これだけの反対があっても、あるいは反対があるからなのかド・ヴィルパン首相はCPEを取り下がる、あるいは延期、はたまた性質の変更も受け入れられないとしている。
火曜にあった学生デモ参加者総数は警察発表で4万人。水曜日現在講義に支障の出ている大学は全国で61校(火曜に58校だった)とはAFPの発表。運動に加わる高校の数も増え続けていてUNL(高校生ユニオン)代表によると全国600の高校で授業がまったく行われていない様子です(ソースはリベ)。
友人たちに聞いてみたら、パリ市内公立高校に通う息子をもつ友人は『子供は毎日空のバックパックかついで閉鎖された高校に通ってる』と言っていた。また6区の中学生はもう授業がないのが5日目とか。(とはいえ、公立校の生徒は教職員のストで休校というので慣れているからラッキとばかり遊んでる可能性もあるな。)
パリ5で社会学勉強中の邦人学生さんに聞いてみたら、『今まで滞在許可証取り上げられるのが恐くて行かなかったけれど、友人にさそわれて先週木曜日のデモに初参加しました。』と感激した様子。そう、あれって学園祭ってのりで面白いモンなんですよ。ただ、暗くなってからのソルボンヌ周辺や解散場所の危険な箇所は避けるとかはしないといけません。彼女も、FNよりの『壊し屋』が検挙されるところを目撃したとか。なお彼女によると、サンジェルマン付近のキャンパスは医学部・サイエンス系学生が多いせいか講義は普通どおりだそうで『個人主義者!』と怒ってました。
どうも昨年のバンリュウ騒動時と同様、海外メディアは『壊し屋』攻撃をメインに報道する傾向があるようですが、たとえ土曜の50万からの参加者に比較して実際に破壊活動や機動隊との衝突に加わる学生の数は限られていると思います。けれど、参加校が増えてくれば同時にその場の混乱を利用して暴れたい高校生や非学生も集まるわけ。メディアの映像がさらに破壊活動を増やすと言うメカニズムは去年秋と同様に機能してしまう。
サルコジ内相は『UMP全体がヴィルパン首相に連帯してる。』だが『私は別である。』と意味深いお言葉を発し、CPE雇用法自体を6ヶ月の試験期間で試したらどうかと提案している。←ル・モンド関連記事 木曜発行の雑誌パリマッチにサルコジ内相が写真付インタヴューに応じているそうでありますが、この雑誌はなんというか、ま、歯医者の待合室で読むぐらいしか付き合いはないタイプの雑誌ですが、サルコジのメディア選択はなんとも。しかし、転んでもタダでは起きないサルコジイ。奥さんのラヴ・アフェアをすっぱ抜いたのはパリマッチだったようにも思うんですが。
木曜にはふたたび学生のデモが予定されています。来週28日には、ゼネスト規模にはならない様子ですが複数労組のストが予定されている。というわけで、復活祭を前にしての綱引きはまだまだ続きそうな気配の、雨ばかり降る寒いパリからの猫屋レポートでありました。-- なお、ノルマンディは雪だそうです。
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