15歳と17歳の少年が、逃げ込んだ変圧所で死亡したあの事件から一年が経ちました。昨年12月のル・モンド記事猫訳参照:“ブウナ・トラオレとジェッド・ベナの最後の日”
つまりパリ・バンリュウ暴動から一年。今日のル・モンド記事です。クリシ・ス・ボワ、ジェッドとブウナの記憶のための沈黙の行進
*
少年達の家族支援のためのアソシエーションADM(Au-delà des mots/死を越えて)が中心となり、市長が先頭に立って行われた行進と集会でしたが、参加者約600人に対して、国内はもとより世界中から集まったジャーナリストの総数約100人だった、とTVの報道では言っていた。
この事件後、フランス中に広まった騒動連鎖にはマスコミ報道が火縄役を果たしたことは事実でしょう。
実際に、2人の少年の死に、警察サイドに責任があるのか、どうか。この点に関してはいまだ明快な答えが出ていない。ただ、昨年10月25日、つまり事件の2日前にあったサルコジの“ラカイユ”発言にはついては、メディアがなにも語っていないのが不思議です。なお、ラカイユ/racaille についてはウィキペディア(短いけど英語版もあり)を参照ください。
また来年秋に大統領選を控えたサルコジ氏(大統領選候補にして、UMP党首、かつ内務相、およびセシリアの現亭主)、ル・モンド紙によれば暴動後一周年を無視の姿勢であるようですな。しかし、fermer sa gueule とか sale gueule (パリ空港荷物係員解雇の際の発言)とか、日本語に訳しようがない、(猫屋もめったには口にしない)言葉がホントウに好きな御仁である。本日のバンリュウ各地に4000名の警察官を送ったのは内相、しかしここでめったなことを言って暴動再発が起こることを恐れるのは大統領候補なんでしょう。
こんばんは。新学期になってからずっと忙しかったので、記事のクリップ大変助かりました。
それにしてもこのおじさんいったい何なのでしょうか。
口汚い上に警察の陣頭指揮が大好き。たまに彼のファンだという日本人に遭遇するので、日本語であってもそう気軽に悪口を言えないのが辛いところです。
この人が大統領になるくらいなら、たとえ生前ブルデューが右翼だと言っていたとしてもロワイヤルの方がまだましな気がします。
選挙権があるわけじゃないからそれほど大統領選に興味は無いんですが、この男が大統領と呼ばれているところだけは見たくないなあ。
ではお邪魔しました。
投稿情報: pol | 2006-10-29 02:05
おお、pol 氏こんばんは。大学の中の人なのですね。
そう、あのちびのおっさんです。昔、石松君というマンガに出てきた眼がつながってるおまわりさんに(行動が)そっくりです。彼の絶え間ない努力のおかげでしょう、刑務所は定員オーヴァー、結果犯罪者の再生産。おまけに裁判所は焦げ付いています。だいたい、ブルデューの生きていた時とは世界情勢も大違いです。選挙戦には興味はないけれど、その結果には自分の運命がかかっているのでね、やはり腹が立つ。大統領セゴレンヌ、経済相DSKではどうでしょうかね。内閣にバイルーも入れたっていいよ。ファビウスは次期共産党首ということで。。。冗談です。
投稿情報: 猫屋 | 2006-10-30 01:35
いえいえ単に見るもの・聞くもの・読むもの何でもどっと出てくるから、ってことで。それにしても本当に外国語で本を読むのは時間がかかりますねー。
彼が大統領になればこの国のあり方は大きく変わってしまうでしょう。というかすでに変えつつあるわけですが。猫屋さんの将来が左右されるだろうって話だって単なる杞憂じゃないことが恐ろしいわけで。
脱線しますが「哲学者のサルコジ」(byブリュックネール、新刊売れてるんですね)ことフィンケルクロートも勘弁ですが、二人ともよくしゃべりますねー。フィンケルはあの美しいフランス語で言うことがすごいので土曜の朝からしばしば不愉快な気持ちにさせられます。それにしても、あれほどゲストを差し置いて語る司会者って他にいるんだろうか。
猫屋さん風邪お大事に。だんだん寒くなってきましたね。南の方は狂い咲きですか。
ではでは失礼しました。
投稿情報: pol | 2006-10-30 11:21
そうそう、夏休みあけからクリスマスまでは時間が脱兎のごとくに過ぎ去りますが、900ぺージ級の本は持って歩くわけにも行かないし、読むのに時間かかりすぎです(5冊ほどたまってる)。しかし、仏語でもアメリ・ノトンとかだと半日で読めちゃうんですけどもねえ。
どうも旗色が悪くなってきたらフランス脱出決行ーーというわけにも行かないところが辛い、です。ゼロから仕切りなおしするには年とりすぎだし、ニッポンに帰るのもヤダ、ですし、困る。
脊髄反動フィンケル(笑)がエドガー・モランに食って掛かってるのを先日FR3で目撃しました。ブリュックネールまでサルコしてるんですかあ、この頃は。。。なんなんだろうね。いわゆるpeupleの、あるいは年長者の“サルコ”支持、つまりTV見てる人、ジョニー・アリディのTシャツ着てる人、とかフィガロ読者のサルコ支持は分からないでもないけれど、ある程度本も新聞も読む仏人がサルコに行くってのは何故なんだろう。バイルーぐらいでいいのに、とか勝手に思うんですが。
投稿情報: 猫屋 | 2006-10-30 21:58