片目で観戦の北京オリンピック(水泳だけ):上は11日の決勝。すごいです。ありゃま仏チーム金メダル取りそう、と思ったら米チームに50cmの 差をつけてスタートしたアラン・ベルナール、最後の数メートルでベテランのジェイソン・ルザック(32歳)に抜かれ、0.08秒遅れの銀メダルでありました。
チーム戦だからでしょうか、あるいはこの種目で久々の米優勝だからでしょうか、いつもはクールなマイケル・フェルプス君も“雄たけび”してます(しかし、フェルプスの金と新記録収集はどこまで行くのやら、、、G8が予想されておりますね)。
なお、ヴィデオの後半で専門家が言ってますが、追いつかれたのには、レーン近くで泳いだベルナールの作る波に乗ったルザックが最後にスプリントかけた、という作戦的な面もあるのだそうだ。ふーむ。
このレースばかりではなく、水泳ではバタバタと新記録が出て、凄いことになってる。明日(14日)には、男子100メートル自由形決勝があるんですが、仏時間ではなんと朝の4時46分開始だそうで、、ちと辛いなあ。
残念ながらTVの録画放映では、いつ水泳を流すかわかんないので、合間にビーチ・ボールのマドモアゼルの水着姿を鑑賞したり。(グルジアとロシアのお嬢さんがたが試合前に抱き合ったりしてましたけど)、ところでビーチ・ボールはなんでオリンピック種目なんですか?
ペキンでのフリー・チベット抗議集会を取材してたBBCジャーナリストが現地警察の袋叩きにあってましたけど、オリンピックと政治は切っても切れない仲なわけであります。
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ところで、オリンピックとか見てると実感するのが、旧ソヴィエト圏国家の多さです。
かつての世界制覇力を失いつつある(そしてイラクとアフガニスタンというふたつの戦争を抱える)米国を目前にし、原油・天然ガス価格高騰という経済的バックグラウンドに押されたプーチン・ロシアがグルジアで展開する強硬軍事戦略の目的は、かつてのソヴィエト帝国ブロック再構築なんじゃないか、と思えてきます。
グルジアを叩くことで、周辺の旧衛生国群にも危険信号を送っている。コーカサスは、その民族構成が複雑なうえに、カスピ海・中央ロシアからヨーロッパへの天然ガス・原油パイプラインの通り道でもある。
今回のロシアの対グルジア軍事行動で、もっとも肝を冷やしてるヨーロッパ諸国は、ロシア対岸の北欧諸国フィンランドやスウェーデンとか、ポーランドとかだろう。ドイツもそうだ:経済力を取り戻したドイツだが、エネルギー源の(たしか)80パーセントをロシアに依存しているから、強硬な対ロ外交は取れないという事情がある。
しかし、米国大統領選挙が落ち着くまで、世界ジオポリはにらみ合い状態が続くかと思ってたが、プーチンは先手に出た。
仏政府から派遣されたクシュネール(ヒューマニタイリアン)外相がこの11日、グルジアのサアカシュヴィリ大統領とゴリを視察中、ロシア軍属らしきヘリコプターが上空を飛行。すわ攻撃か、というので緊急避難という報道画面を見た。これは(ヘリコプター帰属先に関わらず)外交威嚇である。
翌日のメドベジェフ・サルコジ会見で出された和平6案は、ヨーロッパサイドは大きく譲歩した形で、決定的なものではない。
ポーランドは、MD基地受け入れを発表。世界地図再編成が続くよ。
ル・モンド参考記事
“プーチンの第2の戦争”(13日):La seconde guerre de Vladimir Poutine
“グルジア、ナトー、コソボ:ロシアの復讐”(11日):Géorgie, OTAN, Kosovo : la revanche russe
リベによるサアカシュヴィリ大統領のポートレート記事:Saakachvili, de la Révolution de la rose à la guerre
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なんだ、アルテ発行の最新世界アトラスとか見てたら朝の3時半過ぎになっちゃった。あと一時間待って、100自由形決勝をリアルタイムで観てやろう。