私の愛した映画ベストテン
1位 ウェスト・サイド・ストーリー
2位 勝手にしやがれ
3位 2001年宇宙の旅
4位 サテリコン
5位 東京物語
6位 ならやま節考
7位 ラスト・ワルツ
8位 ラスト・ピクチャー・ショウ
9位 ショート・カッツ
10位 ノスタルジア
11位 地獄に落ちた勇者ども
12位 スター・ウォーズ
番外 ゴジラ対モスラ
解説:結局13あげましたし、順番つけられんよー。結局、感性のまだ研ぎ澄まされてた青春時代に見た映画が上位。一位は、母親に連れてかれてみた初めての大人の映画、で同時に始めての外国映画の始めての音楽映画。ショックは強かった。今でも泣ける。フランスで見る日本映画のインパクトも強い。
監督 (順位はつけられません)
フェリーニ ゴダール タルコフスキー キューブリック アルトマン 小津安二郎 +番外として宮崎さん
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ミリオンダラー・ベイビー評
内田教授が『これは明日のジョーだ』みたいなことお書きになってるし、こっちの同年代仏友人が 『俺は泣いたぜ』 と言い放ったもんで、見に行ってしまった。で、あとからその某友人の奥方に聞いたら 『あら、アノ人はイーストウッドが出てくるだけで泣いちゃうのよ』 とおっしゃった。あいつがもろ浪花節人間だったとはしらなんだ。確かに、映画館の暗闇の中でだけ泣くことのできる男がいる。こーゆーやつは、TVの映画とか、DVDを人前では決して観ないのだ。あと書き加えると、フランスには inconditionnel /無条件にクリント・イーストウッドを映画芸術の大家だと信じる連中がいる。これは多分、雑誌カイエ・ド・シネマと新聞リベの責任であろう。証拠として、カイエもリベも読まん私にとって、イーストスッドなんて、ふーん、でおしまいだもん。マカロニ・ウェスタン時代はよかったけどもね。(マカロニ・ほーれん荘後記:Dr スランプの間違い、クリントさんを思い出しますがな。マカロニ違い。んちゃ。)
で、映画ミリオン。オスカー取ったんだってねえ。すごいね大将。いくつもらったんでえ、ところで。と、トラになってはいけないが、オスカーうんぬんはスルー。
映画も文学も、作るのも受け取るのもあくまで個人的作業なのであって、その個人性を一般化はできない。と前置きした上で、
ね式判定はペケである。その理由は以下、
この作品のもっとも押し出したかったメッセージが曖昧。ボクシングに興味のない私にも、Hilary Swank(もと水泳選手)の演ずるマギーの見せる訓練と上達のプロセスは面白かった。これは昔のフラッシュダンスとかもっと昔のマイフェアレディ、中昔のプリティ・ウーマンとかのサクセスストーリ系。RAY もこのカテゴリーで、ハリウッドの得意な定番。(スポンサー EVERLAST が見えすぎでうるさかったが)ここでのイーストスッドのテクニックはさすが、職人だ。ただ、後半の安楽死関係はいったい必要だったのかどうか、私は疑問視。仮定とし考えられるのは、安楽死が米国国内での大きなディベイトになっているから。そして、この部分がなければ、(たとえば私が望んだように)ハッピー・エンドだったとしたらこの映画はオスカーを取れたのか、ということ。決して幸福ではないコーチが牧師に煙たがれるほどの信心者だという設定と、その信心者が教会に背く、というところがネックなんだろう。
あと、最後に彼女が挑戦する相手、世界チャンプが英国人元コールガールのブラック姐さんというのも引っかかる。本来、ボクシングはブラック・ピーポーのスポーツである。なぜなら、飢えていなくては勝てないからだ。だが、アル中とシングル・マザーと肥満とチンピラで構成された白人家庭を飛び出したマギーはその飢えを抱えている。だから強くなった、、、、って、結局この世界、どこまでも同じサークルを回ってんじゃん。この輪廻を断ち切る“死”以外に逃げる道はないんじゃん。救われない。
筋肉娘マギー・フィッツジェラルドにはチャンプになってほしかった。ハリウッドはハッピー・エンドに帰るべきである。悲惨な最期はヨーロッパ映画の十八番にとっといてくれ。
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