昼近くまでゆっくり寝て、あとはのんびり、パリ市庁前のスケート場に子供たちを連れて行ったK夫人に歳暮を届ける。内容は、すき焼きキット:薄切り肉を皿にもりつけ、しいたけ・春菊などの各野菜に割り下つき。
通り道のサンジャックの塔は改修が進んでいて、天気がいいときは、レース編みと形容される白い彫刻がよく見えます。アタクシはフランスに来て以来、マックロケのサンジャック塔しか知らなかったので、ははあ、と眺めておりますよ。極めて繊細。ブルゴーニュやブーコンブレスの教会の彫刻に近いね。
市庁前の臨設スケートリンク。貸し靴の建物が、エスキモーのイグルーという趣向。今回は滑らなかったけど、あんまり人が多くないとき内緒で試してみたいです。スケート靴は5ユーロで借りられて一日滑り放題。リンクはただ。夜もちゃんとライティングありのようです。滑れない子供や大人にもちゃんとペンギンとか歩行器みたいなのが用意してあるから、中学以来スケートしてないアタクシでもどうにかなりそう。
ブツを届けて身軽になって、用事も荷物も書類もなしにパリを歩くなんてほんとうにひさしぶりです。人の多い通りを進んで、バスティーユ近くの本屋シャルルマーニュにてクリマスカードとプレゼント用の何冊かの本を購入。それからまたシャトレまでもどって21番のバスに乗り、サンラザール近くのフナックへ。
暗くなったオスマン通りは予想通りにすごい人ごみでした。フナックも満杯状態。ここまで来たのは、本屋に来るたび気になって横目で見ていたバディウの小冊を探すため。シャルルマーニュには見あたらなかった。
とにかく本を買わない主義のはずの猫屋なんですが、近しい友人にクリスマスプレゼントとして贈ってあとで貸してもらうというテク(成功率は低いのだが、たまにはビンゴ!)を採用。
でもフナックでも見つからない。で、カウンターのお姉さんに聞いてみた。“Est-ce que le petit bouquin de Badiou sur sarko est toujour là ?” “Non non, y'en a plus. Ca se vend trrrreees bien.” “Ben... Tant mieux; y'a de l'espoir !!”
訳しますと;「バディウのサルコ本まだある?」 「ストックなしなの、ホントによく売れてるからね。」 「えっとおー、それってラッキ。いいニュースだよね。」 みたいになります。
という訳のアラン・バディウの小冊とは:"De quoi Sarkozy est-il le nom ?" Alain Badiou; EUR 14
なお、アスーリンは、バディウがサルコジをラ、つまりねずみに比較してるのに憤慨してたです(ナチスがユダヤはラだと形容していたから)。ミッキーは関係ないのかなあ?
でも、バディウなんて哲学オタ、いや失礼、哲学専門人にしか受けないのかと思ってたんですが、今回は例外なのかねえ。結局アマゾンで注文したんだけど、到着までに1週間から3週間かかるとか、、、クリスマス・プレゼントにならないやん。 ま、いっか。
参照:オプスの(かなりペシミスティックな)バディウインタヴューです。«Sarkozy, nous voilà...»
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本文とはまったく関係ない追記:ヴァティカンにカルラ・ブルニがついて行かなかったのは、実はヴァティカンサイドの要請があったため、だとか。なおカルラは離婚訴訟中。サルコジは2回離婚済だけど、大統領だからOKなんだそうだ。
こんにちは、猫屋さん
夕暮れ時の市庁舎前広場、空の青さに地上の青さは氷なのですね。
シャトレ地区のサンボルのサンジャックの塔は16世紀の始めなのに、わざと過ぎ去った時代のゴチック火炎様式で建設していますが、、どうしてなのでしょうか。
考える機会になりました。
おそらく、想像ですが、肉屋さんたちの組合の主張が、カトリックだったからなのでしょう。
それとも宗教世界の流行にはズレがあるのかも知れません。つまり保守的だという。
投稿情報: bxev | 2007-12-28 13:32
フランス北部の、天気がいい冬の日の光は特別ですよね。そこにゴシックの塔がとても似合っちゃう。ストラスブールの聖堂もいいです、冬。
サンジャックの原型は13世紀に建てられたそうですし、巡礼の出発点だし、ゴシックでいいんじゃないかなあ。。いや、美学・歴史学にうといんで、いい加減なことは言えません。でも、ルネッサンス様式じゃあ似合わないよね(ミッキーもボツだけど)。
キリストはんは、当時の革命家だったという人もおります。仏陀も然り。世界は革命家を待っちゃってるのかもしれません。
投稿情報: 猫屋 | 2007-12-28 15:15