上は、ユーロスポーツの映像を編集したもんですが、フィールドのラガーたちの高さで撮ってる。多くのTV映像の俯瞰するカメラとは違って、身体と身体のぶつかり、線と線を結びパス、そして走りこむスポーツである、ラグビーの動きがよく見えて、面白い。
以下、先週末土曜日、ニュージーランド・フランス・戦(18-20)についての感想です。
フランスが勝っちゃったのは、もちろんびっくり、そしてもちろん喜んだですが、同時にオール・ブラックスの敗退には、おおいにガックシした。一言で言えば「ラグビーでは、最も強いチームが必ずしも勝つわけではない」のです。
フィジックで比較すると、フランスフォワードとNZフォワードの体重は(一人につき)、103.5に対して90.8、つまり12.7キロ違うし、バックスでも111.5対94.4で17.1キロの差がある。上のヴィデオを見ても分かるけど、おまけにオール・ブラックスも敏捷さは目覚しいものがあるわけなんですね。
残念ながら病気が原因で引退した(体重119キロで、100メートルを10秒8で走る)ロムーの、三人がかりのタックルを振り切ってトライする姿は、世界中のオールブラックス信者には忘れられない光景でありますが、あれこそNZの正しいラグビーなわけだ。
それに対してなぜフランスが勝ってしまったのか。イングランドが、オーストラリアになぜ勝ったか、というもうひとつの質問にも通じるかもしれません。結局、戦略で勝ったんだと思う。それと試合の流れ、という大変重要な要素がある。
フランスに関して言えば、スクラムが簡単に潰されるのは明白だから、とことんスクラム戦を避け、キックでボールを進めていった。かなり激しいタックルでブラックスのボールの流れを止めた。自己ゴール前のモールでの守備戦を固めた。同時に(以前はフランスお家芸とも言われていた)ラフプレイを極力さけ、結果ペナルティでの失点を許さなかった。
あとは後半、McAlister のイエロカード退場後、NZでも恐れられているシャバルをに起用して試合展開に、「?」印を頭に描きはじめていたNZメンバーを威圧、同時にミシャラク登用で新展開させた。
NZサイドで言えば、絶対勝てるという自信が逆目に出たんだろう。10分間の14-15というギャップと、カーター・エヴァンズ・コリンズの退場も痛かった。しかし、NZの攻撃はすばらしかった。McAlister (18分)、So'oialo (63分)のトライは、これがラグビー!と叫びたくなるようなものだったし、試合最後近くのオールブラックスのメソディックな攻撃には本当にはらはらさせられた。
試合直後に仏ネットのそこここのフォーラムでも話題になっってたけれど、トライユからミシャラクへのパスは軽くだけどフォワードパスだった(本来はパスを前方に出してはいけない)。これとイエロー・カードを恨んだニュージーランドのファンが、審判(若いイギリスのロイヤー、仏語もしゃべる)を「殺してやる」というメッセージをネットで流したらしい。気持ちは分からんでもない。
しかし、ラグビーでは審判判定は絶対なのだよ。主審と二人のライン・ジャッジではすべての動きを把握はできない。トライの有効性判断ににはヴィデオも使われるけれど、試合の流れについての判断は主審にゆだねられてる。それに、この試合では、トライにつながるフォワードパスはNZサイドにもあったと思う。
しかしなあ、、オールブラックスがWカップで優勝したのは第一回の1987だけってのは不思議です。ニュージーランドのTVが、「Putain encore 4 ans !」と、ギニョルのセリフをコピペしてたらしい。4年後の大会はニュージーランドで開催されるわけで、あと4年待つのだよ。
というわけで、仏住人にはめでたい勝ち戦でしたが、TF1での放映では、トライが決まるたんびに(フィヨンと最近とみに化粧の濃くなったダチ法相やクリステャン・クラビエを従えた、強きを助け、弱きをくじく)新大統領の姿を映し出してて最悪。対アルゼンティンの負け試合では、カメラはまったくあっち(NS)向けなかったのに、「イヤラシイったらありゃしない」(←今はなき猫屋のばあちゃんの口癖)。
追記:試合開始直後、強い当たりで倒れたベッヅェンなんですが、検査結果は異常がないようです。全然動かなかったから心配したけど、土曜の試合には出られる様子。安心した。
なお、対NZ戦での仏負傷者リストがル・モンド記事に書いてありました。
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先週日曜午後の、南アフリカ・フィジー戦は、泳ぎに行ってたんで残念ながら見られなかった。フィジーが健闘した模様。
日曜夜のアルゼンティン・スコットランド戦もよかった。フランスプロ・チームで現役のプレイヤーも多いアルゼンティンがワールドカップベスト4に進出するのは歴史初めて。南半球(NZ・オーストラリア・南アフリカ)とも、英国のとも、フランスのとも、また一味違ったダイナミックでかつクリエイティヴなラグビーを展開するアルゼンティン・チームと、現地でのプロラグビー衰退を背中に背負って踏ん張る、きわめてブレイヴ・ハートなスコットランド・チームのぶつかりに、猫屋はドキドキしっぱなしでありました。結局は、のぼりっ調子のアルゼンティンがそのままスコットランドの粘りを振り切った。
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さて、準決勝イングランド・フランスは今度の土曜であります。今度ばかりは友人たちと近場のパブに繰り出す予定。しかしなあ、四年前も、たしか1999年もフランスはイングランドに負けておる。問題は、ウィルキンソン。あのキック力=強すぎ。シャバルにまずウィキイの足折らせてですねえ、、というのはもちろん冗談であります。
20ミニュッツのラグビー特集がお面白い。以下は編集部女子サイドが選んだイケメン特集から。video つき。ヘルナンデスやミシャラクの、ヌード・カレンダー撮影風景とかもあり。もちろん彼らのラグビー・パフォーマンスも、ウィルキンソンとベッカムがキックしてたりも観られる。
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