発の評価とイデオロギーを結びつけるべきではないという立場なんですが、日本は原発推進を「国策」としてきたせいか、ネットの評論家たちには、いまもそうしたイデオロギーと結びつけて全肯定・全否定する傾向が強いように見えます。

猫屋

こんにちは。

そちらの天候はどうでしょうか。NHK見なくなったので、東北の空の様子が気にかかります。

これはいつか文にしたいと思うのですが、若い頃突然母が倒れて、それまで小説や絵画などの「空想世界」が「現実世界」よりも大切だと信じていたのが、現実とは「空想」を簡単に蹴散らすとこができる「暴力」なのだと、やっと気がついたことを思い出しました。「現実は圧倒的に空想を凌駕する」とノートした。←埴谷雄高とかカフカを読んでた頃です。

池田某は、フーコーを引用して、文の最後で「だから民営化が必要だ」と持ってくるヤカラで、なんであんなのの言うことが重要視されるのかまったく理解できない(他のブロガーにもいますが、多分オーダーしてるヘッド組織があるんでしょう)。

原発には、背後にビッグ・マネー、ロビーが控えていますから、複雑です。
原発とエネルギー全体、それに建設・軍備・医療・教育は、それぞれ最初から政治性が強いセクターなので、対する私たち一般人が心してかからないと、同じ間違いを繰り返すことになると思います。

おまけに、メディアがメディアとしての機能を果たさなくなって、それでジュリアン・アサンジやアノニマスなどの活動が出てきた。

被災時の人々の冷静さや、東北の復興が驚くほど早いのは、日本の縦型社会構造がうまく機能したおかげだと思いますが、この縦型が悪いほうにふれれば、福島第1での作業者被爆、といった惨事にもなる。難しいです。

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