あまり気が乗らないが、一応メモということで書いておこうと思って5日前に始めたのだがなんだかあほらしくなり、途中でやめてた。
でも、これまでに書いたトコ、もったいないので残しときます。
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選挙前の記
今週末の日曜、つまり4月22日が第1回選挙。このときに全票数の過半数獲得者がいない場合、2週間後の5月6日に上位2者から選ぶ第2回選挙が行われる仕組みです。
ウィキ日本語版が分かりやすい。2012年フランス大統領選挙
投票予想アンケート結果は、投票直前となったため仏メディアには掲載されなくなりました。こちらもwiki 英語版のページを御参考ください。Opinion polling for the French presidential election, 2012
手っ取り早く申しますと、第1回選挙の結果はオランドがおサル様をいくらか上回る票を獲得するか、あるいはどっこいどっこいなんじゃないかと言うのが、先週末に出たアンケート結果を見たアタクシの予想です。
第2回投票は、オランド勝利の確立がホボ確実。よっぽどのことがない限り、これは動かないだろう。オランドとおサル様の獲得票格差は10から15パーセントになるんじゃないか。これは戦後フランス大統領選挙の歴史でもめずらしい大きな差になるようです。
まあ、仏歴史上(少なくともドゴール以降)最悪の大統領でしょうか。
(だから言ったでしょうが:5年前にロワイヤルを大統領にしときゃよかったんですってば。。。)
おサル様について書くと止まらなくなりますし、ますます腹立つだけだから止めときます。簡単に言えば1997年(すでにサブプライム問題が表ざたになろうとしていた時期)に、何をトチ狂ったかフランスを「近代化」してアメリカ型資本主義の国にしようとした。そうやって特に年寄りの票(+ミゾジン、つまり女性蔑視人票)を獲得した。
英国でブレアが始めた、スピンドクターを使ってのメディア攻撃を駆使し、またマーケティングで別々のクライアント層に受ける政策をパチンコ的に八方打ち出し、結局のところその思想に統一性がないことミエミエ。国費の私腹化。プライベートの政治利用。趣味の悪さ。
先日のノルマンディ選挙運動演説では、自分は福島に行ったが、あそこでの津波は45メートルあった。それに比べてフッセンハイム(アルザス地方)には津波は来ないからそこの原発は安全だ、とえらそうにぶったわけです。おサル様はたしかに、(契約とり)中国訪問の際に東京へ立ち寄り、3時間ご滞在になったですし、福島原発を襲った津波は15メートルほどだったように記憶いたします。(なおオランドは、フッセンハイム原発は大統領任期中に廃炉の意向)
これは、今の日本でもそうですし、他の国々でも多かれ少なかれ御同病のイタリかと存じ上げるのだが、政治が、巨大化した金融・経済の単なる使いっ走りになって(欧州ではEU機構というのもあり)、単なる排除機械になってしまっている。
サルコジの政治が見事に典型的で、内務大臣となった2005年から一貫して、上場企業の友・フランス警察国家を作り上げてきたわけです。同時に、過去の栄光と自分の資産にしがみつく(“情報を得る”のはtvとフィガロからの)高年齢者の票が非常に重い。
彼ら高齢者たちは、今起きている事象が理解できない。すべてが変わる速度についていけないし、何故自分たちの“権利”なり財産が目減りするのかも分からずまま、一番簡単な説明に魅了される:すべてはXXXのせいである。このXXXは外国人であったり、EUであったりイスラム教だったり、馬鹿な若者だったりするわけです。若年層に仕事がないのも、移民のせいだし、同時に若い連中にやる気がないからだ、と本気で思っている。
困ったモンですが、大統領第2期やれないと、汚職スキャンダル裁判沙汰シリーズ開幕となるので、おサル様必至にならざるを得ないんでしょうねえ。
選挙騒ぎで忘れられてますが、今のスペインでは失業率がたしか24パーセントで、若年層(16-25歳のはず)失業率は50パーセントに及んでいる。今の調子で“危機”がスペインからイタリアにドミノすれば、次のターゲットはどうしたってフランスでしょう。だが、(日本の放射能汚染も同様)それに自覚的な人間は、せいぜいが人口の一割か15パーぐらいだと思います。
(結果がどうであれ)この選挙が終わってから、フランスにとっての正念場が待っているわけです。
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22日の第1回選挙後の記
まだはっきりした数字は出ていませんが、オランド・サルコジ・ルペン・メランションの順になりました。
投票率は(選挙人登録した成人のうち)約80パーセントですから、これは悪くない数字です。ただ、ルペンの獲得率が18パーセントを越したようだ。メランションが機体されたほど伸びなかったし、エヴァ・ジョリ獲得票がなんとも低かった:残念です。
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ちょっとおもしろいヴィデオがあったんで貼っておきます。おサル様が君臨した5年を4分ちょっとで紹介するという、アーティスト、Paul poutre の作:Excès de Caricature (2007-2012)。
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来週から、巣鴨での法事と信州および九州旅行のため日本に帰ります。したがって6日の第二回投票時はあちら。2週間の予定ですが、おサル様が再選されたら、もうこっちに帰ってこないぞ。というのもすぐには難しいだろうが、宮崎か大分あたりへの移住可能性のめぼしも点けてみたいと思います。いや、案外マジ。