昨夜(18日月曜から19日火曜にかけて)、NATOの対タリバン戦に参加していた仏海軍パラシュート部隊は、アフガニスタンの首都カブールから50-60km東の Saroubi においてパトロール中にタリバンの攻撃を受け、10名が死亡、21名が負傷した。
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アフガニスタン:仏10兵が殺害され、米軍基地攻撃される Afghanistan: dix soldats français tués, une base américaine attaquée
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この数週間、アフガニスタンでの状況悪化があって、先日はヒューマニタリアンの4女性が車に乗っているところを襲撃され死亡している。
昨日は、パキスタンのムシャラフ将軍が、大統領籍から辞任した。
グルジアはアフガニスタンから2000名の兵士を引き上げたばかりである。
なお、アフガニスタンで攻撃を受けた仏パラシュート部隊は、この4月サルコジがブカレストNATO会議で明らかにした、アフガン仏軍派遣増兵の一部だったはず(1430から約3000への派兵)。
批判の声が大きく上がったこの増兵政策を、サルコジは“NATO内部でのヨーロッパの発言権を強め、さらに将来のヨーロッパ軍構築の下準備には、アフガン出兵は必要”といった内容の説明をしていた。もちろん、それまでのフランスのド・ゴール主義(NATO軍事中枢からは一線を引き、仏独自の外交を展開)から、より米国よりの外交政策への転換を強調するためのアフガン増兵策だったはずだ(古い言い方だが“血の税金”なんだろうか、、)。
だが、米国の先導するアフガン戦争の実体は、イラク化がますます進んで、アフガン・カルザイ政権がコントロールする領土は首都カブールに限定されている。攻撃のあった場所はカブールからペシャワールの間にある。今年になってからのNATO軍外国兵の死者は176名(コーラテラル・ダメージ=市民犠牲の数は不明)。
“対テロリズム戦”の意味合いがますます曖昧になっているわけで、アフガニスタン戦争はいったい何のためなのか、NATO自体の存在理由とともに、もう一度問われるべきだろう。また、かつてのソヴィエト軍による対アフガン戦争が、ソヴィエト弱体化を促したことも想起すべきだ。
(しかし、タリバンに対して資金・軍備援助をしてるのは誰なんだろう)
追記:夜のニュース(France2)を見たら、ニュース第一報がアフガン。でも、この出来事を“タリバンによるテロ”と言っててびっくりした。
以下は以前にもリンクした軍事専門仏ジャーナリストの個人ブログSecret d'Défense から、アフガニスタン:待ち伏せ攻撃の展開/Afghanistan: le récit de l'embuscade
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